はじめまして,大学二年生のコアといいます.
現在,物理実験レポートを作成中なのですが,ふと疑問に思ったことがあります. 実験課題として,求められた実験値からグラフを作成しろというのがあったとします. しかし,測定ミスによってグラフが描けなくなったときには,どのようにレポートに書くことが最適なのでしょう?
皆様のご意見,お待ちしております.
コアさんはじめまして.明らかな測定ミスであれば,測定し直すのが普通なのではないでしょうか.実験室が空いているときに,再実験させてもらってはどうでしょう.
実験と研究は違いますが,違う実験値が出たなら,それを記載し,なぜそうなったのか検証又は考察することも有効です.実験を失敗して新たな発明が生まれたこともあります.
通りすがりの物理の修士1年のものです. 一般的な話を簡単にします. 実験値というものには,系統誤差と統計誤差があります. 系統誤差はシステマティックな部分からくる量であり,統計誤差というのは統計量からくる誤差です. これらふたつのエラーをまず考察するべきで,この誤差がそれぞれsigma_1とsigma_2になったとすれば,ある値 pm sigma_1 pm sigma_2という結果をこの実験により得たということになります.そして,この実験結果が文献値に比べて3sigma以上離れているようならば,その実験は明らかな測定ミスをしたか,他の物理量を測定していた,または予想されていない他の物理的現象が起きていた等のことを考えなければならないと思います. 誤差論については色々と本が出ているので勉強すると良いと思います. 仮に,誤差を全く考えないで,値が理論値の2倍になったとかそういったことを言っているとすれば,あまり意味のないことになってしまいます. 一つ例をあげますと,例えば新しい粒子や,原子核などが見つかったと言うためには,バックグラウンドに比べて5sigma程度は離れた値でないとそれが,見つかったとは認められません.どの程度離れていないと認められないとかいうのは,分野等によって違いますが... くり返しになってしまいますが,誤差についてまず検討してみてください.どのような実験をやっているのかわからないのでなんとも言えませんが,実験によっては,誤差が400%とか1000%とかいった実験も存在しますので.もちろん誤差の小さい,精度の良い実験の方が良いですけれど.そこが実験屋の腕の見せ所でもあります.
こんばんは,コアです.
崎間さん,力さん,通りすがりさん,貴重なご意見ありがとうございます. 測定誤差について特に調べてみようと思います.
もう一つ質問させて頂きたいことがあります. 大学での実験というのは,授業で習ったことのないものをやるのが普通なのでしょうか? 自分の中では,実験というのは授業で習ったことを実際に確認をするというイメージがあります.
私の経験では,普通は授業で習った後,実験で確かめるという方法でしたが, たまに,授業時間が取れないために,授業をやらずにいきなり実験をする事がありました. その場合は,何を実験するかをわからずに実験しても意味がないので,予習は必須でした.
コアさん
学生実験というのは,分かっている答えを確認する というものが多いと思います.
しかし,本当の実験というのは,そういうものではないと思います.
大学を,教育の場と考えるか,研究の場と考えるかによるのではない でしょうか.
自分の経験をまず書きますと, 教養過程(1,2年)は,実験を行う順番がグループに依存していて,僕の所属したグループはほとんどのものが授業で復習という感じになってしまいました.運がいいと,だいたいが授業が先に行われるというグループもあったかと思います. 専門過程に入って, 3年前期は,測定機器に関する基本的な知識を身に付けるための実験で,全員同じ内容のものをやりました. 3年後期は,10個ぐらいのテーマのうち,4個のテーマを実験して,前期よりはより専門的な内容の実験でした.個人的には理化学研究所で加速器を使った実験は面白かったですね. 4年は,前期後期とで各研究室に二人ずつ配属され,自らテーマを発案し,測定法や実験計画をまとめ,装置作りから始まり実験,解析と一通りのことをやりました.後期の方はほとんどテーマが決まっていてやりがい激減でしたが...
実験では,自らその実験の解析を行う上で何が必要かをまず考えるところから始まり,多くの場合は,それに関する本や論文を見つけ出し,文献を読んで理解し,それをもとに解析を行う,というのが一般的スタイルでした.なので,実験一つ一つのテーマが一つの教科という感じでしたし,授業で全く同じ内容を扱うということはありませんでした. もちろんテーマによっては授業内容が助けとなることもありましたが,基本的には自分で調べるところから始まりました. 参考までに自分の場合の参考文献の数は,一つの実験に付き3年のときは10個ぐらいで,4年のときは50個から100個ぐらいでした.教養時代は数個ぐらいでしたかねぇ,やる気ありませんでした(笑).
個人的には,解析法とか全て与えられている実験をやっても,訓練にはならないと思いますし,面白さも無いと思いますよ.あと,自ら探すということの訓練は,演習とかでもそうだと思いますが,重要だと思います.
皆さんこんばんわ
マサシと申します. 議論が終わっているようですが,実験に関する誤差について 測定学を基に書き込みさせていただきます. 測定誤差は一般にこの3点であることが多いです.
(1)は手順や装置などの原因であることが多く,統計における偏りを生み出します.(2)は,まさに偶然に混入するためにランダムに発生し,統計におけるばらつきを生み出します.(3)は実験者の過失により生み出されます.大きくは(2)に分類されることが多いです.
上記の3つの誤差を判断するためには統計的に処理する必要があります. もし,参照値があるのならば,参照値から実験値を引いた値を横軸にとり,縦軸に頻度をとり,プロットすると正規分布もしくはガウス分布になるはずです. その結果において,ばらつきが大きい場合は(2)(3)が支配的で,とくに大きい場合は(3)である可能性が高いです.偏りが大きい場合や山が複数になる場合は(1)です.このような方法は測定学の書籍には一般的に載っているかと思います.
以前,教育工学専攻の先生に実験はその実験内容をもとに問題処理能力を高める目的があると聞いたことがあります.
長々とすみません.