大学院試験の勉強中の者です.少し疑問点があるので,ご教授いただければ幸いです. 一様な円柱がすべらずに斜面を登るとき(円柱に初速を与えて斜面上向きに運動させる.)の摩擦力の向きなのですが,斜面上向きに登っているので,逆方向,つまり斜面下向きに摩擦力が働くと最初考えました.この時の角速度をωとした時,斜面下向きの摩擦力だとωが大きくなるように摩擦が働き,回転が速くなると思いますが,実際は角速度が下がって止まり,逆に転がり始めるはずです.
考えてみたところ,次のようになりましたが,正しいのでしょうか?
すべらずに斜面を登る時,斜面と円柱の接点においては回転の速度と斜面上向きの重心速度が同じ大きさであり,この接点は斜面に対して静止しているので,摩擦力は静止摩擦力である. 円柱には重力が鉛直下向きに働いており,斜面下向きの成分を持っているので,それに抗するように斜面上向きに静止摩擦力が働き,ωを小さくする.
色々調べてみたのですが,斜面下向きに転がっていく場合しか例題がなく,実際はどうなのか気になっています.よろしくお願いします.
streamさん,こんばんは.
streamさんの後半の議論の方が,正しいと思います. まさに,重力とそれによる摩擦力が,反対向きに働いているのだと思います.
たしか,この手の議論は前にもあったと思います. その時勉強した感じを思い出すと, ころがり摩擦という摩擦があったのではなかったかなぁ?
他の詳しい人の返事をまってみてください.
お力になれず,すいませんね.
yamaさんどうも,それのことです.
転がり落ちるときの議論と何ら変わりない方程式が立ちそうです. 「演習力学」今井功他,共著サイエンス社のp92を見てみました. 院試対策には有名な黄色い本ですので,もしも,お持ちだったら話がしやすいです.
転がり落ちるときの方程式はご存じのようですね.
滑らずに転がる場合,静止摩擦力が働くと考えるようです. そのさい,とりあえず斜面方向の力を上向きにFとしてみて(あるいはその逆において)解くはずです. 解いてみて,Fがマイナスなら,下向きだったというわけです.
ここで,鉛直投げあげ運動を考えると,上向きに進む時と,下向きに進む時で, 運動を支配する方程式は,同じですよね.
類推して,これも運動を支配する方程式は同じではありませんか? おそらく,上向きに静止摩擦力が働くと考えるのだと思います.
クロメルさん,yamaさんレスありがとうございます. yamaさんが貼ってくださったリンクが非常に参考になりました.やはり斜面に上向きの静止摩擦力が働いているようですね.
クロメルさんのおっしゃった通りに運動方程式を立ててFを求めてみると,円柱の全質量をM,中心軸まわりの慣性モーメントをI,半径をa,斜面の角度をφとすると,斜面上向きを正にとった場合
F=MgIsinφ/(Ma^2+I)
となり,Fが正になったので確かに斜面上向きの力になりました.
今までの経験から,進む向きとは逆に摩擦が働くと考えていましたが,剛体の場合はそのような常識は通用しないのですね.