点電荷と面電荷

点電荷と面電荷

amane さんの書込 (2009/06/16(Tue) 22:52)

高二です.はじめて質問させていただきます. 先日,物理の授業で次のような実験をしました. カーボン紙,ファックス原紙,白紙を用いた測定紙の上に5Vの電圧をかけて 点電荷Aと金属棒Cを15センチ離してテスター棒で1〜4Vを示す点を探し,等電位線を描く. (点電荷Aのほうが電位が高い.)

また,測定紙の上に10Vの電圧をかけて

点電荷A,Bを15センチ離してテスター棒で1〜9Vを示す点を探し,等電位線を描く.

金属棒C,Dを15センチ離してテスター棒で1〜9Vを示す点を探し,等電位線を描く. という実験もしました.

なぜ最初の実験だけ,測定するのが1〜4Vだけでよいのですか? 私は電位,電場,電気力線,コンデンサーなどをひととおり学習しております. どうかよろしくお願いします.

Re: 点電荷と面電荷

transfer さんのレス (2009/06/17(Wed) 00:14)

等高線で言えば,高さが 100 [m] の差しかないところに,200 [m] の範囲で等高線を描こうとしても,それは絶対に無理だというのと同じです. 例えば,標高 220 [m] と 320 [m] の2地点の付近では,等高線は 10 [m] 間隔として,230, 240, 250, ・・・・・・, 300, 310 のようにしか描けません.

最初の実験の電位の差は 5 [V] だったので,1, 2, 3, 4 の等電位線までしか描けません. 2回目の実験からは,電位の差は 10 [V] になったので,1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 の等電位線が描けるわけです.

要は,与えられた電位差の間でしか,等電位線は描けないということです.

Re: 点電荷と面電荷

amane さんのレス (2009/06/17(Wed) 20:28)

transferさん,ありがとうございます. >要は,与えられた電位差の間でしか,等電位線は描けないということです. なるほど,確かにそうですよね. では,もしも最初の実験で測定紙の上に10Vの電圧をかけたら1〜9Vの電位線が描けるわけですよね?なぜ最初の実験だけ測定紙の上に10Vの電圧をかけないで5Vの電圧をかけて実験したのでしょうか?10Vの電圧をかけられない理由でもあるのでしょうか? よろしくお願いします.

Re: 点電荷と面電荷

transfer さんのレス (2009/06/17(Wed) 23:08)

amaneさん

当然,最初から 10 [V] の電圧をかけたとしたら,1 〜 9 [V} の等電位線も描けたでしょうね. 最初から 10 [V] の電圧をかけられない理由があるかのか否か,私が実験器具を用意したわけではないのでわかりません. その辺りは,直接,実験をされた先生にお聞きするのが一番適切と考えます. 追加で,3回目の実験のときに,さらに 5 [V} 電圧を上げて,なぜ 15 [V] で実験しなかったのかの理由も聞かれるというのもいかがでしょうか? また,点電荷と面電荷の対照実験という観点から見れば,なぜ 5 [V] で点電荷同士・金属棒同士で実験をせずに,点電荷と金属棒というペアで実験をしたのか?という問いも発せられると思います. 同様に,なぜ 10 [V] のときに点電荷と金属棒のペアの実験をしなかったのか?という理由も聞けると思います. これらは,直接,先生にお聞きください. よろしくお願いいたします.

Re: 点電荷と面電荷

amane さんのレス (2009/06/17(Wed) 23:25)

詳しいご解説ありがとうございます. 班員とも話し合ったのですが結論は出ず,やはりtransferさんのおっしゃる通り質問するのが一番のようですね. >追加で,3回目の実験のときに,さらに 5 [V} 電圧を上げて,なぜ 15 [V] で実験しなかったのかの理由も聞かれるというのもいかがでしょうか? はい.そうしてみます.いろいろ比較してこその実験ですものね. 本当にありがとうございました.

