導体球の電位

導体球の電位

MIND さんの書込 (2009/10/25(Sun) 02:15)

はじめまして,MINDといいます.

さっそく質問なのですが,半径Rの球内に一様な密度ρで電荷が分布している時の球の中心からの半径rにおける電位V(r)を計算せよ.ただしV(∞)=0とする.

場合分けするところまではわかったのですが,それ以降の計算が分かりませんので 誰か分かる方,よろしくお願いします.

Re: 導体球の電位

mNeji さんのレス (2009/10/25(Sun) 08:09)

MINDさん,初めまして.

>場合分けするところまではわかったのですが,それ以降の計算が分かりませんので

何を,どのように場合分けして計算されようとしているかを書いてご覧にならないと,コメントするのが困難です.

Re: 導体球の電位

MIND さんのレス (2009/10/25(Sun) 13:34)

R<rとR>rの二通りの答えが出ると思うのですが,それ以降の積分をどうすればいいのかが分かりません….

Re: 導体球の電位

mNeji さんのレス (2009/10/25(Sun) 14:14)

電位を求める為には,電場が必要です.従って電場を求めるのをどのようにするかと言う事ですね.あ,これは大学の問題ですよね?

Re: 導体球の電位

MIND さんのレス (2009/10/25(Sun) 14:19)

はい,大学の問題です.それぞれの電場を求めてそのあとに積分を使って電位を求めるというやり方でお願いします.

Re: 導体球の電位

mNeji さんのレス (2009/10/25(Sun) 14:37)

静電荷が与えられた場合のガウスの法則は習いましたね.今の場合,半径rの球面の内部にある電荷量Q(r)を考えると,(0<=r=<R)ではrの関数で変化します.それ以上では一定値となります.まずそれを出してから,ガウスの法則の積分をつかって電場E(r)を出せませんか?

Re: 導体球の電位

MIND さんのレス (2009/10/25(Sun) 15:37)

ρを用いて表すと,E(r)=ρr/3ε(r<R)とE(r)=ρR^3/3εr^2(r<R), 全電荷Qを用いて表すと,E(r)=Qr/4πεR^3(r<R)とE(r)=Q/4πεr^2(r>R), となりました.

あとはこのどちらかの方法を使って,ある範囲を積分して電位を求めたいのですが,公式を見てもさっぱり理解できなくて,教科書やネットで検索してもこうい った形式の問題の例題および解説がなかったのでこれ以降の計算過程をお願いし ます.

Re: 導体球の電位

mNeji さんのレス (2009/10/25(Sun) 17:07)

今の問題では,

>半径Rの球内に一様な密度ρで電荷が分布している

と電荷密度ρが与えられています.従って,半径rの内側にある電荷q(r)とすると, <pre> (0<= r <= R)では,q(r) = ρ*(4π/3)r^3 (R < r)では,q(r) = ρ*(4π/3)R^3 </pre>

一方,ガウスの法則の積分形では,半径rの球面について電場E(r)の面積分(4πr^2)を作ると,q(r)/ε0に等しいので,E(r)*(4πr^2) = q(r)/ε0 となります.

上記の関係から,E(r) = q(r)/(4πε0r^2)なので, <pre> (0<= r <= R)では,E(r) = [ρ*(4π/3)r^3]/(4πε0r^2) = ρr/(3ε0) (R < r)では,E(r) = ρ*(4π/3)R^3/(4πε0r^2) = ρR^3/(r^2)/(3ε0) </pre> となります.

電場と静電ポテンシャルとは,E(r) = -d(V(r))/drという関係があると理解するのが簡便であると思います.逆に積分すると <pre> ∫(∞→r)E(r')dr' = -∫(∞→r)dV(r') = -[V(r')]_(r'=∞)^(r'=r) = -[V(r) -V(∞)] = -V(r) </pre> となります. そこで,電場の値を求める為に,r'がRより大きい場合と小さな場合を考慮します.

先ず,「r>=R」ならば,r'>=Rなので, <pre> V(r) = -∫(∞→r)E(r')dr'

= -∫(∞→r) ρR^3/(r'^2)/(3ε0) dr'

= -(ρR^3)/(3ε0)∫(∞→r)r'^(-2) dr' = -(ρR^3)/(3ε0)[-r'^(-1)]_∞^r = -(ρR^3)/(3ε0)[-{-r^(-1) -0] = (ρR^3)/(3ε0r) </pre>

次に,「r<R」のときは,(∞→r) を(∞→R)+(R→r)と二つに分けて考え,前者には上の式を用いて出せますから,

<pre> V(r) = -∫(∞→r)E(r')dr' = -∫(∞→R)E(r')dr' -∫(R→r)E(r')dr' = (ρR^2)/(3ε0) -∫(R→r){ρr'/(3ε0)}dr' = (ρR^2)/(3ε0) -{ρ/(3ε0)}[r'^2/2]_{R}^{r} = (ρR^2)/(3ε0) -{ρ/(3ε0)}(r^2 -R^2)/2 = (ρR^2)/(2ε0) - (ρr^2)/(6ε0) = {ρ/(2ε0)}{R^2 -(r^2)/3} </pre>

となります.

なお,途中の計算をまだ検算していません.考え方はよいと思うのでご自分で確認しながら試してください.変な所があれば検討します.

Re: 導体球の電位

MIND さんのレス (2009/10/25(Sun) 19:33)

ありがとうございます,教えて頂いたおかげでできました.

Re: 導体球の電位

mNeji さんのレス (2009/10/25(Sun) 21:48)

後から気が付いたのですが,「導体球の電位」というのはちょっと違和感があります.「均一な電荷分布を持つ球が作る電位」といった所でしょうか.