なぜ-1*-1=1か.ですが,Johさんの説明をたまたま見かけたので私の意見を述べます.
たぶん記事は十分にいいのだとは思いますが,私自身が-1*-1=1を了解したのは複素数の極表示<tex>z=re^{itheta}</tex>で<tex>theta=pi</tex>とおいたら,それが線分OR=rをちょうど180度回転させた-OR=-rことになる.そしてもう一度180度回転させれば,もとのOR=rにもどるということから了解したのです.
数直線全体がー1をかけることによって原点を中心にして180度回転する.もう一度ー1をかけると元にもどるのです.きちんとした理解は複素数の極表示を知る必要がありますね.
もちろんこの説明は小学生には向きませんね.少なくとも高校生以上でしょう.r=1ととれば,問題の説明になっています.
この説明のしかたはもちろん私の発明ではなく,最近の本では遠山啓さんの「数学入門」上(岩波新書)にも出ています.私自身はもう50年以上前に藤森良夫先生の受験参考書で知ったことです.「解析の基礎」(考え方社)は前編,後編,続編とありますが,多分続編で読んだのだと思います.
矢野忠さん,はじめまして.
>きちんとした理解は複素数の極表示を知る必要がありますね. >もちろんこの説明は小学生には向きませんね.
面白い観点ですね.私も,中学生の時,宿題で「紙の数直線に正と負を書き入れろ」とあり,複数の数直線を作ったり,果てはプラスティックの下敷きに書き込んで遊んだのを思い出しました.
さて,複素数との関係ですが,
「符号を変える」=「180度の回転」
といった類推関係があるから納得し易いように思います.
例えば,Oxy座標のような方眼を考えて, <pre>
y ↑ D|BC ┌ーー・ーー┐ ||| ||| ||| ||| ーーーー・ーー+ーー・ーーーーーーーー→x A’||O|A ||| ||| ||| └ーー・ーー┘ E|B’F
</pre>
四つの四角形OACB,OBDA’,OA’EB’,OB’FAの面積は小学生でも同じと見えるのではないでしょうか.
更に中学生ならば,点Oを中心にして回転する場合,
点Oを挟んで対角の位置に180°回転すれば,四角同士は重なる;(この操作をRと命名) ・四角形OACBとOA’EB’ ・四角形OBDA’とOB’FA
点Oを挟んで隣り合う四角同士は,鏡像反転(ひっくり返す)すれば重なる;(この操作をMと命名) ・四角形OACBとOBDA’ ・四角形OACBとOB’FA
その上で,数直線上の符号付き位置座標で面積を表して,操作Rと操作M との対応関係を示す...,やはり直感的ではないですかね.
みなさんこんにちは.
(-1)*(-1)=1 となるのはどうしてか? と問う子どもには, それなら 3*(-1)=-3 となるのはどうして? と問いかけてみたいですね.