大学生です.最小作用の原理と変分法について質問があります. 物理現象は作用積分が最小になるような経路が実際に起こるということで第一変分が0という条件を使って経路を求めているのですが,第一変分が0では作用積分は極値や丘もとれるような気がするのですがどうなのでしょうか? お願いいたします.
初心者さん,
学生の頃,同じ様に考えて調べたものの,「極値」であっても「最小値」である保証はなかったと思います.どうにもすっきりしないですね.
詳しい方がいらしたら,是非ともご説明くださいませんか?
経路が無限小のときは実際の経路の作用積分が最小になります. しかし一般の場合は作用積分は停留値をとりますが最小になるとは限りません. 実際,運動方程式を満たすような作用積分は停留値をとる(従って変分が0になる)ことを導くことができますが最小値をとることは一般には導けません. 逆に作用積分が停留値をとることだけを仮定すれば,運動方程式を導くことができます.
「経路が無限小のときは実際の経路の作用積分が最小になる」 「運動方程式を満たすような作用積分は停留値をとる」ということは実際に導くことはできるのですか?
導けると思いますが,きちんとした証明が書かれたものは私の知る範囲では見あたりません. しかし実際の経路の無限小部分をとれば等速直線運動と見なせるので,直観的には成り立つように思います.
ありがとうございました.
補足しておきます. 「運動方程式を満たすような作用積分は停留値をとる」ということはいろいろな力学のテキストで導かれていますね. まず一般座標を用いてニュートンの運動方程式をラグランジュ方程式の形に書き直すことができます. そして作用積分の変分を計算してラグランジュ方程式を適用すれば,その変分が0になることは簡単に示せます.
なお「最小作用の原理」という名称は歴史的なものであって,内容を正確に表しているわけではありません.