やす さんの書込 (2009/06/22(Mon) 21:49)

ギターやバイオリンは複数の弦をもっているが弦の長さはすべて同じである.しかし,それぞれの弦をはじくと音の高さが違っている.どうすればこのようになるかを説明しなさい.

お願いします

Re: 音

Yokkun さんのレス (2009/06/22(Mon) 23:57)

やすさん,こんばんは.

ギターやバイオリンを見たことはありませんか?複数の弦の何が違うでしょうか? 弦の音の高さを変えるのに,どんな仕組みを使っていますか?

まずは,自分の持てる経験と知識で考えてください. もちろん,力と運動の法則から推論することもできます.

Re: 音

やす さんのレス (2009/06/23(Tue) 13:55)

弦を細くして,弦のはりを強くすると,高い音が鳴りそうということは予想できるのですが,どうしてこのようになるかという説明がわかりません. だれか理由を教えてください.お願いします

Re: 音

Yokkun さんのレス (2009/06/23(Tue) 21:46)

音の原因は,物体の振動です.振動という繰り返し運動は,どういった要因で起こるか考えてみましょう.

まず,物体に変形がおこることです.弦でいえば,指ではじくときに弦が横に引かれて曲がります.すると,その変形を元に戻そうとする「復元力」が働きます.弦の場合,への字に曲がった所が両側の弦から引かれてまっすぐになろうとします.振動のひとつの要因はこの復元力です.その多くは物体が持つ弾性によって生じます.

振動が持続するもうひとつの要因は,弦がまっすぐになって止まるのでなく,勢いあまって今度は逆方向に曲がることです.これは,弦そのものがもつ「慣性」によるものです.運動状態を続けようとする物体の慣性は,その質量とともに増大します.おもいものほど動きにくく,止まりにくいわけです.

このように,振動という運動は「復元力」と「慣性」という2つの要因によって起こっています.さて,振動の速さ(振動数)が大きいほど高い音が出るのでしたね?すると,より速く弦が振動するためには上の2つの要因がどう変わればよいか考えてみてください.ヒントは運動の法則にあります.

運動方程式ma = F を知っていますか?これは a = F/m ともかけます.

まず力Fが大きいほど,加速度aが大きくなり,物体はすばやく運動状態を変えます.また,物体の質量mが大きいほど,加速度aは小さくなります.つまり重いものほど運動はのろまになるということです.この関係を弦に当てはめてみてください.上の2つの振動の要因と考え合わせれば,答えは自然とみつかりませんか?

もちろん,弦を伝わる波の速さと波長との関係から「手っ取り早く」説明することも可能で,上と同じことを別の表現で説明することに当たります.望まれているのはそうした「手っ取り早い」説明なのかもしれませんが,その本質は上のようなことになるのです.

Re: 音

transfer さんのレス (2009/06/23(Tue) 23:50)

参考

弦の振動の一番基本となる形(弦の両端が固定されていて,弓なりの形は1つ)の振動数(正しくは角振動数)は, ω = (π/L) √(T/σ) となります. ここで,L は弦の長さで,T は弦の張力,σ は弦の単位長さ当りの質量(線密度)です. この式で,弦の長さ L を共通の長さに固定すると,振動数 ω の高低に影響するのは,張力 T と線密度 σ です. 張力 T は,楽器奏者の調律という操作を見れば明らかでしょう. 単位長さ当りの質量(線密度)σ は,弦の太さに関係します.(細ければ小さく,太ければ大きい)

まっすぐな状態ではなく,弦がしなっている状態を考えます. まず,復元力が強いバネなら高振動数で,復元力の弱いバネなら低振動数です. この場合のバネの復元力とは,まっすぐな状態の弦の方向(x 方向)と直角な方向(y 方向)の弦の張力 T の 成分(y 成分)に当たります. 次に,弦を構成している微小な部分に注目すると,単位長さ当りの質量のニュートンの運動方程式σa = F から考えれば,同じ力 F を加えた場合に加速度 a がどうなるかを考えてもわかります. 高振動数であれば短い時間に多く振動するので,加速度 a は大きくなります. この加速度の方向も,まっすぐな状態の弦の方向と直角な方向(y 方向)です. ここで F は,張力 T の y 成分です.