回転水槽実験

回転水槽実験

msndance さんの書込 (2005/03/31(Thu) 15:35)

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地学を勉強しているmsndanceです.大学の学部レベルの物理まで独学したにもかかわらず,高校の地学でガンガンつまずいているのは,なんとも情けない限りです. 今回も図を用いて質問させてください.

<実験装置の説明> 大気の大循環のしくみを説明することはたいへんむずかしい.しかし,現在では数値実験や回転水槽を用いた室内実験によって,大循環のおもな特徴をある程度再現できるようになった.ここでは室内実験の結果から,そのあらましを学ぼう. 直径の異なる2つの円柱壁をもつドーナツ状の水槽に水を入れ,回転台の上にのせて,一定の角速度で回転させる.このとき,内壁の内側に氷水を,外壁の外側に湯を入れて,内壁を低温,外壁を高温に保つようにする.つまり,水槽の中の水を大気とみなし,外側を赤道側,内側を極側として,そこに生じる循環を見る実験である.水の動きは,アルミニウムの粉末を浮かべ,回転台と一緒にまわっているカメラで上方から写真をとって観察する.露出時間を適当な長さにとると,その時間内のアルミニウムの粉末の軌道が線としてうつる.

<回転が比較的遅い場合の流れ> 回転が比較的遅いときには,水の流れは主として同心円状に水槽をぐるぐるまわる形となる.この流れの向きは,水槽の回転の向きと同じ向き,すなわち北半球の大気に当てはめると西風となる.このように,南北に温度差を与えたときに生じる卓越流は,温度差の方向に直角な方向の東西流であることが示される.しかし,水槽内の流れを詳しく見ると,底のすぐ近くには水槽の回転とは逆向きの弱い流れが見られ,大気の下層では東風になることがわかる.また,表面の流れは完全な円運動ではなく,わずかに内側の壁のほうへ向かう成分をもち,逆に底近くでは外側の壁へ向かう成分をんもっている.これに伴って,外側の壁の近くではごく弱い上昇流が,内側の壁の近くではごく弱い下降流が生じている.

<東西流の生じる理由> 外壁で温められた水柱は膨張して,外壁近くの水面が上昇し,内壁で冷やされた水柱は縮んで内壁近くの水面が下がる.このため,水面に右下図のような傾斜ができ,水槽内のある水平面を考えると,同心円状の等圧線の分布ができる(水面の傾斜を考えずに,水槽にふたをしたと考えて,外壁近くでは水が膨張しようとするのにふたにさえぎられて圧力が増すと考えてもよい).そうすると,この等圧線にそって,高圧部(水面の高いほう)を右に見て流れる(地衡流)と同様なつりあい(コリオリの力と気圧傾度がつりあって,等圧線に平行に風が流れている状態)の状態の流れが定常的に保たれることになる.しまた,そのような流れが生じてはじめて圧力の差が定常的に保たれることになる.

ここから以下に続く説明からさっぱりわからなくなってしまいました. ↓ しかし,摩擦のはたらく水の表面と底面近くでは,等圧線を横切る運動が生じるため,若干の対流が生じ,水槽内の等温線は図(南北の流れは無視している)のような鉛直線ではなくなり傾いてきて,圧力分布もそれに応じて変化する.そのため,図では底面が等圧面になっているが,実際には上層とは逆に外壁側が内壁側より低圧になっている.

等温線は,具体的にどのように傾くんでしょうか?圧力分布は温度分布とどんな関係なんでしょうか.水面では外側から内側に行くのは納得できるんですが,底面ではなぜ内側から外側に行くという「対流」ができるんでしょうか.このことから底面では外が低圧であると,どうしてわかるんでしょうか.

長文で申し訳ございませんが,どうか見ていただけないでしょうか.お願いいたします.

Re: 回転水槽実験

Joh さんのレス (2005/03/31(Thu) 18:29)

二重円筒管内の対流には,二種類の方向がまず考えられます. 回転がない場合,二次状態として最初に分岐するのは, ドーナツを軸方向に重ねたような流れ状態です.(想像してみて ください.テイラー流のような感じです.) 交互に内回りと外回りに回転していて,ドーナツの 間の部分が交互に暖かい部分と冷たい部分になっています. 軸方向に寒暖寒暖という感じです.

回転運動を大きくしていくと,遠心力が重力の影響よりも大きく なりますので,圧倒的に回転運動が大きい場合には,やはり 寒暖寒暖のドーナツが重なったような状況,もしくは, レイリー=ベナール対流といって,六角形のセル状に分かれた 各領域内での対流になります.レイリー=ベナールの場合, 六角柱の中心部と周辺部における寒暖によって,アップ・ヘキサゴン とダウン・ヘキサゴンに分けたりしますが,要するに各セル内で 対流が起こります.(蜂の巣のように対流セルが並んでいるのを 想像してみてください.)

そういうわけで,この問題は重力と遠心力の関係によって, 対流の様子が変わってきます.完全に軸方向のみの力ならば, テイラー流のような対流,遠心力が支配的ならば,場合によっては レイリー=ベナール流のようなものになることもあるでしょう.

というわけで,計算の前提をもう少し詳しく教えてください.

もしくは,質問はもっと簡単な話だったのかも知れません.

Re: 回転水槽実験

msndance さんのレス (2005/04/01(Fri) 13:38)

この実験は,地球の大気の大循環を理解するための,室内のモデル実験で,高校の地学の教科書によくでてくるようです. したがって,数式とかは一切出てこなくて,定性的な説明がなされています. ですので,申し訳ありませんがレイリー=ベナール流などの専門用語は地学には出てこないので,回答内容があまり理解できませんでした.すいません.

>交互に内回りと外回りに回転していて,ドーナツの >間の部分が交互に暖かい部分と冷たい部分になっています. >軸方向に寒暖寒暖という感じです.

僕は外側から内側に向かってだんだん低音になっていくように思うのですが, 寒暖寒暖と上下するようにはちょっと思えないんです.

ネット上にあるのはこのサイトの第1章でしょうか・・・

Re: 回転水槽実験

Joh さんのレス (2005/04/01(Fri) 17:28)

msndanceさん

難しいことを書いてしまったようですみません. ある一定以上の遠心力,もしくは温度勾配などを 考えると,私の書いたような状態が色々考えられる のですが,msndanceさんの考えておられるのは,一番 最初の線形状態で,底面の粘性による対流だけを 考えているんですね.手元に参考書がないので うる覚えなんですが,それはエックマン境界層と 言うんだと思います.境界層のあたりだけ,グルグル 対流するんだと思います.Ekman, boundary layer, convection というようなキーワードで検索すると,図を 載せているホームページが見つかると思うんですが...

すみません,月曜日くらいまで留守にするので, 続きは他の方にお任せします.m(_ _)m

Re: 回転水槽実験

msndance さんのレス (2005/04/02(Sat) 22:24)

そのキーワードで,ちょっと調べてみます.

質問文に載せている解説のうち,理解できない部分は次の部分なんですよね.

しかし,摩擦のはたらく水の表面と底面近くでは,等圧線を横切る運動が生じるため,若干の対流が生じ,水槽内の等温線は図(南北の流れは無視している)のような鉛直線ではなくなり傾いてきて,圧力分布もそれに応じて変化する.そのため,図では底面が等圧面になっているが,実際には上層とは逆に外壁側が内壁側より低圧になっている.