光の分散と屈折率

光の分散と屈折率

サンダーSP さんの書込 (2006/05/27(Sat) 23:11)

こんばんは.まだ3度ほどしか質問してないので,知らない方も多いと思います.それとTexの使い方は分からないので,少し見難いかもしれません.

今回は,思考実験ではなく,数式理論に関する質問です.一応あってるかどうか,分からない所は,その説明なんかを加えていただけると幸いです.

三角プリズムに光を当て,分光が起こる時,光の波長により屈折率が違うのは何故か,という一見単純そうな問題なのですが,設問にしたがっていくと,まるで理解できません. 『光速は(eu)^(-1/2)「eは誘電率ε,uは透磁率μの代わり」で与えられ,真空の誘電率をe0,透磁率をu0,波長l「Λの代わり」の光に対するガラスの比誘電率はer(=e/e0),透磁率は1とする.光速中での光の速さをc,真空中をc`とした時,屈折率はnとおける.ただし,c=2.998X10^-8,空気の屈折率を1とする.』・・・問題文の補足説明文

設問1:ng^2=erの証明設問2:電荷Qのガラス内の電場EをE0とerで表す.(E=E0/er)

ガラス(比誘電率er)に外部から電場Eexをかけると,電場の向きに伝煮が現れ,その単位面積当たりの正電荷をQp,(負-Qp)とする.これは分極により起こる.これをモデル化し,質量m電荷q(>0)の荷電粒子がつりあいの位置(x=0)からずれ,復元力-kxが働く事を考える.

設問3:粒子が復元力のみによって振動する時,xでのa(加速度)とし,運動方程式をたて,固有角振動数w0を求めよ. 自分の解答:力学の単振動で考えて,ma=-kx.x``=aから,w0=(k/m)^(1/2).

設問4:問3で,振動電場E(t)=E0cos wt(E0>0)をかけると,単振動し,位置座標x(t)=Acos wtと表される.振幅Aをw,w0で表せ. 自分の解答:qE0cos wt - kx(t)=mx``(t)を解き,w0^2*m=kを代入すると,A=qE0/m(w0^2-w^2).

設問5:分極にとって現れる電荷Qpは,荷電粒子の変位xに比例し,分極電荷が作るガラス内の電場Epは,Qpに比例,すから,Ep=bxとおき,ngをwとw0を用いて,表せ.この結果から光のプリズムの分散を説明せよ. 自分の解答:ng^2=er=e/e0=Ep/E(t)(この変形であってるかどうかが不明)であとはそのまま解いたのですが,説明でつまずきました.(結果に矛盾します.)

設問6:このモデルがFK!と呼ばれる光学ガラスに適用できるとし,可視光に対する空気中での波長の実測値を用いて,硝子の固有角振動数w0,角振動数がw0に一致する時の,電磁波の波長l0を有効数字3桁で表せ. l=7.682X10^-7,n=1.466l=5.862X10^-7,n=1.471l=4.047X10^-7,n=1.482 lは波長,nは屈折率 自分の解答:全く不明.

この問題は物理チャレンジの応募問題2題のうちの1題です.(もう一題は,摩擦のあるアトウッドに関する問題で,e(自然対数)^π(円周率)が出てきたりして,かなり苦戦したのですが,とりあえず今回はこれを質問させていただきました.)解答は一切知りません.調べたりするのは,自由なんですが,友達の誰も説明できず,これを紹介するサイトもありませんでした. 一応分かる所まで,記述し,問題は最低限を書きましたが,不足がありましたら,指摘をお願いします.

光の波長により屈折率が違うのは何故?

山旅人 さんのレス (2006/05/27(Sat) 23:42)

サンダーSPさん,今晩は.山旅人と申します.

> 三角プリズムに光を当て,分光が起こる時,光の波長により屈折率が違うのは何故か,という一見単純そうな問題なのですが,設問にしたがっていくと,まるで理解できません.

設問に沿った回答ではありませんが… 『理化学辞典』(第4版)<岩波>で “屈折率” を引くと, 「屈折率 n は光の振動数によって変化し,分極率との関係はローレンツ−ローレンツの式で与えられる」 とあります.引き続き “ローレンツ−ローレンツの式” を引くと, 「光に対する物質の屈折率 n とそれを構成している分子の分極率 α との関係式をいい,物質の密度を ρ,モル質量を M として, ((n 2 −1)/(n 2 +2))M/ρ=(4π/3)N A α=R 0 で表される.R 0 をモル屈折率という.…」 書かれています.

屈折は異なる媒質内で光速が変化することが原因ですが,光速が変化する理由は, 『ファインマン物理学』(3)電磁気学<岩波>

にある説明で,私は納得することにしています. ご参考までに.

