大学物理

大学物理

AI さんの書込 (2006/05/28(Sun) 21:02)

大学の中間テストの問題なのですが. 流速V,河幅lの河のO点の対岸Pから船速Vの船が常に船首をO点に向けて進むとき,船は岸のどこに到着するだろうか.O点からの距離を求めよ. というものですが,船首を常にO点に向けるということはθがつねに変化しますよね.考えているのですが,このような問題はどんな方針で解けばいいのかよくわかりません.わかる方がいればどうか教えてください.

Re: 大学物理

yama さんのレス (2006/05/29(Mon) 00:17)

O点を原点とし川岸をy軸にとった座標系を考えます. 対岸をx=-l とし,水はy軸の負の向きに速さ V で流れているとします. 水に対する船の速度を (V_x,V_y) とすると V_x^2+V_y^2=V^2 が成り立ちます. また,常に船首をO点に向けるということは,この速度の向きがOの向きになるということなので次の式が成り立ちます. \frac{V_y}{V_x}=\frac{y}{x} 一方,川岸に対する船の速度 \left(\frac{dx}{dt},\frac{dy}{dt}\right) と水に対する船の速度 (V_x,V_y) の間には次の関係があります. V_x=\frac{dx}{dt}, V_y=\frac{dy}{dt}+V 初期条件を「t=0 のときx=-l,y=0」としてこれらの方程式を解き,x=0 の時の y の値を求めればいいでしょう. しかし,これらの方程式は簡単に解けそうには見えませんが・・・.

Re: 大学物理

Joh さんのレス (2006/05/29(Mon) 01:29)

少し進んだ場所で極座標で考えてみると,船がP点に向かうスピードは \dot{r}=-V+V\sin \theta ,直交する方向へのスピードは r\dot{\theta}=V\cos \theta と書けそうですから,これを \frac{1}{r}\frac{dr}{d\theta}=\frac{\dot{r}}{r\dot{\theta}}=\frac{-1+\sin \theta }{\cos \theta } と組み合わせたらどうでしょう?変数分離形ですから,そのまま積分できると思います.(logがたくさん出てきそうですね・・・)軌跡の方程式を求めるのが問題ですか?

Re: 大学物理

yama さんのレス (2006/05/29(Mon) 09:15)

なるほど,極座標で考えれば何とかなりそうですね. ところで,流れに垂直な速度成分は,岸に近づくとほぼ指数関数的に限りなく小さくなっていくので,有限時間では岸に到着できないように思います. もちろん,岸のある点に限りなく近づくので,その極限点までの距離を求めればいいのだと思いますが,有限の時間では到着できないとすると「船は岸のどこに到着するだろうか.」という表現はいかがなものか・・・.

Re: 大学物理

トンガリ さんのレス (2006/05/29(Mon) 13:45)

AIさんの『どんな方針で解けばいいのか』,が印象的であった.

1.渡る時間を最小にする航法は,流れに垂直に進む航法で,最小渡り時間I/Vを得る. 2.最小渡り時間I/Vで流される距離はIである. 3.船首を常にO点に向ける航法では,流されまいと終始努力しているので, 努力を評価して私なら直感的に,中を取って流される距離を半分に見積もる. 4.この船は時間が掛かるが,流される距離I/2の岸に限りなく近付くであろう.

Re: 大学物理

toorisugari no Hiro さんのレス (2006/05/29(Mon) 17:34)

\frac{dr}{r}=\frac{-1+\sin \theta }{\cos \theta }d\theta

の式の右辺の分子分母に \cos \theta をかけて変形して計算すると,

> 4.この船は時間が掛かるが,流される距離I/2の岸に限りなく近付くであろう.

トンガリさんの予想が正しそうですね.積分計算以外にもっと簡単な方法はないのでしょうかね.

Re: 大学物理

AI さんのレス (2006/05/29(Mon) 21:13)

返信ありがとうございます.助かりました.

川を渡る船

山旅人 さんのレス (2006/05/29(Mon) 22:21)

yamaさんが 9630 でお書きの設定をそのまま使わせていただきます.

x 2 +V y 2 =V 2 … (1) V y /V x =y/x … (2) より, V x =(−x/√(x 2 +y 2 ))V,V y =(−y/√(x 2 +y 2 ))V … (3)

また,dx/dt=V x ,dy/dt=V y −V … (4)

(3)(4)より, dy/dx=(V y −V)/V x =y/x+√(1+(y/x) 2 ) … (5)

(5)は同次形の微分方程式で,そう難しくなく解ける.初期条件 (x=−L で y=0) を満たす解は, <b>y=x 2 /(2L)−L/2</b> … (6)

(6)が船の航跡の方程式で,船は,Oから <b>L/2</b> 離れた点にたどり着く.

Re: 川を渡る船

yama さんのレス (2006/05/29(Mon) 23:37)

なるほど,同次型になるのですね. これだと,航跡が放物線になることが一目瞭然ですね.

Re: 川を渡る船

トンガリ さんのレス (2006/05/31(Wed) 18:08)

流れに垂直に進む航法とこの航法を比較する.

1.この航法では,流される距離は半分になる.(解決済み) 2.この航法では,航跡の長さに変わりがない.(解決済み) 3.この航法では,岸に限りなく近付く時間は直感的にπ倍となるであろう.

Re: 川を渡る船

toorisugari no Hiro さんのレス (2006/06/01(Thu) 21:30)

問題は解決してるのですが,到着時間が気になったので計算してみました.(積分計算は挫折してMapleさんに頼りましたが...)

\theta になるまでの時間は

\frac{V}{L}t &= \int\frac{d\theta}{\cos\theta(1+\sin\theta)}\\&=- \frac{1}{4}\ln(1-\sin\theta)+ \frac{1}{4}\ln(1+\sin\theta)- \frac{1}{2(1+\sin\theta)}+ \frac{1}{2}

なので \theta=\pi/2-\epsilon になるまでの時間は

t \sim (-\frac{1}{2}\ln(\epsilon)+0.596\cdots)\frac{L}{V}

となり(前半だけなら手計算でもでますね),到達まで予想通り無限の時間がかかりますが,たかがlog orderです. \epsilon \sim 10^{-4} なら t \sim 5\frac{L}{V} くらいで到着ですね.(ちなみに川の真ん中までは t \sim \frac{L}{V} くらいです.)

Re: 川を渡る船

山旅人 さんのレス (2006/06/03(Sat) 23:12)

直交座標による考察も載せておきましょう.

前記(No.9646)の(3)(4)(6)より,

√(x 2 +y 2 )=√(x 2 +(x 2 /2L−L/2) 2 )=x 2 /2L+L/2 ∴ dt/dx=−√(x 2 +y 2 )/Vx=−(1/V)(x/2L+L/2x)

よって,川を渡りきるのに要する時間 T は,

T=−(1/V)∫ -L 0 )(x/2L+L/2x)dx

この積分は無限大に発散するので,ε=−10 -n L まで岸に近づくには,

n =−(1/V)[x 2 /4L+(L/2)log|x|] -L ε =−ε 2 /4LV−(L/2V)logε+(L/2V)(1/2+logL) 〜(L/V)(1/4+n・log10/2) 〜(L/V)(0.25+1.15n)