波は媒質中を進んでいく時に,高周波ほど早く減衰していきます. 例えば空気中を進む音は,花火など遠くで聞くほど低い音が響きますよね. それは,次のようなモデル(運動方程式)で理解できます.
第一項は慣性項,第二項はダンピング項(減衰項), 第三項は復元力の項です. は,それぞれ質量,抵抗,復元力で,すべて正の定数です. この式に を掛けて で積分してみます.
これは,左辺が運動のエネルギーに対し,右辺が抵抗で必ず負になることから, 力学的エネルギーがダンピング項によって,どんどん減衰していく様子を示して います. は積分定数で における力学的エネルギーを示します. ここで,振動を
とすると,
となります.振動の速さの微分には が掛かっていますね. これは角周波数 が大きいほど,減衰が早いことになります.
以上,簡単ですが,波の減衰についての説明でした. 今日はここまで.