Re: 光の波長により屈折率が違うのは何故?

サンダーSP さんのレス (2006/05/29(Mon) 23:41)

ありがとうございます,山旅人さん.

ファインマン物理学はまだ読めそうにないです.一応高校生で,大学の物理等の理論を少しかじっているだけですので. あと,屈折率と分極率の関係式を見ても,自分にはさっぱりです.

というより,学校で電磁気を全く習っておらず,電磁気は一応独学で大学のものと重ね合わせながら,勉強し,理解したつもりですが,こうやって問題集に載っていないような問題はさっぱりです.

Re: 光の波長により屈折率が違うのは何故?

サンダーSP さんのレス (2006/06/03(Sat) 00:11)

山旅人さんが紹介してくださった『ファインマン物理学』は,金銭上入手不可です.(小遣いはもらっていませんし,アルバイト等は学校で禁止されています) それでその後もネットを使って調べたのですが,分かりやすくきちんと説明のなされているページがありませんでした.

で,もう一度何か参考サイト等や,考え方・数式を示していただけるとありがたいです. 問題文をなるべく簡潔にまとめて書きましたが,指向が分かりにくく見難いと思いますし,またレベルの低い自分ですが,設問5以降に関する説明に関するものをお願いします.(設問5以降,本当に問題の趣旨さえも理解できません.)

Re: 光の波長により屈折率が違うのは何故?

CO さんのレス (2006/06/03(Sat) 00:41)

サンダーSP さん,こんばんは.

ファインマン物理学,入手不可能とのことですが図書館などで取り寄せることも不可能でしょうか? あそこに書いてある内容を簡潔に示せというのはけっこう厳しいと思います.

あと問題文を簡潔にまとめて書いたとのことですが,できることならそのまま書き写した方が情報が正確に伝わります.

Re: 光の波長により屈折率が違うのは何故?

yama さんのレス (2006/06/03(Sat) 15:20)

サンダーSPさん,こんにちは.参考になりそうなことを少しコメントさせていただきます. この問題は設問に沿って考えていけば解けるようになっています. 振動する電場 E がガラスに加えられると,ガラス内の荷電粒子が電場による力と復元力を受けて振動します.その振幅を計算すると電場の振動数 w に依存することが分かります. 一方,荷電粒子がつりあいの位置からずれると誘電分極がおこり,その分極による電場 Ep が生じます.ガラス内の電場 E には Ep 自体も含まれています. ところが,この Ep は荷電粒子の変位 x(t)=A(w)cos wt に比例するので,振動数 w に依存することになります.そのため,比誘電率や屈折率も w に依存することになり,分散が生じるわけです.

ところで,設問5でつまづかれているようですが er=e/e0=Ep/E(t) が間違っています.er はガラス内の電場 E と分極がないときの電場 E+Ep との比になるので er=(E(t)+Ep)/E(t) です. 設問6は設問5の結果を利用します.屈折率が w の関数になるので ng^2=f(w) の形に書くことができます.f(w) は w0 や他の定数をパラメータとして含んでいますが,ng と w の実測値を代入することによって,これらのパラメータの値を求めることができます.

Re: 光の波長により屈折率が違うのは何故?

サンダーSP さんのレス (2006/06/05(Mon) 01:37)

*COさんへ >ファインマン物理学,入手不可能とのことですが図書館などで取り寄せることも不可能でしょうか? >あそこに書いてある内容を簡潔に示せというのはけっこう厳しいと思います.

最初はそうしようかと思ったのですが,そういう専門書は取寄せてくれるかどうか分からないので・・・. その本は機会があったら,購入するなりして読みたいと思っています.

ところで,そのファインマン物理学(電磁気に限らず)は高校知識でも読めるでしょうか?(というより数式が多いのでしょうか?)

>あと問題文を簡潔にまとめて書いたとのことですが,できることならそのまま書き写した方が情報が正確に伝わります. 長くなると思ったので,なるべく問題の意図が分かるようまとめたつもりですが,もしかしたらおっしゃる通り全部書いた方が良かったかもしれません.

*yamaさんへ ありがとうございます.なんとなく分かったような気がしますが,後できちんと計算し直してみます.

Re: 光の波長により屈折率が違うのは何故?

yama さんのレス (2006/06/05(Mon) 12:14)

ファインマン物理学は,大学での講義内容に基づいて書かれた本なので,高校生にはちょっと難しいでしょう. きちんと理解するには,多変数関数の微積分(偏微分や重積分など)とかベクトル解析などの知識が必要だと思います. しかし,内容によっては高校生でも理解できる部分もあります.