井戸型ポテンシャルの意味がよくわかりません

井戸型ポテンシャルの意味がよくわかりません

あさ さんの書込 (2005/07/07(Thu) 02:24)

高校で物理未修のものです.現在大学一年生です.量子化学の入門みたいな講義をとっているのですが,そのなかで,一次元の井戸型ポテンシャルなるものがでてきました・・・・・が,私はポテンシャルが何なのかよく分からないし,どこを基準としたポテンシャルなのかも分からないし,「一次元の」というところもよく分からないし,粒子がどう動いているのかもよくわかりません.「壁にぶつかる」とかいう表現の意味も分かりません.その粒子の様子が想像できません.それからここら辺から波動関数をといていったりしていますが,よくある「井戸型ポテンシャル」の図で描かれている粒子では,粒子性だけが見えていて,そこでは波動性が見えないものなのでしょうか? とにかく「井戸型ポテンシャル」の考え方や意味がさっぱり分からないので根本的なところから(本もネットでも,それの存在が「ある」ところから話が始まっていて,調べようがありません)教えてください. がんばって自分で調べて分かったことは,この概念が理解できないと今後あらゆる場面で苦労するということだけです(涙) どうかこれがどういうものなのかを教えてください.

Re: 井戸型ポテンシャルの意味がよくわかりません

崎間 さんのレス (2005/07/07(Thu) 05:20)

> この概念が理解できないと今後あらゆる場面で苦労するということだけです(涙)

苦労してこそ身に付くことも多いと思います.苦労しましょう.

と,エラソーに言ってみましたが,「井戸型ポテンシャルって何?」と問われると僕もなかなか説明できないので,僕も良く分かってないのだと思います.でも井戸型ポテンシャルの概念が役立つものだということは分かっているつもりです.一緒に考えましょうか(きっと他のみんなも助けてくれることでしょー).

量子力学で扱うモノは,電子など非常に小さな世界のモノです.逆にいうと極微の世界では量子力学的に扱わないといけません.化学反応では電子のやり取りが重要なので(ですよね?),量子化学では,はじめに電子を量子力学的に扱うことについて勉強します.

ですが,電子は勝手にうろうろしている訳ではなく,通常は電磁気的な力によって原子核に捕らわれています.一番簡単な構造をしている原子は,陽子一つ電子一つの水素原子です.電子と陽子は互いに逆の電荷を持っていますから,互いに引き合います.陽子の方が電子より圧倒的に質量が大きいので,ほとんど電子が一方的に陽子に引きつけられます.この状態を,電子は陽子のポテンシャルに捕らわれていると考えます.このポテンシャルは,電磁気学からすり鉢状の形になることが分かります.さらに簡単にするため,一次元にして,直線的な「井戸型」で表しているのが「一次元の井戸型ポテンシャル」である,という認識をするとどうでしょう.多少はイメージが掴める気がしませんか?

実際の空間は三次元ですが,いきなりそれだと難しそうなのでひとまず一次元で考えてみる,というのは物理の常套手段です.いま受けられている講義でも,そのうち三次元の水素原子を扱うと思います.

とりあえずここまで,良く分からないところをご指摘ください.

ごめんなさい・・・ぜんぜん分かりませんでした

あさ さんのレス (2005/07/07(Thu) 19:29)

私は電磁気学をやっていないので(冬学期の科目なので),やっぱりよく分かりません・・・.すり鉢状?とかも・・・・.物理を取っていなかったので高校の教科書とかも無い・・・ですが,まずそこら辺から自分で勉強しろってことでしょうか..... あと,∞のポテンシャルを感じるという部分に電子が存在しない理由もよくわかりません... どういう概念のものなのかもう少しつかめるといいのですが・・・. あとあと,v=0上の粒子は,あの直線上を左右に動いているんですか??

Re: ごめんなさい・・・ぜんぜん分かりませんでした

Joh さんのレス (2005/07/07(Thu) 22:01)

私も全くわからないので,一緒に考えましょう.

坂道を考えてみてください. 普通の地面の坂道だけではなくて,電子は電位の坂道,質量は重力の坂道に沿って,高いところから低いところに転がり落ちます.

坂が急なら,転がる力も強いですし,坂の向きによって転がる向きも変わります.ポテンシャルっていうのは,この坂の高低差みたいなもんなんじゃないか,と,私は思ってるんですが.

