重心に着目した運動方程式について
重心に着目した運動方程式について
リコピン さんの書込 (2009/06/02(Tue) 21:11)
質量Ｍの物体の上に，質量Ｍ2の物体が置かれています． Ｍ２の物体から水平に張ったひもを滑車にかけ，その先端に質量Ｍ1の物体を鉛直につりさげます．（物体はすべて滑らかで，ひもは伸びず質量は無視できる）
M2□-----○ |￣￣￣|| Ｆ→| M |■M1 |＿＿＿|＿＿＿＿
図のように水平右向きで，常に一定の力Ｆを加えてＭを動かします．このときＭ1，Ｍ2に何も力を与えてなくてもM1，M2がＭに対して動かないようにするＦを求めたいのですが……．
以下，解答を抜粋します． 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 この系の重心をa，M2の加速度をa´，ひもの張力をＴとして
（Ｍ+Ｍ1+Ｍ2）a＝Ｆ（重心に注目した場合）……Ａ Ｍ2＝Ｔ（Ｍ2のみに注目した場合） Ｔ＝Ｍ1g（Ｍ1にかかる重力と張力とのつりあいの式） を満たす．今Ｍ2は重心と一緒に動くのでa=a´ よって，これらより Ｆ＝Ｍ1（Ｍ+Ｍ1+Ｍ2）g/Ｍ2
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この説明は理解できます． しかし，私はこの解答のaを，Ｍのみの重心aとして考えました． つまりＡの式を
Ｆ＝Ｍa
として考え，以下全て同じ作業をしました． すると，答えは
Ｆ＝(ＭＭ1)g/Ｍ2
と誤答となりました． 私は，Ｆの力がかかっているのはあくまでもＭのみなので，Ｍについての運動方程式を書きました． また，Ｍの加速度をaとしても，それはＭ2の加速度a´とイコールになると思っています……． この考えは，何がおかしいのでしょうか． どなたか，よろしくお願いいたします．
Re: 重心に着目した運動方程式について
Yokkun さんのレス (2009/06/02(Tue) 22:42)
リコピンさん，こんばんは．
Mは，M1と糸から運動方向の力を受けていることが抜け落ちています．その大きさをN，Tと置きます．
a=a'と置いてしまいますね．水平方向について，
M の運動方程式：Ma=F-N-T M1の運動方程式：M1a=N M2の運動方程式：M2a=T
これらをすべて加えると
(M+M1+M2)a=F
となるのです．a=a'を前提しない時点では，これを全体の「重心の」運動方程式とすることでその重心の加速度をaと置くことができるわけです． これに，T=M1gを考慮すると，Fを得ます．
Re: 重心に着目した運動方程式について
リコピン さんのレス (2009/06/03(Wed) 00:36)
Yokkunさん，返答ありがとうございます たしかに，ＭがＭ1と糸から力を受けていたことには全く気付きませんでした しかし，疑問が2つできてしまいました（汗
私はこのＮを，Ｍ1とＭの作用・反作用と解釈しました もしそうなら，このときＭ1とＭが接触してなくても作用反作用が生じるのでしょうか
それと，Ｍ2が水平方向にＴの力で引っ張られるのはわかりました このときＭも反対側にＴの力を受けますが，これも作用反作用ですか？ またそうだとすれば，滑らかな物体の上を滑るときでも，作用反作用が生じるのでしょうか
質問が続いてしまい申し訳ありませんが，ご回答願います
Re: 重心に着目した運動方程式について
Yokkun さんのレス (2009/06/03(Wed) 09:12)
>このときＭ1とＭが接触してなくても作用反作用が生じるのでしょうか
もちろん，それはありえません．初め少し離れていたとしてもMの加速運動が始まればすぐに接触しますね？離れている距離が大きいと糸の角度を考慮することになり，さらにやっかいな問題となります．
>このときＭも反対側にＴの力を受けますが，これも作用反作用ですか？
これは作用・反作用の関係にはありません．この左向き張力TはMが糸から受ける力，右向き張力TはM2が糸から受ける力です．作用・反作用の関係は（AがBから）⇔（BがAから）という関係ですね？
これは「張力の原理」といって，ピンと張った質量が無視できる糸では，両端の張力は等しくなるのです．なぜなら，糸は張力の反作用を物体から受けますが，それらが逆向きで等しくつりあっていないと質量ゼロの糸は無限大の加速度をもたなければいけなくなるからです．糸の運動方程式ma=T(右)-T(左)において，m=0ならばT(右)=T(左)でなければならないというわけです．
この問題の場合，滑車のところでMが糸から受ける力は糸がMにつながれている場合と同じと考えてよいわけです．同様に鉛直の糸からも下向きに大きさが同じ力を受けていることになります．
