1)内力は,質点系の全運動量を変化させることができないことを示せ. 2)rotF=0ならば,Fは保存力であることを示せ. 上の二つの問題がどうしてもわかりません.ヒントでも完全解答でもなんでもいいので教えてください.よろしくお願いします.
始めまして.最近,力学計算や流体計算をしようと,久しぶりに物理を利用始めています.細かなことは,お若い方からご説明が在ると思います....
1)については,何処が納得できませんか?
2)については,こちらのサイトでrotの図による巧い説明がありましたが,ご覧になりましたか? この解説にくわえると;
ベクトルFが保存力であれば,A点からB点へ移動するときにする仕事が経路によらないことですね.だから適当なパスでA点からB点まで行き,また適当なパスでB点からA点に戻ると,全仕事は零に戻りますね.
ところが,rotFが有限だと,閉じたパスを積分すると,全仕事は有限になってしまいます.現象としては,直線電流がつくる磁場を一周積分したら有限ですよね.
うろ覚えですが,数学的にはストークスの定理が,上記の現象の積分表現となっていて,本サイトの説明は微分的な説明になっていると思います. → 説明者ご本人様,宜しくお願いします.
よく調べないで書いてしまいました.やかんさんがお書きになった;
にrotの微分的な説明がありました.
私もこれから,流体で渦がある計算をしたいので,とても参考になりました.はやとちりの情報を書きまして申し訳ありませんでした.ペコリ.
はじめまして,なんとなくです.
(1)について,こう考えたら如何でしょうか. 内力の捉え方が問題だと思います.n個の質点からなる質点系の内力とは,n個のうちのいくつかが「運動量を交換」することによって,力が働くことを言うのではないでしょうか. このとき,i番目とj番目(いくつにでも拡張可能)の質点が運動量を交換したとすると,交換後はダッシュ付きで表せば,運動量(p)保存則より, pi+pj=p'i+p'j 一方,この系の全運動量Pは P=Σpk なので,交換後全運動量P'は P'=Σ_(k≠i,j)pk + p'i+p'j=P したがって,内力はこの系の全運動量を変化させないことになります.
わかりやすい説明ありがとうございました.こういった証明問題がどうも苦手で・・・これからもどうぞよろしくお願いします.
なんとなくさん,始めまして.
手元に教科書が無いままに書きます.ニュートンさん流に言えば,3つくらいの公式で定義されていたと思いますが,って,どこかこのサイトに書いてあると思いますが...
若い頃(高校生)に気になっていたのですが,「j質点とk質点との2粒子間の作用と反作用が同じ」が仮説の基と感じています.
当時,どうして2質点に限定できるのか不思議でしたね.大学でとてもクールな友人が; ・「そう仮定して辻褄が合っているからだけさ」, ・「万有引力も,本当は距離の自乗に反比例していないかもしれないのさ!」 と言われていらい,法則の本質は仮説であると理解するようになりました.
間違っていたら,ご容赦.
mNejiさん,初めまして,こんにちは.
そうですね. 作用・反作用の法則は前述のようにその本質は運動量保存則で,力学はともかく電磁気も含めた世界で正当性が認められるまでは紆余曲折がありましたね.そういう意味では,運動量保存則が仮説だったのでしょう.また,rの巾指数についても,その(-2)からのズレはかなり議論されてきています. では,現在の視点はどこにあるかというと,一番はやはり実験的検証です.運動量保存則を破るような物理現象が(ひとつでも)あるか,という事実(将来はわかりませんが)から,運動量保存は仮説から法則へ格上げされたのだと思います.勿論作用・反作用が運動量の保存と考えて問題となるケースがない,ということも付随しますね.rの巾乗も似たようなもので,「積極的に」(-2)からのずれを示唆する現象はないと結論されたのだと思います. しかし,これらはいわゆる通常エネルギーの世界で,高エネルギーでは,万有引力が相対論的補正を受けるように,或いはCP(T)変換の自発的対称性の破れがおこるような領域では保存則の一部が失われるように,何事も適用範囲を持った仮説なのだと思います.逆に適用範囲ではどうどうと法則と言えるわけです.
なんとなくさん:
問題を提起された たかしさんがどのような設定で質問されているかがわからないので強い論議ができませんが,通常考えるn個の質点以外から外力が無い場合を考えれば,全体の運動量は「個々の質点間の作用・反作用が等しい」ことから結果としてでてきますね.
他方,j質点が荷電粒子で,k質点が無荷電粒子とします.ある時間幅の中で,これらの質点が直接に衝突する場合を考えて,その運動量をお説のように
pj+pk=p'j+p'k
といえるのでしょうか.この式は成り立ちません. なぜならばk質点の運動量変化はj質点との衝突にのみ拠ったとしても,j質点は他の荷電質点とのクーロン力があるからです.
ですから個々の質点の運動量の時間変化には「先見的な運動量保存則」はありえず,「個々の質点相互の作用・反作用が合い等しい」という法則が成立するのだとおもいます.そして,ニュートンさんが凄いのは,直接作用だけでなく,遠隔作用にもそれを適応できるとしていることです.
逆に言えば,ニュートンさんの怖いのは,3体力などは初めから無視したこととおもいます.それが天才のゆえんかもしれませんが.
>mNejiさん,こんにちは.
私は,質問者の方の2問目,rotF=0のベクトル場Fが保存力場となる,という初等的な質問からレベルを判断し,それに適切と思われる1問目の回答をしました. mNejiさんへはもっと本質的なレベルでレスしたつもりです. 回答中にも書きましたが,(i,j)2粒子は拡張できる,つまり幾粒子間の作用反作用であろうと,それを総和して反応前後で保存するという意味です. もし,mNejiさんの主張を受け入れるなら,質点系ははなから重力相互作用によりすべてを多体系として扱わねば成りません. 荷電粒子を通じて相互作用が存在するなら,それらも含めた総運動量で式を拡張せねば成りません.もちろん,そうすれば,私の説明は本質的になんら変わりません.なぜなら,クーロン相互作用は現代の解釈では運動量交換そのものであり,作用・反作用の原理が働くからです. ともあれ,設問は力学の範疇であり,仮想的な質点系の問題としても,このような回答が(物理的な)作法であると思っています.