>他の方 こんなイメージであってますか?

Re: ごめんなさい・・・ぜんぜん分かりませんでした

yama さんのレス (2005/07/07(Thu) 23:55)

イメージとしてはJohさんのように考えることができると思います. また,運動エネルギーや位置エネルギーについては中学校でも初歩的なことは学習したことと思います. ポテンシャルとは簡単に言えば位置エネルギーのことと考えていいでしょう. 重力は高いほうから低いほうに向かってはたらきますが,これは重力による位置エネルギーの小さい方に向かってはたらくと言えます. 一般に力はポテンシャルの高いほうから低いほうに向かってはたらきます. 平らな地面になめらかな窪みがあって,その底にゴルフボールがあるとします. そのボールを強く打つと,ボールには大きなエネルギーが与えられ,窪みから出て(摩擦がなければいくらでも)遠くに去っていきます. 打ち方が弱いと,与えられるエネルギーが小さく,窪みの斜面の途中から引き返すので,窪みから出ることはできません. 一般に一部に窪みがあるような形のポテンシャルの下では,物体のエネルギーがある値より大きければ,無制限に広い範囲で運動できますが,エネルギーが小さい場合は,運動できる範囲は窪みの中の一部に限られます. ただし,窪みが無限に深ければ(窪みの底を基準にすると窪みの斜面が無限に高ければ)どんなにエネルギーを与えても窪みの外に出ることはできません. 井戸型ポテンシャルの場合はポテンシャルが不連続的に変化するので,不連続点で瞬間的に力がはたらくことになりますが,ちょっとイメージしにくいかもしれませんね.この場合もエネルギーが大きければ運動範囲は無制限となり,エネルギーが小さければ運動範囲は井戸の中だけになります. ポテンシャルの基準の取り方は任意です.ポテンシャルの差だけが意味があるからです.普通は無限遠で0になるようにとりますが,井戸の底を0にとることもできます.

以上は古典論の場合で,量子論の場合は少し違いがあります. 古典論では,エネルギーはどんな値でもとることができますが,量子論ではエネルギーがある値より小さい場合は,とびとびの特定の値しかとれません. また,井戸の深さが有限の場合,エネルギーが小さければ古典論では井戸の外には出られませんが,量子論では井戸の外でも存在確率が0にはなりません.(ただし,無限遠では0になります.) 井戸が無限に深い場合は,古典論と同様に井戸の外の存在確率は0になります.

古典論の場合をを十分理解した上で,それと比較して量子論の場合を考えると,量子論の理解が深まると思います.

Re: ごめんなさい・・・ぜんぜん分かりませんでした

CB さんのレス (2005/07/08(Fri) 00:22)

はじめまして,あささんCBと申します.

ポテンシャルという言葉は一般にも使われつつある言葉なので意味が曖昧になってますよね. ポテンシャルエネルギーとはその場にあるだけで潜在的にもつエネルギーと考えればいいと思います. 地球上(地球による重力場)だったら位置エネルギー,静電場だったら静電エネルギー

逆に言えばその場に留まるためにはその分のポテンシャルエネルギーが要るということです. >∞のポテンシャルを感じるという部分に電子が存在しない理由 ポテンシャル無限とは,"その場に留まるには無限のエネルギーが要る"="その場には存在できない"ということです. 「井戸型」といっても実際は電子は一次元(直線上)を左右に移動しているだけです. それでポテンシャル無限の地点にくると電子はこう感じるわけです 「この先は無限のエネルギーが要るんだよ.これ以上は進めないよ・・・」 で仕方なくポテンシャル0の井戸内に居続けることになります(これが壁にぶつかる)と言う意味です.(イメージ的にはJohさんの坂道の例えがよりマッチしてると思います) これが一次元の井戸型ポテンシャルの意味です.

