ここでは,電磁気学を理解するために最低限必要なベクトル解析の知識について説明します. なお,簡単のためデカルト座標系のみについて記述します.
電磁気学ではよく,三角をひっくり返したような記号 - ナブラ がでてきます. ナブラは微分演算子で,次のように書かれます.
はそれぞれ,x, y, z 方向の単位ベクトルです.
まず,発散という量を定義します.発散はベクトル場
に対して次のように定義されます.
次に回転という量を定義します.回転は循環と呼ばれることもあります. ただし,日本でも英語で「ローテーション」と呼ぶことが多いようです.
回転はベクトル場 に対して次のように定義されます.
ややこしい定義で覚えづらいですね!線形代数を習って,三行三列の行列式の計算法を知っている人は次のような覚え方があります. 知らない人は 行列式 のページを読んでみてください.
続いて勾配という量を定義します. 勾配も英語で「グラディエント」「グレーディエント」などと呼ぶことが多いようです.
勾配はスカラー関数 に対して次のように定義されます.
電磁気学を勉強するときによく出てくる公式を以下に示しておきます.
ここでは証明は示しませんが,「困ったら成分ごとに計算する」を心に留めてください.
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