宿題の途中の式

宿題の途中の式

ゆい さんの書込 (2009/06/02(Tue) 13:45)

(\boldsymbol{v}\cdot \nabla )\gamma \boldsymbol{v}=(\nabla \times \gamma \boldsymbol{v})\times \boldsymbol{v}+\nabla \gamma c^2

となることを証明したいのですがうまくいきません.ここで \gamma =1/\sqrt{1-(v/c)^2}\boldsymbol{v} は三次元の速度ベクトルです. 公式 \nabla (\boldsymbol{v}\cdot \gamma \boldsymbol{v})=\boldsymbol{v}\times (\nabla \times \gamma \boldsymbol{v})+\gamma \boldsymbol{v}\times (\nabla \times \boldsymbol{v})+(\boldsymbol{v}\cdot \nabla)\gamma \boldsymbol{v}+(\gamma \boldsymbol{v}\cdot \nabla )\boldsymbol{v} を使って

(\boldsymbol{v}\cdot \nabla )\gamma \boldsymbol{v}=(\nabla \times \gamma \boldsymbol{v})\times \boldsymbol{v}+\nabla (\gamma v^2)-\gamma v\nabla v

となったんですが, \nabla \gamma c^2 の項が出ません.教えていただけないでしょうか

Re: 宿題の途中の式

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/06/02(Tue) 15:28)

(\bm{v}\cdot \nabla )(\gamma \bm{v})=(\nabla \times \gamma \bm{v})\times \bm{v}+(\nabla \gamma) v^2 + \gamma v\nabla v

の間違いでは? # 追記 間違っていませんでしたね.

さらに, \nabla \gamma を計算すると, v\nabla v の係数倍であることが分かるので,それを利用して,最後の2項は c^2 \nabla \gamma になります.

Re: 宿題の途中の式

ゆい さんのレス (2009/06/02(Tue) 15:50)

ありがとうございます. \nabla (\boldsymbol{v}\cdot \gamma \boldsymbol{v})=\nabla (\gamma v^2) と考えたのですが \nabla\gamma だけでなく v に作用するので括弧の外には出せないと思いました.計算間違いでしょうか

Re: 宿題の途中の式

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/06/02(Tue) 16:02)

\{(\nabla\times\bm{a})\times\bm{b}\}_i &= b_k \partial_k a_i - b_k \partial_i a_k\\&= \{(\bm{b}\cdot\nabla)\bm{a}\}_i - b_k \partial_i a_k\\\therefore\{(\bm{b}\cdot\nabla)\bm{a}- (\nabla\times\bm{a})\times\bm{b}\}_i &= b_k \partial_i a_k

より

\{(\bm{v}\cdot \nabla )(\gamma \bm{v})- (\nabla \times (\gamma \bm{v}))\times \bm{v}\}_i &= v_k \partial_i (\gamma v_k)\\&= v_k v_k \partial_i \gamma + \gamma v_k \partial_i v_k \\&= v^2 \partial_i \gamma + \gamma \partial_i v^2/2 & (v^2=v_kv_k)\\&= v^2 \partial_i \gamma + \gamma v \partial_i v\\&= \{ v^2 \nabla \gamma + \gamma v \nabla v \}_i

ですよね.

# 追記 以上より

(\bm{v}\cdot \nabla )(\gamma \bm{v})- (\nabla \times (\gamma \bm{v}))\times \bm{v} &= v^2 \nabla \gamma + \gamma v \nabla v\\&= v\nabla(\gamma v)

ですが, \gamma = (1-\beta^2)^{-1/2}~~(\beta=v/c) より

v\nabla(\gamma v) &= c^2 \frac{\sqrt{\gamma^2-1}}{\gamma}\nabla {\sqrt{\gamma^2-1}}\\&= c^2 \nabla \gamma

となります.

Re: 宿題の途中の式

ゆい さんのレス (2009/06/02(Tue) 16:50)

すいません. \partial_i とかで表示するやりかたはまだ勉強してなくてわかりません.

Re: 宿題の途中の式

Yokkun さんのレス (2009/06/02(Tue) 18:02)

ゆいさん,こんばんは.

