学部4年です. 準定常電磁界とは何でしょうか?検索をかけてみても定義が見つからず,ここで質問しました.
はじめまして,ぶどうさん.
準定常電流と同じようなニュアンスであれば,「マクスウェル方程式の中の変位電流を無視するような,電場や磁場が緩い時間変化をする自然界」だと思います.準定常電流については砂川さんが書いた理論電磁気学に載っていたと思います. 違っていたら,すいません.
(調べてみたんですが,以下参考にしてください) 電気学会セミナー電磁界解析のため電磁気学をグーグル検索してみたら, 1番目のサイトに準定常電磁界について書かれていましたよ.
jio様,はじめまして. 迅速・的確な回答ありがとうございます. そのページは拝見していたのですが,恥ずかしながら肝心なところを読み飛ばしておりました.お手数おかけしました.
横から失礼します.
最近気付いた事を参考として書いて見ます.
●回路中のコイルとコンデンサ
コイルの動作には,電磁誘導(磁束密度の時間変化)が必要です.他方,コンデンサの動作には,静電誘導(電束密度の発散)だけで済みます.もし変位電流(電束密度の時間変化)が大きくなると,回路から電磁波として放出される可能性があるという事でしょうね.
>準定常電流については砂川さんが書いた理論電磁気学に載っていたと思います.
あっ,私もこの本で勉強したので懐かしいです.手元にないので,本屋さんで眺めて見たいです(笑).
こんにちは,mNejiさん.この本昔からあったんですね.
理論電磁気学はもう3版まで出版されましたよ.私は昔の初版や2版を見ていないので昔の理論電磁気学の詳しい事は解りませんが,式展開が丁寧に書いてあって 良い本だと思いました.
欠点は,(贅沢ですが)この本が丁寧に書かれすぎていて,電磁波の章では初めて見た時,どの式に注目すればいいかわからなくなる事だと思っています.
>この本昔からあったんですね. >理論電磁気学はもう3版まで出版されましたよ.私は昔の初版や2版を見ていないので昔の理論電磁気学の詳しい事は解りませんが,式展開が丁寧に書いてあって >良い本だと思いました.
私が大学1年の前半には,ファインマンさんの電磁気に入れ込んでいました.が,夏休みを終える頃に,理解が進んでいない事に愕然となりました.その頃,ベクトル解析を初めて居て,やはりマクスウェル方程式を操れないといけないと思って居たおりに,ほやほや・分厚い「理論電磁気学・初版」に出会いました.
余りに衝撃が多すぎて,この本から全ての分野を眺めるという変則的な勉強をしてしまいました.最近は,やはり勉強にもバランスが必要だと思うこの頃です.
>欠点は,(贅沢ですが)この本が丁寧に書かれすぎていて,電磁波の章では初めて見た時,どの式に注目すればいいかわからなくなる事だと思っています.
そうですか.私は電磁波の部分は素直にフォローできたのですが,「荷電粒子をδ関数として電荷密度に埋め込む」というのに馴染めなくてオロオロした気がします.
最近は,この掲示版で回答する時に「砂川さんの教科書」を見せて戴くことがありますが,平明な事実認識から始まって,鋭く・直線的に結論に達するという「砂川流」には感服します.砂川さんが,高校・中学・小学といった分野で教科書を書かれたらどうだったのでしょうかね.
mNeji様,jio様,回答ありがとうございます. 実は院試の出題範囲に「準定常電磁界」なる単語があったのです. 他の項目に,「静電界」,「定常電流界」,「電流による磁界」があったのでそれらと異なるものなのかと疑問に思い,質問いたしました. 定常電流界と同じものを指していたんですね.
確認ですが,電磁誘導は「準定常電磁界」には含まれませんよね?
準定常電磁界では変位電流 は無視できますが, は必ずしも無視できません. 従って電磁波の放射は無視できますが,電磁誘導は起こりうると思います.
私の共立「物理学公式集」には,電磁気学の項目立てが以下のようになっています. 「静電界」「静磁界」「定常電流」「定常電流の作る磁界」「準定常電磁界,電磁誘導」「マックスウェルの方程式」「電磁波」〜 そして,「準定常電磁界,電磁誘導」の中味は,『電磁誘導』『インダクタンス』『相反定理』『電磁エネルギー』から成っています.御参考まで.
yama様,なんとなく様,ありがとうございます. 電界も磁界も一緒に変動するイメージでしたが, のみを考えることができるのですね.
