(書体に関するバグがありまして, と は同じものです.) ヒルベルト変換 とは,主値積分を とした時,その関数 への作用を,
というものです.これは符号関数
と関数 (f(t)のフーリエ変換)の積 のフーリエ逆変換から自然に出てきます.
この記事では,
を示します.
実際,逆フーリエ変換を施してみましょう.以下では とします.( の時ω積分は発散します)
と,この様にヒルベルト変換が出てきました.
式 をフーリエ変換してみます.(主値積分とは積分記号に付くものではなく の時を除くと考えれば良さそうです.)
式 の最終行の丸かっこ内の 積分を実行します.被積分関数を と置くと, の時,下半面で 積分はゼロになり(ジョルダンの補題), は で時計回りに半周に対し,留数 が反時計回りで一周なので, となります.(この証明は,下記参考文献のp.105にあります.)後は実軸上の直線部分が求めたい積分のマイナス一倍となります.この領域には極が含まれていないので,積分は一周してゼロです.つまり,
これと同様に の時の積分を行うと, が得られます.
よって,
と分かります.( の時はどうしたものか?) よって,式 の計算を続行すると,
となり,無事ヒルベルト変換のフーリエ変換が求まりました.
今日はここまで,お疲れさまでした!