ハミルトニアンは時間発展,運動量は平行移動,角運動量は回転と関係していると聞いたことはありませんか? 僕が知っていたのは,ネーターの定理あたりの話からだったのですが, ポアソン括弧を使ってもっと直接的関係が得られることに気づきました. 量子力学では有名な話です.ただ,私はその古典力学での対応を知りませんでした. この記事は証明と言うよりは,検証・確認です.
ポアソン括弧とは,運動量 ,位置 ,時間 と正準変数の関数 を用いた,
と言う計算の事です.
これは有名だと思います.関数 の時間発展は,ハミルトニアン を用いて,
という方程式になります.特に が時間を陽に含まない時,
となります.試しに
として式を計算すると,
となり,確かに正しい運動方程式です. としたハミルトン方程式
と等価です.
式 に対応させて以下の式を考えてみました.
右辺を計算すると,
特に としてみると,左辺が,
であり,右辺が
となり,一致していますね.
最後に二次元平面での回転を見ましょう.
ですから,二次元に制限すると, を考えれば良く,
です. は回転角です.例えば,
となります.ここで, とすると,
はて,これはどうしたらいいでしょう? 行列を使って書き直してみましょう.
となり,行列の指数関数を使えば良さそうです. として, 解くと,
となりました.これは正に(能動的)回転の行列ですね.
それでは,今日はこの辺で.お疲れ様でした.