図のような傾き30°の滑らかな斜面上にある質量mの物体Pと糸で結ばれた質量Mの物体Qがある.糸の重さおよび滑車の抵抗は無視できるとする.重力の加速度はgとする. (1)両物体が速度vの等速度運動をしている時,Mの質量をmを用いて表しなさい. (2)Mの質量を2倍にすると両物体はどのような運動をするか.
図は直角三角形ABCで辺BCが地面に面してて書∠B=30°∠C=90°で∠Aに滑車があります.
(1)は自力で張力が等しいことを使って解いたらM=1/2mになりました. (2)はよくわからないので,解説よろしくお願いします
(1)は,P,Qともに受ける力がつりあっているから(ともに受ける合力がゼロ),等速度運動をしたわけですね.すると,(2)はそのつりあいが破れるので加速度運動をすることになります.
Pが受ける力の斜面に垂直な成分はつりあっている(運動は斜面に沿っているだろうから)ので,斜面と平行な力と加速度の関係を運動方程式として書きましょう.
Qが受ける力はもともと運動方向だけです.同様に運動方程式を書けますか?
もし無理があれば,Pが受ける斜面と平行な力の種類と向き,大きさを書き出しましょう.なお,大きさ未知の力は自分で大きさを表す文字を決めてください.Qについても同様にしましょう.
なるほど.aは加速度の大きさですね.
まずPが受ける力ですが,mgsinθは重力の斜面方向の成分ですが運動と逆向きですね.他に運動方向の力があるはずです.
Qの質量は(1)のときの2倍ですから,M=mとおいてよいわけです.Qが受ける力は重力がMgすなわちmg.他にどんな力がありますか?
ヒント:力の種類は(1)の場合と変わりありません.ただ,それらがつりあっていないだけです.
もし,わからなければ,(1)のとき 物体Pが受けてつりあっていた斜面方向の2力は何ですか? 物体Qが受けてつりあっていた鉛直方向の2力は何ですか?
(1)のときつりあっていたのは Pはma=T=mgsinθN=mgcosθ
Qはma=mg=2Mg
よくわからないので一応力をすべて書いてみました・・・
(1)のときつりあっていたのは,
Pについて 糸から受ける張力T(斜面上向き)=重力の斜面方向成分mgsinθ(斜面下向き) 斜面から受ける抗力N(斜面垂直上向き)=重力の斜面垂直成分mgcosθ(斜面垂直下向き)
これは,OK.
Qについて 糸から受ける張力T(鉛直上向き)=重力Mg(=1/2mg)(鉛直下向き)
です.
(2)ではMg(=mg)とTの大きさが変わること以外は(1)と同じです. あらためて
(i) Pの運動方程式(斜面上向き正) (ii)Qの運動方程式(鉛直下向き正)
を立ててみてください.
F=maの形でもma=Fの形でもどちらでもよいのですが,一般に多く使われる(結果)=(原因)の形すなわちma=Fを採用しますね.
(1)とよーく比較してください. Pは,T=mgsinθつまり運動方程式の形にすると0=T-mgsinθ Qは,Mg=T同様にして 0=Mg-T 合力がゼロなので加速度ゼロ.したがって等速度.つりあいは加速度ゼロの運動方程式です.
運動方程式 ma=F の意味は, (質量)×(加速度)=(物体が受ける合力) つまり,右辺の力は加速度の方向の合力なのです.合力を求めるには運動方向のすべての力を合計しなければなりません.逆向きの力は逆らっているのでマイナスにしてやります.張力の大きさはまだわかりませんから,Tのままにしましょう.
(i)(ii)ともに張力が抜けています.
ということは Pはma=T-mgsinθ Qは Ma=Mg-T ですね?
はい.ここで,M=mになります.また,θ=30°ですね. 両式からTを消去して目的の加速度を得ます.
a=1/4g ですね? これは加速度1/4gでPが斜面を上がっていくということですか?
はい.そしてQは同じ加速度で鉛直下方に降りていきます.
こういう問題の時の答えは 加速度1/4gでPは上がりQは下がる と答えればOKですか?
多分OKでしょう.もちろん,プロセスこそが大事なので,図や立式,計算過程を含めて整理されるべきです.