こんばんわ.地方在住の高校生石井です.rotと電流のまわりにできる磁場についての質問です.
長山伸一郎氏著の「物理数学の直感的方法」ではrotの意味として,ベクトル場を水流と考えた時,その流れの中にある微小な水車の回転速度と解釈してあります. (rot →A)のz成分の意味は,z軸を回転軸に持つ半径無限小の水車が 『左回り』にどの程度の回転速度で回転しているかを示すとのべてあります.
その理由の概略は以下です.
(rot →A)のz成分=(∂Ay/∂x)−(∂Ax/∂y)ですが (rot →A)のz成分の1項目の(∂Ay/∂x)も(rot →A)のz成分の−(2項目) の−(∂Ax/∂y)も左回りの回転速度を表す.(2項目は右回りだが−がつくことで左回りとなる)
その理由は (rot →A)のz成分の1項目は
(∂Ay/∂x)=lim(d→0)Ay(x+d)−Ay(x) / d
ですが,この正体を以下の図のように示してあります.
y 軸Ay(x)Ay(x+d) ・↑ ・↑│ ・│★│ ・││ ・│ ・ ・ 原点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・x軸
★を半径dの水車,流速を示す関数をAyとすれば,水車の両側での速度差はAy(x+d)−Ay(x)でこの速度差がトルクとして水車に作用するから,回転速度はこれを水車の半径で割ったAy(x+d)−Ay(x) / dとなります. で,d→0とすれば lim(d→0)Ay(x+d)−Ay(x) / d=(∂Ay/∂x) となって,(∂Ay/∂x)は流れのy方向の成分がどれだけ水車を左回りに回すかを示しています.
(rot →A)のz成分の2項目の(∂Ax/∂y)は lim(d→0)Ax(y+d)−Ax(y) / d ですが これも以下の図のようになり,
y軸 ・ ・−−−−→Ax(y+d) ・★ ・ ・−−−−−−−−−−→Ax(y) ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・x軸
ただこの場合(∂Ax/∂y) は水車の右回りの回転速度を示すので, (rot →A)のz成分の2項目の(∂Ax/∂y)のまえに−をつけ(rot →A)のz成分の1項目の(∂Ay/∂x)が水車の左回りでありこととあわせてあります.
これで
rot →A)のz成分 (∂Ay/∂x)−(∂Ax/∂y)の意味は,z軸を回転軸に持つ半径無限小の水車が 『左回り』にどの程度の回転速度で回転しているかを示せて,x軸,y軸も同様となります.
ここまではわかりました. (rot →A)のx,y,zの各成分はそれぞれの軸を回転軸と考えた水車をどれだけ左回転させるかを表しているんだなぁというイメージはもてました.
ところで
電流のまわりに出来る磁場は
rot H=i
であらわされますが,このとき磁場のむきは電流のすすむ方向を軸とするなら右ネジの向きになっいます.(磁場の方向に右ネジをまいてそのネジの埋まっていくほうこうが電流となっています)
これを考えますと上記の長山氏の述べていらっしゃる『左回り』とこの右ネジがつながって理解できません.
質問?長山氏の述べていらっしゃる『左回り』と電流のまわりに出来る磁場の右ネジはどのようなつながり(関連)をもっているのでしょうか.
質問も抽象的ですみません.わたしが理解していない証拠です.どうか,私がしている混乱も察してお答え下さい.お願いいたします.
石井さん,はじめまして! 高校生でベクトル解析なんてすごいですね! しかもrotは一番難しいのに・・・.尊敬しちゃいます. 私も大学では物理をやっていなかったので(でもなんとかベクトル解析を自分で勉強しようとしてます),今の石井さんのレベルに一番近いのではないかと思います(いや,石井さんの方がわかってらっしゃるかも).というわけで,専門家ではもちろんないし,途中で私がつっかえたら他の方に助けていただくとして,ご質問の件ですが,右ネジを逆さにして,Z軸に平行(xy平面に垂直),ネジの頭を下,先っぽを上(z軸の座標が頭より大きい方向)に置いたら,水車の回転(磁界)と,右ネジの進行方向(電流の向き)がそれぞれ一致するでしょうか?良かったら下記の記事もお読みになって感想聞かせて下さいね!
やかん様ありがとうございます.
>ご質問の件ですが,右ネジを逆さにして,Z軸に平行(xy平面に垂直),ネジの頭を下,先っぽを上(z軸の座標が頭より大きい方向)に置いたら,水車の回転(磁界)と,右ネジの進行方向(電流の向き)がそれぞれ一致するでしょうか?
やかん様のおっしゃるとうりだと思います.(他の方々のご意見もお聞きしないと確かじゃないですが) やかん様の物理数学の記事, 「でも,見る間にぐるぐる回っているので,いずれの方向で表すのも難しそうです.むしろ渦の真中に,水面と垂直に棒を立てて目印とし,”棒を軸とした周りの渦である”とした方がわかりやすそうですね.渦の強さは棒の長さで表せば,遠目に見ても一目瞭然です」 というので分かった気がします.
rot=∇×A まさに外積という感じで「垂直に棒を立てる」のでしょうね.
私は,残念ながらベクトル解析なんて高尚なことは理解してません.ただ単に,高校物理からアンペールの法則やファラデーの法則やガウスの法則とか,ストークスの定理とか勉強して,マックスウェルの方程式でrotとdivもちょっと勉強しようと思っている程度のレベルですよ.それで,やかん様の物理数学の記事も勉強させていただきました.図解的でわかりやすかったです.(まだ理解半ばですが)
この周辺のことをまた質問しますので御教授よろしくお願いします.
お役にたてたようで光栄です.
>rot=∇×A まさに外積という感じで「垂直に棒を立てる」のでしょうね.
私も本当にそう思います. :)
>私は,残念ながらベクトル解析なんて高尚なことは理解してません.
いやあ,もう立派にベクトル解析に踏み込まれてらっしゃると思いますよ :)
>図解的でわかりやすかったです.
実は,図に関しては崎間さんに書いていただいたので,合作なんです(その他,査読の方にもご意見をいただきました)お読みいただいて,ご感想も下さり,とっても嬉しいです!私も駆け出しで,お教えするなんてできませんが,これからご一緒に考えさせていただけたら,と思ってます.もうひとつのスレのご質問(div rotの方),実は私もずっと疑問に思ってました.成分で演算して”ほら〜”と言ってしまえばそれまでですが,イメージが湧いた方がいいですよね.私ももう一度わからないなりに考えてみます・・・.