\nabla(\gamma v^2)-\gamma v\nabla v &= v^2 \nabla \gamma + 2\gamma v \nabla v - \gamma v\nabla v &= c^2 \nabla \gamma

になると思います.

toorisugari no Hiroさん,ひょっとして左辺は (\bm{v}\cdot\nabla)\gamma \bm{v}=(\bm{v}\cdot\nabla\gamma)\bm{v} でよいのではないでしょうか?

Re: 宿題の途中の式

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/06/02(Tue) 19:30)

元の式はあってました.というか,どれも一緒ですね.

> toorisugari no Hiroさん,ひょっとして左辺は |3aaf4d746a65051a8573c25da093c4f2| でよいのではないでしょうか?

(\bm{v}\cdot\nabla)(\gamma \bm{v}) としないとでないと思いますが.たぶん.

Re: 宿題の途中の式

Yokkun さんのレス (2009/06/03(Wed) 08:45)

toorisugari no Hiroさん,No.23994を追跡して確認できました.混乱させてごめんなさい.

ゆいさん, \partial_i 等の記法はとても便利なのでこの際覚えられるとよいと思います.理解すべきルールは2つ.まず,定義は

\partial_i = \frac{\partial}{\partial x_i}

で,添字 i=1,2,3 に対して x,y,z を割り当てます.微分演算子 \nabla をちょうどベクトルと同じにあつかって,添字でその成分を表すわけです.

\nabla\cdot\bm{A}=(\partial_1,\partial_2,\partial_3)\begin{array}{c} \\ \left(\begin{array}{c} A_1 \\ A_2 \\ A_3 \end{array}\right)\end{array} = \sum_{i=1}^3\frac{\partial A_i}{\partial x_i}

という具合. もう1つは,アインシュタインの和の規約.たとえば,内積を

\bm{a}\cdot\bm{b} = a_xb_x+a_yb_y+a_zb_z = a_1b_1+a_2b_2+a_3b_3 = \sum_{i=1}^3a_ib_i = a_ib_i

と略記します.同じ添字がひとつの項の中に現れたら和をとるというルールです.すると,

b_k\partial_ia_k=\sum_{k=1}^3 b_k\frac{\partial a_k}{\partial x_i}

等ということになります.慣れるのにちょっと時間がかかるかもしれませんが,記述がすっきり簡略化されてとても便利ですよ.

Re: 宿題の途中の式

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/06/03(Wed) 10:09)

Yokkunさんfollowありがとうございます.

> 混乱させてごめんなさい.

いえいえ,こちらも計算間違いしていたので,お気になさらずに.

\{(\nabla\times\bm{a})\times\bm{b}\}_i &= b_k \partial_k a_i - b_k \partial_i a_k

を自己followしておきます.

ベクトル3重積の公式より

\{(\bm{c}\times\bm{a})\times\bm{b}\}_i&= \{ (\bm{c}\cdot\bm{b})\bm{a}-(\bm{a}\cdot\bm{b})\bm{c}\}_i &= c_k b_k a_i - a_k b_k c_i

となります. \{(\nabla\times\bm{a})\times\bm{b}\}_i \bm{c}\nabla に置き換えればいいのですが,一つ注意点があります.

\nabla は微分演算子で \bm{a} に作用しています.ですから, c_i\partial_i に変えるとき \partial_i の右に a_{*} がくるように順番を変えなければいけません.

よって

\{(\nabla\times\bm{a})\times\bm{b}\}_i &= b_k \partial_k a_i - b_k \partial_i a_k

が得られます.

いずれレビチビタの3階完全反対称テンソル

\varepsilon_{ijk} &=\begin{cases}1& ((i,j,k)=(1,2,3),(2,3,1),(3,1,2))\\-1& ((i,j,k)=(3,2,1),(2,1,3),(1,3,2))\\0& (\text{otherwise}) \end{cases}

と公式

\{\bm{a}\times\bm{b}\}_i &= \varepsilon_{ijk}a_j b_k\\\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{kmn} &= \delta_{im}\delta_{jn}-\delta_{in}\delta_{jm}

を使って計算する方法も習われると思います.

Re: 宿題の途中の式

ゆい さんのレス (2009/06/03(Wed) 12:46)

toorisugari no Hiroさん,Yokkunさん ありがとうございました.無事導出できました.テンソル表示は今後勉強していきたいと思います.