永久機関が可能だと主張する書物を発見したのですが・・・

永久機関が可能だと主張する書物を発見したのですが・・・

army さんの書込 (2010/02/09(Tue) 15:53)

取り敢えず読んでいただけますか?

物体同士の正面衝突によるエネルギー増殖

物体同士を正面衝突させるとエネルギーが増殖する. いま,質量mの物体が速度vの速度で運動しているとき,この物体の持つ運動エネルギーはmv^2/2であるのは当然.これと同じ物体を用意して,この二つの物体を壁に衝突させたとき,反発せずすべて熱エネルギーに変化したとすれば,それは合計運動エネルギーmv^2に相当する.したがってこの物体ではmv^2の運動エネルギーが熱エネルギーに変化したことになる. この質量mの物体で速度vの物体を正面衝突させると,相対的にみて物体は2vで壁に衝突することと同じである.これは片方の物体に座標軸を置くことにより明らか.即ち2vであれば運動エネルギーはm(2v)^2/2である. しかし速度vで正面衝突するということは反発係数が0の場合,衝突してから物体が静止するということである. したがって衝突してから反発係数が0の場合で,しかも-vで物体が運動していれば速度vで正面衝突した場合は確かに2vで壁に衝突したことと同じになり,m(2v)^2/2に相当する熱エネルギーになる. 実際は,正面衝突の後静止してしまうので,相対的に初期の片方の物体に座標軸を置くと,もう一方の物体は2vで衝突してvにまで速度が下がったことになる. 従って衝突の後二つの物体は一体となるので一体となった二つの物体に与えられたエネルギーは初期に座標軸を置かなかった物体のエネルギーであるから,座標軸を置かなかったこの一つの物体のエネルギー変化は,

m(2v)^2ー(2m)v^2/2=(1/2)×m×2×v^2

従って二つの物体のエネルギーは2×(1/2)×m×2×v^2となり,元々二つの物体が二つで2×(1/2)×m×v^2であったものが正面衝突させることにより2×(1/2)×m×2×v^2に相当する熱エネルギーになる.これはエネルギーの増加に他ならない. この理論より,永久機関が出来ても何も不思議ではない.

皆さん,どう思われますか.これが書かれた本が某国立大学の図書館に置かれてありました.毀誉褒貶お聞かせください.

Re: 永久機関が可能だと主張する書物を発見したのですが・・・

Yokkun さんのレス (2010/02/09(Tue) 17:57)

>某国立大学の図書館に置かれてありました.

選書の質が問われますね.2物体をA,Bとして,初めにBが静止している座標系でAの運動エネルギー変化を

>m(2v)^2ー(2m)v^2/2=(1/2)×m×2×v^2

と見るということでしょうか.これは,これ自体でA,B2個分の運動エネルギーの変化ですね.ですから,もとの座標系の結果とまったく同じ運動エネルギーの減少が正しく得られています.これを1個分と見て今度はAが初め静止している座標系に移って,Bの運動エネルギーを評価しようというつもりなのかもしれません.異なる座標系で見たら運動エネルギーが変わってしまうことは,初めの計算で明らかなのに,あえて座標間で相対的である運動エネルギーを合計する(しかも4個分!)という二重の誤りをおかしている議論で,全くの「噴飯モノ」といえそうです.よく,パラドックスに誘って,その根を探らせる問題があり,中にはとても教育的意義のあるものがあるわけですが,上の議論は私の「読み」が間違ってなければ,とんちにすらなりません.

Re: 永久機関が可能だと主張する書物を発見したのですが・・・

army さんのレス (2010/02/11(Thu) 17:05)

Yokkunさん, 回答ありがとうございます. やはりそうですよね.こんな本が図書館に置いてあるのです. 佐藤吉男という無名の人物で,「神とその文明」という20年ぐらい前の本です. なかなか宗教がかったような本で,気持が悪いです.

ありがとうございました.