これを量子力学で扱う意義ですが・・・

古典力学で井戸型ポテンシャルにボールを放り込んでやると,井戸の外には量子力学同様どうあがいても出ることはできませんが井戸内であれば自由に行き来できるのは分かりますよね(自由といっても左右に動くだけですが) ところが量子を放り込むと存在できる場所はSinの形になってしまうというわけです(シュレーディンガー方程式の解がSinになります). つまり古典論では一様に分布するはずが量子では全く存在しないところが出てくるということです. (さらに,エネルギー固有値も離散的になります)

で,これが実際なんの役に立ってるかといいますと・・・

今話題の高輝度LEDありますよね.あれがまさに井戸型ポテンシャルなわけです. LEDの場合は2次元ですけど.(2次元でも変数分離すれば一次元のシュレーディンガー方程式として解けます) ハムサンドにたとえると分かりやすいかもです. パンのところがポテンシャル∞の領域でハムのところが0の領域と考えください.そのハムの中に電子を閉じ込めておいてその遷移発光で高効率に発光させるわけです. そのハムサンドの断面を見ると・・・一次元の井戸型ポテンシャルに見えなくもないですよね

だらだらとくどい説明で申し訳ないです

Re: ごめんなさい・・・ぜんぜん分かりませんでした

ken さんのレス (2005/07/08(Fri) 16:55)

kenです.こんにちわ.私も量子力学は苦手でした.

>物理を取っていなかったので高校の教科書とかも無い・・・ですが,まずそこら辺から自分で勉強しろってことでしょうか.....

ここら辺の話は,高校物理にじかに結びつくことがほとんどないので,おそらく,高校で物理を履修した人でも,ほとんど分からないことだらけなので,安心して周りの方に聞きまくっていいと思います. 高校物理が優秀だった人でも量子力学では理解できない人や間違って 理解している人は多くいますので,注意が必要ですが.

さて,少しは本題にも触れておきます. 銅板などの金属板を考えます.広さは無限に大きいとみなせるとして,厚みは有限の値2Lとしましょう.この銅板を空気中に立てておきます. さて,金属板の中にある電子1個について考えて見ます.この電子は銅板の中はどこにでも自由に行き来します.しかし,銅板を飛び出して外へ行くことはありません.(普通はという条件があります.超高温や強力な紫外線照射などすれば飛び出すこともありますが) なぜでしょうか? 銅板の外に飛び出すには大きなエネルギーが必要だからです. エネルギーには,運動している物体自身がもつ運動エネルギーと位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)があります.ここでいう銅板の外に飛び出すエネルギーはポテンシャルエネルギーにあたります.ポテンシャルエネルギーは単にポテンシャルと略すことが多く,ここでもその表記なので以下ではポテンシャルと略します. さて,銅板の中であれば自由に動ける,つまり移動するのにエネルギーはいらないので,銅板の中のポテンシャルは0です. 銅板の外側に行くには大きなエネルギーが必要ですが,このエネルギーが無限に大きいとすればポテンシャルは∞です. 銅板の外側に飛び出すのにエネルギーが必要であることを「ポテンシャルを感じる」と表現することがあります.∞のポテンシャルを感じる,つまり銅板の外側に飛び出すのに必要なエネルギーが無限に大きい場合,銅板の外側に電子は存在しません. 銅板の厚みの方向をxとし,銅板の中心をx=0とすると-L<x<Lの範囲にのみ電子が存在し,この外側にはポテンシャルの壁により電子が存在しません.この場合,電子のx方向の運動には銅板の中であっても制約が存在します. y,z方向(銅板が無限に広がる方向)については何の制約もなく自由に動き回ります.なお,この例のように-L<x<Lの範囲でポテンシャルが0で一定,その外側でポテンシャルが∞となっているようなポテンシャル分布は井戸型ポテンシャルといいます.一般的には井戸型ポテンシャルとは左右対称で,ある値でポテンシャルが急激に変化し,この変化点以外ではポテンシャルが一定(内側が0とは限らないし,外側は∞であってもなくてもいい)であるポテンシャル分布をいいます.

識者の皆様,こんな書き方であってますでしょうか?

無題

デスティニー さんのレス (2005/07/09(Sat) 12:47)

はじめまして,新参者の工業高校生です・・・名前はデスティニーといいます(適当につけました^^; 物理やってないんですが「linux」で検索していろいろとHPを回ってるうちにここに流れ着きましたw ところでみなさん説明のたとえがうまいですね・・・実は家庭教師とか先生とか教える仕事,又はバイトをよくやってるんですか?

