基本的なことなのですが,ハイゼンベルグの行列力学は解析力学から自由度fの粒子の運動方程式を正準量子化の手法をとって量子の運動方程式を予測していると思うんです.ということは元来行列力学はf次元ということになりますよね?
無限次元に拡張しないとほとんどの問題の方程式を立てることは不可能という事になると思うのですが,行列力学はf次元を正準量子化してから無限次元に拡張されているのですか? 拡張していたとしたらやはり数学的には全くシュレーディンガー方程式と一致していることになるとおもうのですが,それについてハッキリ書いている教科書が見つからないので教えていただけるとありがたいです.
僕の予想では上のように無限次元に拡張したものを普通は行列力学と言うと思っています.行列力学の問題点は解が無限次元の行列になった時に演算不可能(または非常に困難になる.このあたりもあやふやです.多分無限次元単位行列を左から掛ければ無限級数に形を変えるので解けるのかもしれませんが)という点で実際に解を探す時にはシュレーディンガー方程式に変形して級数展開法で解くのが便利だと思っています.しかしシュレーディンガー方程式は力学系が潰れるというか物理量の関係が見えにくくなるという欠点があると思います. そこで連続成分の無限次元行列を導入して古典力学系との対応を潰さずに,さらに一般に説きやすい形にしたのがディラック記法ということだと思っています.
疑問は解決しました.失礼します.なぜ上のような疑問を持ったのかというと,物理が観測理論だということを忘れていた事,古典論と量子論をある意味において対等に考えてしまったことに原因があったのだと思います.数式変換だけを見ていると物理が見えなくなってしまいました.