高2の女子です.はじめて質問します.
今日学校で物理の時間に,次のことを学びました. (1)音速は空気中では約340m/s,水中では約1400m/sであること. (2)そのため,空気中から水中に音波が入射するときは全反射が起こり,その臨界角は約14度であること.
そこで疑問が湧きました.シンクロナイズドスイミングの選手は,水中に潜っているときと空気中に顔を出しているときとで,どのように音楽が聞こえるのか,という疑問です.
水中スピーカーがあって,水中にも音楽が流れているのであれば,その音速は速いですから,その音楽に合わせてタイミング良く水面から顔を出したつもりが,まだそのタイミングではなかった,なんてことになるのでしょうか?
また,水中スピーカーが無いのなら,水中の選手には自分の真上14゜以内の範囲から入射する音しか聞こえないので,(水中スピーカーでない普通の)スピーカーがその範囲になかったら音楽は聞こえないのでしょうか?
屋内プールなら,選手の真上14゜以内の範囲にスピーカーが無くても,天井からの反射音(の音楽)が水中にいる選手には聞こえるのでしょうか?
屋外プールだったら天井からの反射はありませんから,プールサイドなど(選手の真上14゜の範囲外)にスピーカーがあって音楽がなっていても,水に潜ったら全く聞こえないのでしょうか?
ご回答よろしくお願い致します.
FJのOMさん,はじめまして!やかんです. とっても面白い疑問ですね.学校の授業をヒントに日常のこういう事を考えてみるというのは,楽しいし,本当の意味の学習という気がします. ところで,
>水中スピーカーがあって,水中にも音楽が流れているのであれば,その音速は速いですから,その音楽に合わせてタイミング良く水面から顔を出したつもりが,まだそのタイミングではなかった,なんてことになるのでしょうか?
FJのOMさんはどう思いますか?
私の考えでは,音速は違っても,音楽のかかっている時間は同じだから(水中の音楽が早く終るわけではないので),そういう意味ではずれないでしょうね.でも水中と陸のスピーカーを同時に鳴らしたとすると,スピーカーからの距離・音速によって,だんだんずれるのではなくて,最初からずれることはあるかもしれません.(正しいかな?)
やかんさん
ご返答ありがとうございました. お答えの意味がちょっと分からなかったのですが,自分なりに次のように考えてみました.
水中スピーカーにせよ陸上スピーカーにせよ,その位置は選手から10m程度の所でしょう. ですから,スピーカーから選手に音が届くまでに空気中(音速340m/s)では10m÷(340m/s)=2.9×10^-2秒,水中(音速1400m/s)では10m÷(1400m/s)=7.1×10^-3秒.その差は2.2×10^-2秒(100分の2秒)でしかありません. スピーカーまで100m離れていたとしても0.2秒の差です. この差は競技する上で全く問題にならないくらい小さい差なのではないでしょうか.
また,私の2つ目の疑問「水中スピーカーが無い場合,水中の選手には自分の真上14゜以内の範囲から入射する音しか聞こえない…」についてコメントいただけるとありがたいです.
FJのOMさんはじめまして.kenです.
>また,私の2つ目の疑問「水中スピーカーが無い場合,水中の選手には自分の真上 14゜以内の範囲から入射する音しか聞こえない…」についてコメントいただけるとありがたいです.
それは,実際に水中にもぐってみるといいですよ. プールにいくと,顔を水面から出しているときは水面上や陸上の音や声が よく聞こえるのに,水中だとほとんど聞こえなくなる. という経験はあるかと思います. こうした,自分の経験に物理の法則がぴったりとあてはまる,この感覚が 物理に親しむことになるかと思います.
>FJのOMさん
ああ,そういう意味だったんですね.それなら,陸上スピーカーが,水中スピーカーより,約4倍選手より離れていれば,ずれないかな? でもシンクロってホントぴったりそろってるから,100分の何秒でも大きいかも?!2)は難しそうだなあ・・・.
始めまして,山旅人と申します.
> 「水中スピーカーが無い場合,水中の選手には自分の真上14゜以内の範囲から入射する音しか聞こえない…」について
プールの水面が “不動の水平面” ならばそのようなことが起こり得るかもしれません.しかし,実際には,選手の動きによって水面がかなり波立っていることでしょう.ですから,<b>自分の真上 14°の外であっても瞬間の(一部分の)水面の法線に対しては 14°以内で</b> 水中に音波が進入することがあると思われます.
ken さんが書いておられるように,<b>実際に体験してみる</b> ことは,物理を学ぶ上で極めて大事なことです.しかしながら,体験(実験結果)と考察とが必ずしも一致しないことはかなり多く,初学者を悩ませるものです.考察の際には無造作に無視している摩擦だとか空気の抵抗だとかが,現実には小さくない影響を与えていることも結構あります.考察に用いたモデルの妥当性を疑うことも,忘れてはいけないことです.
上のように書いてはみたものの,気になったので検索してみました.実際のシンクロでは,水中にスピーカーがあるようですね.
脱線ですが,こんなのも見つかりました.