ある人が350Nの張力がかかると切れる紐を杭にくくりつけて引っ張ったが300Nの力しか出せなかった.そこで友人に頼んで,紐にくくった方を外して両方から引っ張った.友人と互いに100N,200N,300N,と引く力を大きくしていったらどうなるか.結果と理由を答えよ.
全くわからないので誰か段階をおって教えてください. よろしくお願いします.
こんにちは.
(2)(3)が違います.典型的な勘違いをされていて,それがこの問題の中心的な出題意図なのです.
まず,(1)の状態で「ある人」は300Nの限界の力で紐を引いているのですが,ある人が引くだけでは紐は動いてしまいますね?紐が止まったままピンと張っているのはなぜでしょう?杭が紐を逆向きに引いているからです.その力はどれだけですか?(2)の「友人」は,杭の代わりをしただけであることに気づかれましたでしょうか.あらためて,(2)(3)を考え直してください.
(2)T=300 (3)T=310 で合ってますか?
つまり友人と互いに100N,200N,300Nのそれぞれで引き合っても,紐は切れないということですか? ということは 友達とお互いに175Nで引き合っても紐は切れなくて,350Nで引き合ったら紐が切れるということですよね?
はい.(2)はOK.(3)は実はひっかけでした.
「ある人」が引く力の限界が300Nである状態が変わったとはどこにも書いていませんね?するとどうなるでしょう? 問題には300Nまでしか書いていないのですが,「友人」が引く力が300Nを越した場合には,「ある人」が引く力の限界を超えていますから,「ある人」は手を離さない限りは動いてしまうことになるでしょう.つまり,350Nで引き合うことはできないのですね.どこまで求められているかは定かではありませんが,ここまで答えれば満点だと思います.
了解です. とてもわかりやすい解説ありがとうございました. もう一問質問いいですか?
すいません もしもある人が300N,友人が350Nで引っ張り合った時は 両者ともそれぞれ手にかかる張力は300Nだから友人の方へ50N動いていくという考え方でOKですか? それともある人の張力は300Nですが友人は350Nで引いているのだから友人の張力は350Nということですか?
実は,この疑問はとても大切なのですが,あまり意識されることがありません.
これは,綱の質量によるのです.通常の初歩的な問題では,綱の質量は無視できるとすることが多いので,その場合には綱の張力は両端で等しくならなければなりません.両端の張力が等しくないと,その反作用である綱が受ける張力もつりあわず,質量がゼロの綱は無限大の加速度をもってしまうことになるのです.
綱の質量が無視できる場合は,前半の
>両者ともそれぞれ手にかかる張力は300Nだから
が正しいということになります.ただし,
>友人の方へ50N動いていくという考え方でOKですか?
という考え方は成立しません. まず「50N動いていく」が意味不明ですが,50N分の加速度をもって…ということでしょうか? 綱の質量を無視する場合,「友人」が受ける張力も300N.「ある人」が受ける張力が300Nを超えない以上,「友人」も350Nで引くわけにはいかないのです.「動いていく」ということだけはいえるでしょう.もし,「ある人」が手を離すことなく300Nを超える力で引かれた場合(これ自体が矛盾ですが),「ある人」は加速度をもつことになるでしょう.
>もしもある人が300N,友人が350Nで引っ張り合った時
という場面は,綱の質量が無視できる場合にはありえないということです.
綱の重さを考えなくちゃいけない問題もあるんですか・・・ とても奥が深いですね〜・・・
わかりやすい解説本当にありがとうございました!