PS.掲示板の書き込みをあまりする派ではないので変なとこがあるかもしれないですがそこはスルーしちゃってくださいw

ありがとうございます

あさ さんのレス (2005/07/09(Sat) 20:47)

みなさんいろいろな形で説明してくださり,本当にありがとうございました. かなり参考になりました. お礼の気持ちを込めて,特に印象に残ったところ(自分の理解に大きく影響したところ,感動した事実)を,コピペの形でいくつか挙げてみると,

「ポテンシャルっていうのは,この坂の高低差みたいなもんなんじゃないか」

「ポテンシャルの基準の取り方は任意です.ポテンシャルの差だけが意味があるからです.」

「逆に言えばその場に留まるためにはその分のポテンシャルエネルギーが要るということです ポテンシャル無限とは,"その場に留まるには無限のエネルギーが要る"="その場には存在できない"ということです」

「銅板の外側に飛び出すのにエネルギーが必要であることを「ポテンシャルを感じる」と表現することがあります」

「銅板の厚みの方向をxとし,銅板の中心をx=0とすると-L<x<Lの範囲にのみ電子が存在し,この外側にはポテンシャルの壁により電子が存在しません.」「この例のように-L<x<Lの範囲でポテンシャルが0で一定,その外側でポテンシャルが∞となっているようなポテンシャル分布は井戸型ポテンシャルといいます.」

「井戸内であれば自由に行き来できるのは分かりますよね」「つまり移動するのにエネルギーはいらないので」

本当にありがとうございました.

ところでまだいくつか分からなかったところもあるので質問させてください<m(__)m>・・・どちらも私がわかっていなところとしては同じ部分なのですが,まず

「量子を放り込むと”存在できる場所はSinの形になってしまう”というわけです つまり古典論では”一様に分布する”はずが量子では全く存在しないところが出てくるということです」 ここら辺がいまいちよく分かりませんでした.(特に””のところ) 古典力学では粒子はこの直線上を自由に(左右に)動く(これはこの粒子の粒子性の部分ですよね?)が・・・つまり直線的に動けるが,量子論では(同じ座標系上で)Sinのグラフの形に動く,ということですか(・・・そう言うと粒子のポテンシャルエネルギーは常にV=Oでないことに・・・周期的に+になったり−になったりしちゃうので,この私の解釈は間違っているか←自己完結)? 存在できる場所という表現の中の「場所」の意味がうまく理解できなかったんです. それとも,この直線と,(何か,ポテンシャルを考えた時の座標系と横軸だけは共有している,別の座標系での)sinのグラフとの交点にしか粒子が出現できないという意味ですか? 存在できる場所がサインの「形」になるというのは・・・その「形」というのは井戸型ポテンシャルを考えた座標系上で見れる(形成される)「形」という意味ですか?

次に 「この場合,電子のx方向の運動には銅板の中であっても制約が存在します. y,z方向(銅板が無限に広がる方向)については何の制約もなく自由に動き回ります.」 後半の文は分からなかったところではなく,感動したところです.空間を考えることとエネルギーを考えることとの二つの座標系が,私の頭の中で完全にリンクされた瞬間でした. よくイメージできなかったのが前半の文です.その「制約」が先ほどのsinなどと関係してくるんだと思うんですが,これまで同様,銅板の中での動きの話で説明すれば,粒子はどのような動きになるのでしょうか??さらにできれば,その「制約」を,(銅板での動き&)定在波の話と結びつけて説明していただけないでしょうか?

こうやって分からないところを自分の言葉にして見ることは,自分の中で何があいまいになっていたのか,整理しなおすきっかけになります...何が言いたいかというと,今思ったんですが,「粒子性」と「波動性」の違い,というか両者の定義というか(うーん,これだと語弊があるきがする・・・),がよく分かりません. 今までは「波動性?その粒子が波ってるんだろー(これは今,完全に間違った解釈だったと気がついた.粒子が波型の動きをしていることではない.)」「粒子性?粒らしく自由に動けるんだろー.それを一つの粒として取り出して考えることができるってことー.」と思っていました. 粒子が波動性を持つ,と言ったときの,その波動的な動きがイメージできません.

いま,先述のとおり,私は高校の物理の教科書が無かったので,母親の40年位前の物理の教科書を発見してきてちらちら読んで見ていたのですが,「ある場所で生じた状態の変化が,次々に伝わっていくのが波である」って書いてありました.これを電子だの光だのに当てはめると,ここでいう「状態」は,何の状態を指すんでしょう??電子が波動性を持つというとき,何の状態の変化によって波動が出現するといえるんでしょう??音だったら空気の密度の「状態」,ツルマキばねでパルス波を作るというときはそのツルマキばねを巨視的にcordとして捕らえれば,それを水平方向に置いたときの”高さ”という「状態」の変化,ですよね?では電子や光では??

