オイラー・ラグランジュ方程式
は,デカルト座標系で表された場合でも, 極座標で表された時でも,等しく成り立つのでした. どんな座標系 から座標系 への同次変換
で考えても,オイラー・ラグランジュ方程式が成立することを証明します. 簡単の為,ラグランジアンは時間に依存しないものとします. ある程度分かっている人向けだと思います.
そもそもオイラー・ラグランジュ方程式は,どうやって導出されたのでしょうか. 軽く振り返ってみましょう.
自然界では作用 (=ラグランジアン の時間積分)と呼ばれる量が停留値を取るように運動がおこります. これをハミルトンの原理とか,最小作用の原理といいます.
数式で表すと, 点 点の間では
として,その変分を とし,境界項を省略すると,
このゼロが恒等的に成立するとすると,オイラー・ラグランジュ方程式,
が導かれます.
さて,そろそろ本題に入りましょう.座標変換,
が与えられているとします.
この時には,
が成立することを確認しておきます.このδはクロネッカーのデルタ記号です.すると,ラグランジアンの一部について,
が成立します.同様に,後半部分も,
となります.よって,
となり,無事,別の座標系 でも恒等的にゼロに等しいので, オイラー・ラグランジュ方程式の別の座標系での表現,
が導けました.今日はここまで,お疲れ様でした.