ベーゴマがぶつかって,勇ましく弾かれるのが魅力的だ. 2つのコマがゆっくりと近づき,ぶつかって,パッと散る. このパッと散る理由を,上手に説明できるだろうか. 私には未だできない.この現象から問題を作る.
【問題】 外周が円形の鉄のコマと,十分重い鉄の壁で 実験した. 鉄板の床を鉄の壁側に少し低くなるように傾斜させて配置した. コマは壁にゆっくりと近づき,ぶつかると,壁に垂直な方向に弾かれる.
上記の,『 壁に垂直な方向に弾かれる理由 』を説明しなさい. ただし,コマは鉛直に立っていて,歳差運動をしていないものとする.
その設定には疑問があります. 実験してみれば分かりますが,たとえば板の上でコマを回して,その板を傾けると,コマは低いほうには移動せず,勾配に垂直な方向,すなわち水平方向に移動します. 原理的には,歳差運動と同様な考えで説明できると思いますが,初めて見たときは意外な感じでした.
床が水平な場合は,コマがぐうぜん壁にぶつかるのを,気長に待たねばなりません. 私が床を傾ける設定にしたのは,コマの支点が滑り落ちて,壁にぶつかる可能性を高めたのです. したがって,設定を床が水平な場合に変えてもかまいません.問題の主題に影響はありません.
コマの支点が円筒の端面の場合は,yamaさんの言われる通り,斜面を横切る方向に移動します. それでも,重力の影響で斜面を滑り落ちる方向の移動成分もあります.
yamaさんのご指摘から,問題の設定に漏れが見つかりました. 問題に,下記の要件を追加します.
コマの支点は通常売られている円筒端面ではなく,おおむね針先である. 針先とは言っても床を滑りやすい様に,約 R0.5mm の丸みがつけられている.