Re: ありがとうございます

CB さんのレス (2005/07/09(Sat) 23:12)

あささんこんばんわ

やはり言葉足らずでしたね....

まず大前提にあるのがシュレーディンガー方程式の解はその場所での存在確率を表しているということです(実際は解の2乗).

古典論では井戸内のどこであれ同じ確率で存在するのはあたりまえですよね.そのことを”一様に分布する”と表しました. 日常感覚では当たり前すぎて,改まって言葉にすると変な感じがしますが・・・

もしそれが電子(量子)だったら井戸内での存在確率はSinの2乗で表されます.そうするとその値が0になるところがいくつか出てきますよね.つまり古典論のようにどこでも好きなところには居れないよということです. Sinの形という言葉でも惑わせてしまったようですね.運動する道筋がSinという意味ではありません(あくまで一次元です).そもそもこの電子は「あっちに移動した!こっちに移動した!」といった振る舞いはしません."この場所にこの程度の確率で存在する"という風にしかいえないんです(これを波動性と言えば言えなくもないのかな・・・). ポテンシャルの形によって電子の振る舞いが計算で出てくるわけです.井戸型ではなく中心力場のポテンシャルで波動関数を求めればなぜメタンは四面体の形をしているのかとかそいうったことも分かってくるわけです.

>よくイメージできなかったのが前半の文です.その「制約」が先ほどのsinなどと関係してくるんだと思うんですが 上記のことからちょっと関係はないですね.混乱させてしまったようで申し訳ないです.

あと「波動性」「粒子性」という言葉で混乱しているようですが,その辺の話は私もよく分かりません(苦笑) ヤングの干渉実験では波動性が,アインシュタインの光電効果では粒子性が,といったように測定によって波動の性質や粒子の性質が露見しちゃいますということです.で,それをかっこよく「粒子の二重性」といっているだけなんだと軽く考えるのもいいかもしれません. これから量子(や他の物理)のさまざまな理論を勉強して改めて「粒子の二重性」について考えてみるというのはどうでしょうか

>40年位前の物理の教科書 すごく興味をそそられます(笑)

うぉぉ

あさ さんのレス (2005/07/10(Sun) 00:43)

じゃあ,あの井戸のそこの直線上を,粒子がすぅーっすぅーっと連続的に移動しているわけではないってことですね!?(ちがかったらすぐ言ってください) なんか,とある参考書の図では,井戸の底(V=0の直線上(軸))に粒子が一つかいてあって,その上に左右に先がついている矢印(←→)がかいてあったので・・・. あ,今のは古典力学での話においてです.つまり一様に存在するときの話をしてました↑.

私は単位のためにがんばっているんじゃないんですよー.面白いと思うからやるんです.私がとっているのは量子論という科目じゃなくて,基礎現代科学というやつで,これから構造化学とか学ぶ前に,学生が全体像を見れるようにって開講されている入門コースです.必修ではないので,別にやりたくなければ切っちゃってかまわないくらいなんですよ.でもこういった話から励起状態とかの話まで触れておくことで,たとえば生物関係なら「なぜ人間は可視光しか見えないのか」とかいった疑問の答えを知ることができるようになるわけです.わたしは生物屋を目指していても,より幅広い教養を身につけておきたいと思っていますから・・・学ぶということに喜びを覚えていますから・・・・たとえば物理だけではなく教育学や美術論といったものにだって手をつけています.

Re: うぉぉ

CO さんのレス (2005/07/10(Sun) 01:41)

> 面白いと思うからやるんです.

ここで回答して下さっている方々は,皆さんそう思ってやっているのだと思います.

本来,自然に物理だとか化学だとか生物だとかの枠はありません.人間が勝手に作った枠組みです.ここで回答して下さっている方々は専門はどうあれ,自然に対して興味を持っている方々だと思います. :)

> 学生が全体像を見れるようにって開講されている入門コース

こういうコースがあるって良いですね.ぜひいろいろと学んでください. ;)

Re: うぉぉ

あさ さんのレス (2005/07/10(Sun) 08:55)

ああ,断っておきますと,先ほどの単位がらみのコメントは,No.5939に対してのレスと考えてください,,,,

Re: うぉぉ

山本明 さんのレス (2005/07/10(Sun) 09:40)

あささん,はじめまして.

