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dx/dtをdxとdtに分けて良いの?

短い記事です.積分をする時に dx/dt = a(t)dx = a(t) dt として, x = \int dx = \int a(t) dt としますが, 少なくとも僕は最初とまどいました. 不思議な事に dt = b(x) dx としても同じ結果が得られます. それの根拠を探ります.

この記事ではこれを一般化して,

f(x) dx = g(t) dt \tag{1}

と,

\dfrac{dx}{dt} = \dfrac{g(t)}{f(x)} \tag{2}

の同値性を示します.

本題

まず,式 (1) から式 (2) を導きます. 前提として,鎖の規則と逆関数の微分法を認めます.

準備として f(x),g(t) の原始関数の一つを F(x),G(t) ,積分定数 C として,

\int f(x) dx &= \int g(t) dt \\F(x) &= G(t) + C \\x &= F^{-1}(G(t)+C)\tag{3}

となります.ここで,式 (3) の最終行の両辺を t で微分します.

\dfrac{dx}{dt} &= \dfrac{F^{-1}(G(t)+C)}{dt} \\&= \dfrac{dF^{-1}(G(t)+C)}{d(G(t)+C)} \dfrac{d(G(t)+C)}{dt} (\because \rm{chain \ rule}) \\&= \dfrac{dx}{dF} g(t) \\&= \left( \dfrac{dF}{dx} \right)^{-1} g(t) (\because \rm{Inverse \ function \ differentiation}) \\&= (f(x))^{-1} g(t) \\&= \dfrac{g(t)}{f(x)}\tag{4}

こうして,式 (1) から式 (2) が導けました. そして,逆をたどれば式 (2) から式 (1) を導けます.

よって,鎖の規則と逆関数の微分法を認めることで, 式 (1) と式 (2) は同値なものであると分かりました.

今日はこの辺で,お疲れさまでした.