はじめまして! いつも楽しみにこのHPを読ませてもらっています.
どうしても量子についてわからないことが一つありますので 質問させてください.
正準量子化とエーレンフェストの定理の違いって 厳密にはなんなのでしょうか?
両方が違うものだというのはわかるのですが, どっちも量子力学を古典力学から推測する方法 のように思えます.
考える視点が違うだけでどちらも同じことを いっているのでしょうか.
わかりづらい質問で申し訳ありません. わかる範囲でいいので,答えてくれるとうれしいです.
>両方が違うものだというのはわかるのですが, どっちも量子力学を古典力学から推測する方法 のように思えます.
ここがすでに勘違いだとおもいますよ.正準量子化は量子化しているんですよ.推測ではありません.エーレンフェストの定理にいたっては全く発想が逆です.量子力学の体系が期待値の範囲でニュートン力学に従うことを意味しているのであって,古典力学からいくら考えてもエーレンフェストの定理なんか出ませんよ.そこをおさえてもう一度考えてみてください. そもそも正準量子化を勉強する段階でこのような勘違いはありえないと思います.もう一度,基本を勉強する方が近道なのでは?
早い返答ありがとうございます.
>期待値の範囲でニュートン力学に従う ということから,エーレンフェストの定理を使うことによって ある条件下のとき,古典的に量子状態の推測ができるのでは ないか?と思っていました.波束を粒子とみなすことができる はずですから.
>正準量子化は推測ではない 「古典論から量子論を推測する手続きを,正準量子化とよぶ」 と手元の参考書に書いてあったため,古典的ハミルトニアンの 位置や運動量を量子化すればそのハミルトニアンの元での 量子状態を推測できるのだと解釈していました.
量子力学は独学でしか勉強していないので,もう一度基礎から やり直し見てることにします.
ありがとうございました.
>>期待値の範囲でニュートン力学に従う >ということから,エーレンフェストの定理を使うことによって ある条件下のとき,古典的に量子状態の推測ができるのでは ないか?と思っていました.
ある条件がいるのであれば定理とはよばれないでしょうね.常に成り立つから定理なんじゃないですか? あと定理を使うという言葉の意味がよく分かりません.
>波束を粒子とみなすことができる はずですから.
これは違います.量子力学で扱うのは量子であり,粒子ではありません.量子を粒子とみなす事ができるならば,量子力学はいりません.量子が粒子性を持っているだけで,粒子とはみなせません. ここでウミネコさんが抑えなければならない事は粒子性と言った時点で量子は粒子ではないことを言っている事です.(〜性)は『〜ではないが,〜のある性質を持っている』と言う事です.粒子性とは粒子のどのような性質をさしているのか,またそれと同時に波動性とは波動のどうのような性質をさしているのかを考えて参考書を読まないと量子力学の理解はできません.この概念が量子力学の出発点ですから,どのような複雑な計算が空でできたとしても,それは暗記しているだけで全く意味ありません.
>「古典論から量子論を推測する手続きを,正準量子化とよぶ」
上の文の前後に書いてあるであろうこと(参考書の中での事です)を考慮に入れれば,これはだいたい正しい表現だと思います.文章を抜き出す範囲が狭すぎますよ.(これだけでは誤解を生むと思いますよ.) 確かに正準量子化で完全に一意的に量子化することはできないらしいです.ただ,ウミネコさんの思うようなものとは少し違うと思います.