大学の中間テストの問題なのですが. 流速V,河幅lの河のO点の対岸Pから船速Vの船が常に船首をO点に向けて進むとき,船は岸のどこに到着するだろうか.O点からの距離を求めよ. というものですが,船首を常にO点に向けるということはθがつねに変化しますよね.考えているのですが,このような問題はどんな方針で解けばいいのかよくわかりません.わかる方がいればどうか教えてください.
O点を原点とし川岸をy軸にとった座標系を考えます. 対岸をx=-l とし,水はy軸の負の向きに速さ V で流れているとします. 水に対する船の速度を とすると が成り立ちます. また,常に船首をO点に向けるということは,この速度の向きがOの向きになるということなので次の式が成り立ちます. 一方,川岸に対する船の速度 と水に対する船の速度 の間には次の関係があります. 初期条件を「t=0 のときx=-l,y=0」としてこれらの方程式を解き,x=0 の時の y の値を求めればいいでしょう. しかし,これらの方程式は簡単に解けそうには見えませんが・・・.
少し進んだ場所で極座標で考えてみると,船がP点に向かうスピードは ,直交する方向へのスピードは と書けそうですから,これを と組み合わせたらどうでしょう?変数分離形ですから,そのまま積分できると思います.(logがたくさん出てきそうですね・・・)軌跡の方程式を求めるのが問題ですか?
なるほど,極座標で考えれば何とかなりそうですね. ところで,流れに垂直な速度成分は,岸に近づくとほぼ指数関数的に限りなく小さくなっていくので,有限時間では岸に到着できないように思います. もちろん,岸のある点に限りなく近づくので,その極限点までの距離を求めればいいのだと思いますが,有限の時間では到着できないとすると「船は岸のどこに到着するだろうか.」という表現はいかがなものか・・・.
AIさんの『どんな方針で解けばいいのか』,が印象的であった.
1.渡る時間を最小にする航法は,流れに垂直に進む航法で,最小渡り時間I/Vを得る. 2.最小渡り時間I/Vで流される距離はIである. 3.船首を常にO点に向ける航法では,流されまいと終始努力しているので, 努力を評価して私なら直感的に,中を取って流される距離を半分に見積もる. 4.この船は時間が掛かるが,流される距離I/2の岸に限りなく近付くであろう.
の式の右辺の分子分母に をかけて変形して計算すると,
> 4.この船は時間が掛かるが,流される距離I/2の岸に限りなく近付くであろう.
トンガリさんの予想が正しそうですね.積分計算以外にもっと簡単な方法はないのでしょうかね.
返信ありがとうございます.助かりました.
yamaさんが 9630 でお書きの設定をそのまま使わせていただきます.
V x 2 +V y 2 =V 2 … (1) V y /V x =y/x … (2) より, V x =(−x/√(x 2 +y 2 ))V,V y =(−y/√(x 2 +y 2 ))V … (3)
また,dx/dt=V x ,dy/dt=V y −V … (4)
(3)(4)より, dy/dx=(V y −V)/V x =y/x+√(1+(y/x) 2 ) … (5)
(5)は同次形の微分方程式で,そう難しくなく解ける.初期条件 (x=−L で y=0) を満たす解は, <b>y=x 2 /(2L)−L/2</b> … (6)
(6)が船の航跡の方程式で,船は,Oから <b>L/2</b> 離れた点にたどり着く.
なるほど,同次型になるのですね. これだと,航跡が放物線になることが一目瞭然ですね.
流れに垂直に進む航法とこの航法を比較する.
1.この航法では,流される距離は半分になる.(解決済み) 2.この航法では,航跡の長さに変わりがない.(解決済み) 3.この航法では,岸に限りなく近付く時間は直感的にπ倍となるであろう.
問題は解決してるのですが,到着時間が気になったので計算してみました.(積分計算は挫折してMapleさんに頼りましたが...)
になるまでの時間は
なので になるまでの時間は
となり(前半だけなら手計算でもでますね),到達まで予想通り無限の時間がかかりますが,たかがlog orderです. なら くらいで到着ですね.(ちなみに川の真ん中までは くらいです.)
直交座標による考察も載せておきましょう.
前記(No.9646)の(3)(4)(6)より,
√(x 2 +y 2 )=√(x 2 +(x 2 /2L−L/2) 2 )=x 2 /2L+L/2 ∴ dt/dx=−√(x 2 +y 2 )/Vx=−(1/V)(x/2L+L/2x)
よって,川を渡りきるのに要する時間 T は,
T=−(1/V)∫ -L 0 )(x/2L+L/2x)dx
この積分は無限大に発散するので,ε=−10 -n L まで岸に近づくには,
T n =−(1/V)[x 2 /4L+(L/2)log|x|] -L ε =−ε 2 /4LV−(L/2V)logε+(L/2V)(1/2+logL) 〜(L/V)(1/4+n・log10/2) 〜(L/V)(0.25+1.15n)