>単位がらみのコメントは,No.5939に対してのレスと考えてください,,,,

似た話題が別のところにあると混乱しますね… (^^; どちらの返信欄に書こうか私も迷ったのですが,波動性と粒子性について.

よく電子とか光は“波の性質と粒子の性質を両方持っている”なんて表現するけれど,肝心の「波の性質とは何か」「粒子の性質といってるのは何か」についてはほぼどこにも明記されていませんね. 「量子は波動性と粒子性を併せ持つ」なんて言ってる意味はどういうことか. これはまあ私の解釈にすぎないんですが,波の性質とか波動性と呼ばれているのは“干渉をする”とか“ある位置での情報が同心円状に拡がっていく”といった特徴を指すのだと思います.そして粒子の性質とか粒子性と言っているのは,“1個2個…と数えることができる”性質を指しているのだと思います.

量子というのは,1つ1つのモノごとに区別はできません.電子ならば電子同士,見分けはつきません.だけど全体で何個あるかということは考えられます(粒子性).エネルギーが飛び飛びの値を取るってのも,量子が1個2個…と数えられるという性質に起因しますね. さらに,その量子はある時刻にどの場所にいるのか,観測するまでわかりません.観測する前にわかるのは“どの辺りにいそうだぞ…”という存在確率のみ.観測した時点でどこにいるのかはわかるけど,その後の時刻でどの場所にいるのかは,だんだんわからなくなってしまいます.観測後は存在確率の情報が波と同じような形で拡がっていくことになります(波動性). これらを「粒子性と波動性を併せ持つ」と表現しているのだと思います.

物質波を提唱したド・ブロイ自身がどう考えていたかはわかりませんが,現在は上記のように考えておくとあながち外れていないんじゃないかと思います.

>粒子がすぅーっすぅーっと連続的に移動しているわけではないってことですね!?

そうですね.粒子が連続的に移動しているという考え方は,粒子がいつどこにいるか,常に断言できてるという場合.それは古典力学で考えていることになります. 量子力学で考えているならば,どの辺りにいそうだぞっていう存在確率の情報しかわかりません.その存在確率というのは,波動関数と呼ばれているものの絶対値の2乗になります.だからシュレディンガー方程式は,粒子がどの辺にいそうかという情報を得るために,解いているのですね. って,このことは上でCBさんがすでに述べてることでした. この辺の話題については,先に別記事でCBさんも勧めてた 朝永振一郎さんの「鏡のなかの物理学」を私もお勧めします.ぜひ手に入れて,読んでみてください.“光子の裁判”なんて,とても面白いと思いますよ.

Re: 無題

山本明 さんのレス (2005/07/10(Sun) 09:49)

デスティニーさん,はじめまして. 書き込みされてる皆さんがどうなのかは知らないけれど,教えるような仕事・バイトをやってる人も多そうですよね. 掲示板の書き込みをあまりする派ではない…なんて言わずに,どうぞまた書き込みしてくださいね.物理でなくLinuxの話題でも,新しく話題を立てれば答えてくれる人がたくさんいると思います.…私は疎いですけど (^^; .

ありがとうございます

あさ さんのレス (2005/07/10(Sun) 10:34)

挙げていただいた本はぜひとも読んでみたいと思います.

「存在確率の情報が波と同じような形で拡がっていく」

これは私がした質問,「これを電子だの光だのに当てはめると,ここでいう「状態」は,何の状態を指すんでしょう??電子が波動性を持つというとき,何の状態の変化によって波動が出現するといえるんでしょう??音だったら空気の密度の「状態」,ツルマキばねでパルス波を作るというときはそのツルマキばねを巨視的にcordとして捕らえれば,それを水平方向に置いたときの”高さ”という「状態」の変化,ですよね?では電子や光では??」

の答えということですか??つまり電子などの話では,私が気にしていた「状態」=存在確率ってことですか??

Re: ありがとうございます

渡邉 矩章 さんのレス (2005/07/10(Sun) 11:48)

>私が気にしていた「状態」=存在確率ってことですか??

