等加速度運動

等加速度運動

ゆんた さんの書込 (2004/10/27(Wed) 10:10)

はじめまして.初めて書き込みをさしていただきます. 高校時代は物理どころか勉強全てを無視していた自分ですが,最近になって物理に 興味を持ち,勉強を始めました.そして,いきなりつまづきました.

等加速度運動を勉強中なのですが速度の意味がよく分かりません. 例えば,初速度2m/s,加速度4m/s2の設定で2秒移動したら, 公式で計算すると移動距離は12m,速度が10m/sだと思うのですが,速度っ て物の進む速さのことですよね?でも10m移動するわけでもないし・・ ここで得た10m/sとは何なのでしょうか? どんなことでもいいのでアドバイスお願いします!

Re: 等加速度運動

崎間@管理人 さんのレス (2004/10/27(Wed) 11:40)

ゆんたさん,はじめまして.一緒に物理を勉強して行きましょう.

> 例えば,初速度2m/s,加速度4m/s2の設定で2秒移動したら,
> 公式で計算すると移動距離は12m,速度が10m/sだと思うのですが,

そうですね.2秒後には10m進んだ地点にいます.

> 速度って物の進む速さのことですよね?

一定時間(1s)に進む距離(m)のことです (付け加えると,速度には "方向" も含まれます).

> でも10m移動するわけでもないし・・
> ここで得た10m/sとは何なのでしょうか?

この例では,きっかり2秒後には10m移動しますよ. 10m/sとは,2秒後に物体が得た速さです. 等加速度運動とは,ぐんぐん速さが大きくなる運動のことなので, ちょっと時間がたつととても大きな速さを持つ結果になります.

たとえば,小さな車の模型に輪ゴムを引っかけて, その輪ゴムの伸びが変化しないように 力を加え続ける運動は等加速度運動です. 想像するか実際やってみれば,どんどん速くなることが分かります. そしてどんどん移動距離も増します.

Re: 等加速度運動

おこめ さんのレス (2004/10/27(Wed) 15:31)

微積分ができるなら分かると思いますが,時間がほんの少し移動する時間の移動距離が速度なので位置の一階の時間微分が速度,同じようにほんの少しの時間の間の速度の変化の割合が加速度なので速度の1階微分または位置の2階微分は加速度と定義できます.この場合は位置の2階微分である加速度aが一定なので進行方向にx軸をとると a=const なので時間で積分すると積分定数cを用いて v=at+c と書けます.物理的に解釈するとt=0のときの速度がcとなるので初期速度v'という物理的意味を持ち v'=c よって v=at+v' 更にこれを時間積分して(積分定数をc’) x=a×1/2t^2+v't+c' が得られます.同様にしてt=0のときの位置,初期位置x'がt=0を上の式に代入する事で x'=c' となり x=a/2×t^2+v't+x' という高校物理で言う公式を得る事ができます.初期位置x'=0とした場合,これにa=4,v'=2,t=2を代入すれば x=4/2×2^2+2*2+0=8+4=12 が得られます.

Re: 等加速度運動

おこめ さんのレス (2004/10/27(Wed) 15:59)

基本的には古典力学は物質がどのように軌道を描くのかを知る事なので上のように考える方が応用が利きますよ.上のようなものは物理的にはニュートンの運動方程式から質量をm,力Fとたら ma=F(1) と一般になります.この問題の場合,maの大きさの力が一定の方向に一定にかかっている事になり,更に言うと a=F/m=2 で一定である場合を解いているわけです.これを念頭に置かないとただ中学の数学の文章題を解いているのと同じになってしまってつまらないと思います.(1)は運動量という概念を導入すると,運動量pを p=mv と定義すると dp/dt=F という一階の微分方程式になります.両辺に速度vをかけて時間で積分すると p^2/2m=∫(Fdx/dt)dt=∫Fdx=W 仕事が得られたりします.保存力の場合力FはポテンシャルVを用いて F=-dV/dx となり p^2/2m=-V+c よって p^2/2m+V=const となってエネルギーの保存則が得られます.というよりもこれは話が逆でエネルギーを保存するような力は上のようになることがエネルギー保存則から得られるのです.この式から粒子の運動量の定義を見れば分かると思いますが,速度が得られます.速度を更に時間積分すれば x=・・・ というふうに最終目的である軌道を得る事ができます.だからエネルギー保存の式が与えられるときは半分解けた状態なんですよね.つまらない事を長々と書いてすみませんでした.なおエネルギーという概念は現代の物理学においても完全に抽象的な数学概念で,日常生活で言うエネルギーという概念とは違います.日常生活で言うエネルギーは利用できるエネルギーに限って使われているようです.これはファインマン物理学1巻のエネルギーの保存のところに書かれています.だから現在はどうか分かりません.