追加で,この掲示板の使い方で質問があります. TeXに慣れていないというか苦手なのですが,回答を下さった方のTeX数式をコピーして使うことはできないでしょうか?今のところ,?TeXの使い方を見ながらテスト用掲示板で格闘する.か,?ソースを表示して該当部分の数式を探しコードをコピーする.という方法をとっています. よい方法をご存知の方がいらっしゃればご教授ください.
>TeXに慣れていないというか苦手なのですが,回答を下さった方のTeX数式をコピーして使うことはできないでしょうか?
例えば,先のyamaさんのご説明にある「 」部分をコピーして,自分の原稿にペーストすると, <pre> < tex>partialbm D/partial t</ tex> ↑↑ このスペースと,このスペースとを取ると, 文書に埋め込まれたTeX表示(いわゆるインライン表示)になる.
もしも最初の< tex>の後に,リターンを入れて,
< tex> frac{partialbm D}{partial t} &= mathrm{rot}~ bm H &(1) </ tex> </pre>とすると,文書とは独立した数式;
として表示されます.
なお,TeXは慣れるまでは肩が凝りますが,慣れると汚い手書きを見ながら四苦八苦するよりも,解り易いし,書く速度も上がります.
適当なTeXの解説書は手元に在った方がいいでしょうね.
やや違和感が在るのでコメントします.
>電界も磁界も一緒に変動するイメージでしたが, > のみを考えることができるのですね.
「 のみ」という点が気になります.
というのも,真空中のマクスウェル方程式は,TeXの説明で示した様に,;
の形で現れていますよね.これは,「電束密度の時間変化=変位電流」が生じると,それの廻りに「磁場の回転」を生じると,考える事ができる訳です.ところが,系の振動数が低いとか,言い換えると,系のサイズに比べて波長が長い場合,変位電流の効果は小さくて無視できます.
この場合では,「静電誘導」でおこる電荷の蓄積効果(ガウスの静電荷の法則);
に依る電流で十分に説明ができる事になります.
ところがコイルでは「静磁誘導」みたいな現象が無いので,電磁誘導による「逆起電力」;
が初めから必要になります.
やはりこの場合でも,系の振動数が低いとか,言い換えると,系のサイズに比べて波長が長いとすると,系には交流成分が起こっていても,電磁場の放出が起こらないと近似できます.これを「準定常電流」と呼ぶのではないでしょうか.
注意するべきは,この場合でも, ・回路のエネルギーを電場や磁場に渡したり,逆に戻してもらったり, ・回路の電流の持つ方向を電場や磁場に渡したり,逆に戻してもらったり, できるわけです.
#最近の携帯電話のように,小さなサイズに,高い周波数の信号(通信の電波,コンピュータの制御信号)となると,話は複雑でしょうね,ふう〜.
mNeji様,回答ありがとうございます.
>例えば,先のyamaさんのご説明にある「 」部分をコピーして,自分の原稿にペーストすると,
私の環境では(ブラウザ:Google chrome,OS:Windows XP)ブラウザから数式をコピーして返信フォームに貼り付けようすると,文字部分のみコピーされ数式が消えてしまいます. 今のところのコピー方法として,ソースから図のタイトルtitle="partialbm D/partial t"をコピーしてきてダブルクォーテーションの中身をTeXタグで閉じているのですが,もっと簡単にコピーする方法はありますか?
>適当なTeXの解説書は手元に在った方がいいでしょうね. そうですね,今のところ物理のかぎしっぽのTeX説明のみを参照しております.
>やはりこの場合でも,系の振動数が低いとか,言い換えると,系のサイズに比べて波長が長いとすると,系には交流成分が起こっていても,電磁場の放出が起こらないと近似できます.これを「準定常電流」と呼ぶのではないでしょうか.
ありがとうございました.つまり交流磁界と交流電界が相互にからみあって存在するのだけど,低周波なので電磁波となって空間を伝播する事はない状態ですね.
> もっと簡単にコピーする方法はありますか?
ブラウザをIEかFirefoxに換えるしかなさそうです.