Re: 点電荷と面電荷

transfer さんのレス (2009/06/18(Thu) 00:18)

amaneさん

いいえ,こちらこそ大した回答はできませんでした. 点電荷と面電荷では,同じ条件でも,等電位線の形状が異なるはずです. 金属棒の長さを変えたり距離を変えたりして,等電位線の形状を比較する実験を提案するのもあると思います.

Re: 点電荷と面電荷

山旅人 さんのレス (2009/06/20(Sat) 09:28)

質問者は納得されたようですが,やや気になる点があるのでコメントさせてください.

ファクス原紙を用いた本実験は,<b>点電荷が作る電場の電位,等電位線</b> の様子知るを簡便な方法として,高校の現場ではよく取り上げられているようです.そして,教科書には,点電荷が作る電場の電位が V=kQ/r と記載され,ご丁寧に電荷の近くで電位が±∞ に発散している図までついています.

本スレッドのタイトルが 「点電荷と〜」 となっているところから推し量りますと,質問者の疑問の発端は,「本実験ではなぜ 「点電荷」 の近くで電位が発散しないのか」,また 「なぜ,そのことを調べようとしないのか」 というところにあると思えるのですが如何でしょうか?

Re: 点電荷と面電荷

transfer さんのレス (2009/06/20(Sat) 18:31)

山旅人さん

私には,1回目の実験でも 6 〜 9 [V] の等電位線も描けるのでは?ということだったような気がしますが,私が勝手にそのように思っているだけで,実際には,山旅人さんのおっしゃる通りの理由だったのかもしれませんね.

明らかに V = kQ/r で r = 0 では V は正・負どちらかの無限大に発散して,無限遠ではゼロになりますからね. 単純に考えて,ゼロを中心に ±∞ の範囲で等電位線が描けるだろうと思いますよね. しかも,点電荷が作る電位は球対称ですよね. 空間に2つの点電荷があると,その周囲の空間の電位は,2つの球対称な電位の重ね合わせということになりますよね. 最初はそのようなところからとも思いましたが,r = 0 での発散の話を避けたかったのと,実際の実験では無限小の点電荷など用意できませんし,この問題は電位差で事足りると思いましたので,単純に,片方を電位のゼロ基準として,空間上の特定の断面(ここでは測定紙の紙面)での2点の電位の相対的な差として話をしました. つまり,単純に電場ありきとして,2つの電荷の間の電場(電気力線の接線方向のベクトル)の測定紙への射影成分に対する電位と考え,電位差が 5 [V] であれば,等電位線は 1 〜 4 までは描けますが,6 〜 9 は描けません,としたわけです.(等電位線は 1 [V] 刻みとして)

よろしければ, V = kQ/r において,r = 0 の場合はどう考えるのか? 本実験ではなぜ 「点電荷」 の近くで電位が発散しないのか? なぜ,そのことを調べようとしないのか? についてのご回答は用意されていると思いますので,あとは適切にご説明して頂けると助かります. あと,私の説明のまずい点につきましても,適切に訂正して頂けると助かります.

後日追加: 山旅人さん,遅れてしまいましたが,下にご説明ありがとうございました. 少々,ご無礼な態度,お許しください.

Re: 点電荷と面電荷

山旅人 さんのレス (2009/06/20(Sat) 22:21)

スレッドのタイトルを 「点電荷と面電荷」 としたのは,質問者が学校の先生から本実験についてそのように指導されたからだと思われます.しかしながら,本実験の結果は,決して 「点電荷が作る」 電場の電位を示すものではなく,従って,kQ/r をよりどころに 「なぜ発散しないのか」 と問われたら答えることはできません. 点電荷が作る電場の電位を知る実験的方法がないため,似たような結果が得られる本実験を流用することはある意味ではやむを得ないのかもしれません.しかし,それならば 「流用」 だときちんと説明するべきで,「点電荷」 と誤った指導をするべきではないというのが私の意見です.