よい質問の仕方

この記事では掲示板の投稿でよい レス [*] をもらうために,以下を実践することを提案しています.

これらを実践すれば,良い回答が得られることを期待できるでしょう. (^^)

掲示板で,「どう質問して良いのかわからない.」「質問したがまともな返答がもらえない.」といったことでつまづいている人を対象にしています.

[*]レスは語源に諸説がありますが,投稿に対する返信のことなどを指します.投稿に対して返信をもらうことを「レスがつく」と表現したりします.

ひとつの勘違い

質問をしたがレスがつかない,まともな返答がもらえない,といった場合によくある例をあげておきましょう.

「うーん,この問題集の問題わからないなぁ.提出日が明日だし,学校で解答ももらってないし困ったなぁ.・・・あっ,掲示板みっけ☆ 書き込んじゃえ〜♪」

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このような質問の仕方をしている人を多く見かけます.この質問の仕方ではレスがもらえなくてもある意味で仕方ありません. この質問の仕方では何がいけないのでしょうか.

  • 自己紹介がない
  • m が何を表すのか書いていない
  • 勝手に問題を改変している
  • もともとの問題がなにを求めているのかよくわからない
  • 質問者がなにをわかっていないのか掴めない
  • 回答を急かしている
  • etc...

サポートセンターではありません

物理のかぎしっぽ掲示板では,ある問題が解決できなくて困っている人(以下,質問者)からの質問も受け付けています. 回答に当たってくださる方々(以下,回答者)は善意でその質問に答えてくれている場合がほとんどです.

注意しておく必要があるのですが「回答者は質問に答える義務をもたない」ということです. ある質問に対して回答するかどうかは,回答者が選択することです.つまらない質問,興味のない質問,不躾(ぶしつけ)な質問に答える義務はないのです [†] . 回答者に教えてもらおうと考えているのならば,まともな質問の仕方をする必要があります. レスがつかないからといって腹を立てたりしてはいけません. なぜレスがつかないのかを考えてみてください.

掲示板はサポートセンターではありません.一から手取り足取り最後まで教えてもらえることを期待してはいけません. かぎしっぽ掲示板は「知識や情報を共有し,互いに助け合うための場」です [‡] . 上に挙げた例のような質問の仕方では,ほとんどの回答者が答える気にはなりません [§]

趣旨を理解し,それに沿った形で投稿することがインターネット上でのコミュニケーションの基本となります. 一方的に自分の要求だけを突きつけて,あとは知らないという姿勢ではいつまでたってもまともなレスはもらえません.

ではどうしたら良いのでしょうか. せっかく質問するのですから,何かしらの有益な回答が欲しいですよね. それならば回答をもらえるように工夫をしてみましょう.

[†]義務はないですが回答者の方はたいてい皆さんのお役に立とうと思っていますので,この記事を読んでしっかりとした質問をすれば答えてくれることでしょう. (^^)
[‡]加えて,議論をするための場でもあります.
[§]やさしい回答者もいらっしゃいますので,そういった方々からの返信が期待できるかもしれませんけれども.

質問をする前のステップ

まずは問題を整理しておくことです.

  • 問題のキーワードは何か?
  • 自分はどこでつまづいているのか?
  • どこまでわかっているのか?

を明らかにしておきましょう.

STEP 0. 自分できちんと調べる

このステップがもっとも重要なのですが,このステップを飛ばしている人が非常に多いです. このステップは質問者の義務である,と物理のかぎしっぽ掲示板では考えています. したがって,このステップを飛ばしている回答者には「まずは自分で調べてみましょう」という旨のレスがつくことになる可能性が大きいです.

調べ方

といっても,質問者は調べ方がわからないのかもしれません.まずは以下を実行してみてください.

  • 教科書・参考書を調べる

    ある単語がわからない場合は索引で調べてみましょう.ある問題についてわからない場合は,似たような問題がないかを探して見ましょう.

  • 事典を調べる

    ある単語の意味がわからない場合には事典を調べてみましょう.そこに書いてあることの意味がわからない場合には,掲示板でその部分を引用し,質問します.

  • 問題集を調べる

    ある問題がわからない場合には,手元の問題集に(より簡単な,)似たような問題がないかを調べます.その問題を解いてみることによって,躓いていた部分がわかるかもしれません.また,問題集の解答を読むことで理解できるかもしれません.

  • インターネット上を検索してみる

    googleyahoo などの検索サイトで,問題となっている事項のキーワードを調べてみましょう. [¶]

  • 過去ログを調べる

    掲示板では,あなたの疑問に思っていることが過去に議論されているかもしれません. 過去ログ検索 で検索してみてください.