Re: 等加速度運動

やかん さんのレス (2004/10/27(Wed) 16:22)

ゆんたさん,はじめまして.管理人さん,おこめさん,こんにちは.ゆんたさんの疑問の意味がわかるような気がします. 確かに10m/sでスタートの瞬間からゴールの瞬間まで行けば,1秒で10mですが, 実際にそんなこと(急加速,急減速)は有りえないですよね.スピードが最初2m/sから徐々にあがりつつ,その瞬間瞬間の速度で稼いだ距離が積もり積もって,12mになるんですね.最後の10m/sというのは,最後の一瞬のスピードだからその先,加速をやめて,惰性で10m/sのまま1秒行けば確かに10m余分に進みます(等”速度”運動). バスで言えば0km/時から40km/時までアクセル踏んでエンジンの力で加速すると スピードが徐々に上がって行き,もしそこでギアを抜いてタイヤが自由に動くように すれば惰性で40km/時のまま航行します(実際には空気抵抗や勾配で加減速しますが).1時間で40km走るのはそこから,ということですね.終速度っていうのかな. おこめさんの解説,私もとても勉強になりました.ありがとうございます☆

Re: 等加速度運動

おこめ さんのレス (2004/10/27(Wed) 18:06)

やかんさんの解説のほうが物理的な思考として適切だと思います.僕のはただの演算的な事しか示せていないのでまるでナンセンスです.

>確かに10m/sでスタートの瞬間からゴールの瞬間まで行けば,1秒で10mですが, 実際にそんなこと(急加速,急減速)は有りえないですよね.スピードが最初2m/sから徐々にあがりつつ,その瞬間瞬間の速度で稼いだ距離が積もり積もって,12mになるんですね.最後の10m/sというのは,最後の一瞬のスピードだからその先,加速をやめて,惰性で10m/sのまま1秒行けば確かに10m余分に進みます(等”速度”運動).

そうですよね.僕もそういうようなことを言いたかったんですけどできませんでした.物理現象を考えるときにいつもどれくらいのスピードなのかとかを検討する事が大切だと思います.恥ずかしながら僕の文章の中には単位も入っていません.あと瞬間という概念が数学での微分につながっていると思います.というよりも微分は物理から生まれた数学ですけどね.あと他にも型破りな関数を物理現象にうまく適合するように定義して説明することで生まれた数学がありますね.

Re: 等加速度運動

やかん さんのレス (2004/10/27(Wed) 19:48)

>やかんさんの解説のほうが物理的な思考として適切だと思います.僕のはただの演算的な事しか示せていないのでまるでナンセンスです.

いやー,そんな事もちろんないですが,おこめさんに誉められて 嬉しーですーヽ(´▽`)/

Re: 等加速度運動

ゆんた さんのレス (2004/10/28(Thu) 01:58)

崎間さん,おこめさん,やかんさん,ありがとうございます.

正直,今の自分の能力では教えてくれた説明や式などを全部理解するのに時間がかかりそうですが,納得できなった部分などは解消されました.

>スピードが最初2m/sから徐々にあがりつつ,その瞬間瞬間の速度で稼いだ距離が積もり積もって,12mになるんですね

稼ぐという言葉で理解できました.

これからおこめさんの教えてくれたことを勉強しようと思います. みなさんありがとうございました!

Re: 等加速度運動

崎間@管理人 さんのレス (2004/10/28(Thu) 14:40)

> 納得できなった部分などは解消されました.

それはなによりです.やかんさん,おこめさんの説明, 今後,僕の記事にも生かしたいと思います.

> 嬉しーですーヽ(´▽`)/

やっ,やかんさんっ,顔文字のレパートリー増えましたね!

Re: 等加速度運動

おこめ さんのレス (2004/10/28(Thu) 20:03)

>それはなによりです.やかんさん,おこめさんの説明, 今後,僕の記事にも生かしたいと思います.

そうですか.実はこの説明の後半部分は講義中に教官が余談として話していた事をそのまま書いただけなんです.『エネルギー保存するときはもう問題が半分解けてるよね』って言っているのを思い出して書きました.あとその教官は『方程式は何に対しての方程式か考えないといけないよ.シュレーディンガーの方程式は空間と時間に対しては”恒等式”で波動関数に対してのみ方程式なんだ』とも言っていました.あとその教官は他にも『ボーアは次元解析によってラザフォードの原子模型の欠点を見抜いていた.』(これは記憶違いかもしれませんが,次元解析から原子模型を解析し始めたのは確かです)などといった面白い話をしてくれます.

Re: 等加速度運動

やかん さんのレス (2004/10/29(Fri) 16:04)

>講義中に教官が余談として話していた事 印象に残る余談をされる教官は本当に魅力的ですね. 小中高の先生もきっと余談を話されたいのだと思いますが, 指導要領や時間の関係で,なかなか難しいんでしょうね.