ですが,系のあらゆる性質(運動量,存在確率,エネルギーetc)が波動関数(あるいは状態ケット)から分かるという事だと思います.

そして,その波動関数が時間的にどのように発展するかを記述するのがシュレーディンガー方程式です(系が孤立している限り状態は連続,ユニタリ的に発展します).

しかし,観測(理想測定であっても)する行為による変化は不可逆的な変化を起こします(ユニタリ的な変化では無いです).誰も粒子を見ない限り(影響を与えない限り),その後の粒子の運命はシュレーディンガー方程式から決定論的に分かりますが,何らかの影響が与えられた瞬間に系の状態に関する情報の一部については永遠に失われます(同時測定できない物理量というのがあります.例)運動量と位置).

Re: ありがとうございます

CB さんのレス (2005/07/10(Sun) 14:36)

あささんこんにちわ

書込があちこち行ってしまってすみません.

>私は単位のためにがんばっているんじゃないんですよー.面白いと思うからやるんです. レスからにじみ出てます.学生時分の私に爪の垢を煎じて飲ませたいです.

>でもこういった話から励起状態とかの話まで触れておくこと 必ず役に立つときがくると思います.

先の質問に付け足しします.

もし井戸型ポテンシャルを移動しているボールをビデオカメラで撮っていたとしたら・・・という思考実験で考えると

古典論: ボールははっきりとカメラに収められているはずですよね(位置と運動量が確定できる).ものすごい速さだとしてもスローでみれば分かるでしょうし,少なくとも"凄い速さだ"ということは分かります.

量子論: ボール(電子)は映りません....それはカメラの性能が悪いとかそういう話ではなく,どんなに精度を上げても電子を捉えることはできません(位置と運動量を同時に確定できない).ただ存在確率を感じとれるカメラ,サーモグラフィーならぬ確率グラフィーであれば色の強弱によってどの程度の確率で在るのかが分かるでしょう. ここで電子によって感光する蛍光板を入れてあげると,電子が蛍光板に当たって光るはずです(位置が確定).しかしそのときの運動量を知ることは不可能だということです. これが量子論から導かれる電子の本質です.

Re: ありがとうございます

渡邉 矩章 さんのレス (2005/07/10(Sun) 15:22)

>量子論: ボール(電子)は映りません....それはカメラの性能が悪いとかそういう話ではなく,どんなに精度を上げても電子を捉えることはできません(位置と運動量を同時に確定できない).ただ存在確率を感じとれるカメラ,サーモグラフィーならぬ確率グラフィーであれば色の強弱によってどの程度の確率で在るのかが分かるでしょう. ここで電子によって感光する蛍光板を入れてあげると,電子が蛍光板に当たって光るはずです(位置が確定).しかしそのときの運動量を知ることは不可能だということです. これが量子論から導かれる電子の本質です.

うーん.量子の測定はこのようなものではないような・・・

量子の測定するときは,全く同じ状態を用意して(低温にするとか,フィルターをかけるとかetc)何回も実験を繰り返すのだと思います.確率を感じ取るような機械などなく,用意した系の状態から事前に知りうる確率の分布が計算から分かるだけだと思います.

無題

あさ さんのレス (2005/07/10(Sun) 15:46)

>確率を感じ取るような機械などなく,

私が初心者で物理未選択者だったことから,CBさんは定性的な説明のために,たとえ話で導入してくださっただけだと思います

お邪魔しました

渡邉 矩章 さんのレス (2005/07/10(Sun) 17:32)

>>確率を感じ取るような機械などなく,

>私が初心者で物理未選択者だったことから,CBさんは定性的な説明のために,た >とえ話で導入してくださっただけだと思います

返信どうもです.邪魔だったようですね.それでは失礼します.

無題

CB さんのレス (2005/07/12(Tue) 14:52)

例え話が下手で申し訳ないです.

思考実験で考えてみたら・・・という話だったのですが言葉足らずで抽象的でしたね.

なにはともあれ,あささんの(現時点での)疑問もあらかた解消しているようですし,言えた義理では無いですがこれからも修学に励んでください.

すみません

渡邉 矩章 さんのレス (2005/07/13(Wed) 00:01)

あまりにも楽しそうだったので,近づいてみたら雰囲気をぶち壊してしまったようです.すみませんでした.では,失礼します・・・