[¶]ある単語で検索してみてヒット数が多すぎる場合には「○○とは」というように,検索したい単語に「とは」をつけて検索すると目的とするものが得られやすくなるかもしれません.また英語を読める方は,目的とする単語を英語で検索すると良いでしょう.これは英語と日本語では絶対的な情報量にかなりの差があるからです.日本語で検索してヒットしない場合でも,英語で検索するとヒットするということは良くあります.

解決しなかった場合

簡単な問題だった場合には,だいたいこのステップで解決してしまいます. このステップで問題が解決しなかった場合にはじめて,掲示板で質問することになります.

質問をする

自分でできる範囲で調べてみたけれどもわからなかった,理解できなかったときにはどうぞ質問をしてください☆

物理のかぎしっぽは,そのような質問は大歓迎しております.(^^) [#]

[#]ただし,質問者がする質問がこの掲示板に適したものかどうかを判断することも忘れないでください.物理のかぎしっぽ掲示板はおもに物理学の内容とその周辺を扱っておりますが,あるレベルを超える内容になると,専門としている人がおらずレスがつかない場合があります.高度な内容の場合は過去ログなどを見てみて「この掲示板に適した内容かどうか」を判断してから投稿することをお勧めします.

そのときには以下のようなステップを経て投稿すると良いでしょう.

STEP 1. 質問文を書く

まずは投稿するための質問文を書きます. 質問文といっても,単に質問の内容だけを書けばよいのではありません.

適切なタイトルをつける

あなたが疑問に思っていることを端的にずばり表すタイトルをつけましょう. 人によっては,タイトルで面白そうな書き込みを見分けます.

「質問です」や「疑問なんですが・・」などは嫌われます.「助けて!!」,「お願いっ☆」などは論外です.

自己紹介をする

自己紹介は必須です.一般的な礼儀だ,という理由からだけではないのです.

自己紹介には挨拶や自分の名前(ハンドルネーム) [♠] だけでなく以下の情報を含めるようにします.

  • 学年
  • 物理の学習度合い

なぜかというと,回答者は上記の情報をもとに,回答文をどのようなレベルでどこまで書くかを考えるからです. 高校生からの質問に,大学で習うような高度な数学や抽象的な概念を用いて丁寧に回答しても,質問者の欲しい回答とは異なってしまうことでしょう. それでは質問者にとっても回答者にとっても労力の無駄になってしまいます. あらかじめ上記の情報を与えておくことで,お互いが労力の無駄をしてしまう可能性を減らすことができます.

[♠]名前はなるべく他の人と重ならないものを用いてください.またてきとーな名前(「a」,「ああああ」,「教えて!!」だとか「助けて!!」など)は嫌われます.

また二回目以降の書き込みのときに自己紹介を省略してしまう人がいますが,なるべく毎回書くようにしてください. 回答者は常に全ての書き込みに目を通しているわけではないですし,全ての質問者を覚えているとも限りません.

出典を書く

もし質問者が何かの問題集の問題や,本に書いてあることを質問するならば,その出典を明記するようにして下さい. これは質問者が引用をするときに写し間違えをしていた場合などに,確認をできるようにするためです. 出典は最低限,次の内容を書きます.

  • 本のタイトル
  • 著者
  • 出版社
  • ページ

これらに加えて,発行年や版数なども書いておくとより親切でしょう.ウェブページならばその URL を書いておけばよいでしょう.

また学校の宿題であったり,授業で言っていたことに関する質問である場合でも,その旨を明記してください. これは問題の信憑性や妥当性に疑問がある場合,回答者が判断をするのに有効な情報となりうるからです.

問題文を書く

質問の内容が問題集の問題であったり,本に書いてあることに関連しているならば,その文章を正確に引用するようにしてください.

よく書き写すのが面倒だからといって,自分で適当にまとめて(端折って)書いている人がいます. その「まとめ」や「端折り」が正しいのなら問題はないのですが,まとめや端折りをするさいに間違いを混入させてしまっていることが多々あります.

回答者は問題文をもとに考えますので,問題文自体に間違いが含まれていると致命的です. 問題文は可能なかぎり原文のまま引用するようにしましょう. [♥] 問題の解答がある場合にはそれも必ず書くようにしてください.

また出てくる記号については,きちんと何を表すのかを説明しておきましょう. 思わぬ勘違いや誤解を生む原因になります.

[♥]もちろん「明らかに」関係のない部分を省略するのは構いません.

「どこまでできたか(調べたか)」を書く

つぎに「どこまでできたか(調べたか)」を書きます. これを省略している書き込みが多く見られますが,こういった書き込みにはレスがつかないか,または苦言を呈したレスがつけられます.

質問者は,自分がどこまでできたかを書くのが面倒だったり,「間違ってたら恥ずかしい」という理由でこれを省くかもしれません. しかし,これを省略されると回答者の回答にかかる手間というのは何倍にも膨れ上がります. 質問者がどこでつまづいているのかもわかりません. したがってレスがつきづらくなってしまいます.

「この問題のここまではできたがここで詰まってしまった」や「ここまでは検索で調べた」などを出来る限り具体的に書くようにすると良質なレスが得られやすくなります.

まったくできなかった場合には,はっきりとそう書いてください. そうすれば「ヒント」をもらうことができるでしょう. 完全な解答が得られることは期待しないでください.

「どこがどのようにわからないか」を書く

そして「どこがどのようにわからないか」を書きます.

よく問題文のみを示して,「これがわかりません,教えて!」とだけ書いている人がいます. これでは多くの回答者は何と回答してよいのか「わかりません」. 「どこがわからないのか,自分でやったところまで書いてください.」というレスがつくことになります.

「どこがどのようにわからないのか」を具体的に明らかにすることは,掲示板での質問に限らず,とても重要です. ただ漠然と「うーん,わからない」と唸っているときはまず「何がわからないのか,どのようにわからないのか」を具体化するように 心がけてみてください.

結びを書く

「よろしくお願いいたします.」など,なにかしらの言葉で結んでおくと心証が良いと思います. (^^)

投稿する

質問文ができあがったら投稿することになります.しかし「書き込む」ボタンを押す前にもうひとつ大事なことをやらなければなりません.

STEP 2. 推敲をする

できあがった質問文をもう一度読み返してみましょう.誤字・脱字はありませんか.自分で読んでみてわかりにくい文章になっていないでしょうか. 誤字・脱字が著しい文章や,読んでも理解しにくい文章は回答者を遠ざけてしまいます.

「て」「に」「を」「は」を正しく使っているか,主語・述語などはきちんと書かれているかなどに気をつけながら推敲をします.

STEP 3. 投稿する

ここまでできたら,ひとまずお疲れ様でした.(^^) 数日以内にレスがつくことを期待しながら,投稿ボタンを押して投稿しましょう [♦]

[♦]きちんと推敲をしても,あとで間違いを発見してしまうのは良くあることです.あとで修正できるように「パスワード」も設定しておくことをお勧めします.(^^)

レスがつく

もし質問者の質問が適切であり,書かれている内容が以上のステップをきちんと踏んでいれば,レスがつくだろうことが期待できます.

レスがついたら,まずそのことに対してお礼を述べておくと良いでしょう.

STEP 4. case 1. レスの内容がわからない

レスの内容で不明な点があれば,やはり「どこがわからないのか」をきちんと明らかにしきちんと調べた上で,もう一度聞いてみると良いでしょう.

STEP 4. case 2. レスがつかない

以上のステップをきちんと踏んでいるにも関わらず長期間にわたってレスがつかない場合は,その内容がかぎしっぽ掲示板には適切でなかったのかもしれません. または回答者の興味を引く内容ではなかったのかもしれません.

この場合,残念ながら別の問題解決方法を探ることをお勧めいたします.

STEP 4. case 3. 問題が解決した

おめでとうございます.(^^)

回答して下さった方々にお礼を述べておくと良いでしょう. また何か問題があれば物理のかぎしっぽを利用してみてください☆

まとめる

質問者の方はまとめをしてみることをお勧めします.

STEP 5. まとめを書き込む

自分は質問をする前に何がわかってなかったか,質問をして何がどのようにして解決したかを書いてみてください. そして自分が引っかかっていたところなどを具体的に書いてくださると嬉しいです.

これは「情報の共有」,「物理のかぎしっぽ記事執筆の参考になる」というメリットがあります. よろしくお願いいたします. m(__)m

ややこしい?

ここまでいろいろなことを書きました.「掲示板に書き込むのにいちいちこんなこと気にしていられない」と思うかもしれません.

ここに書いたことはあくまで「目安」です. これを必ず守らなければならない,そうしないとレスがつかない,というわけではありません.

ただ「質問の仕方」を知らずにレスがもらえず問題を解決できない.そして「物理なんて嫌いだ〜(ioi)」となってしまう人が 少しでも減ってくれれば・・・という思いでこの記事を書きました.この記事自体もまだまだ改善の余地はあると思います. フィードバックをお待ちしております. :)

また参考文献には,よりきちんとした質問の仕方がわかりやすく書かれています.いちど目を通しておくと良いでしょう.