計算問題

計算問題

数学迷い人 さんの書込 (2009/05/11(Mon) 11:08)

a,bはベクトルです.

-2ωsin(ωt)da/dt + 2ωcos(ωt)db/dt + cos(ωt)d^2a/dt^2 + sin(ωt)d^2b/dt^2

の計算なんですが,0になれますか?

証明問題をやっていて,おそらくこの多項式は0になると踏んだのですが,計算が詰まってしまいました.ヒントをいただければお願いします.

Re: 計算問題

mNeji さんのレス (2009/05/12(Tue) 03:06)

冗談半分の話ですが,もし与式の係数2が1であって,次の式だとすると,

\vec J &= -\omega \sin(\omega t)\frac{\mathrm{d} \vec a}{\mathrm{d} t} +\cos(\omega t)\frac{\mathrm{d} \vec b}{\mathrm{d} t} +\cos(\omega t)\frac{\mathrm{d}^2 \vec a}{\mathrm{d} t^2} +\sin(\omega t)\frac{\mathrm{d}^2 \vec b}{\mathrm{d} t^2}\\&= \frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\left(\cos(\omega t)\frac{\mathrm{d} \vec a}{\mathrm{d} t} +\sin(\omega t)\frac{\mathrm{d} \vec b}{\mathrm{d} t}\right)

になるので,最後の大括弧の中が定ヴェクタなら, \vec J はゼロ・ヴェクタになります.

Re: 計算問題

数学迷い人 さんのレス (2009/05/13(Wed) 07:51)

てことは,元の式では,0にはなれなかったってことですか?

う〜ん,再検討してみます.

微分の中が,定数なら良いんですね.

Re: 計算問題

mNeji さんのレス (2009/05/13(Wed) 13:19)

>微分の中が,定数なら良いんですね.

一つの可能性です.

>てことは,元の式では,0にはなれなかったってことですか?

ちなみに,残りを変形してみると,

\vec K&= -\omega \sin(\omega t)\frac{\mathrm{d} \vec a}{\mathrm{d} t} +\cos(\omega t)\frac{\mathrm{d} \vec b}{\mathrm{d} t}\\&= -\omega^2\left(\cos(\omega t)\vec a+ \sin(\omega t)\vec b \right)+\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\left(-\omega \cos(\omega t)\vec a +\omega \cos(\omega t)\vec b\right)

とも変形出来ますね.

Re: 計算問題

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/05/13(Wed) 13:43)

> 証明問題をやっていて,おそらくこの多項式は0になると踏んだのですが,

元の証明問題を出してくれた方が解決が早そうです.

Re: 計算問題

数学迷い人 さんのレス (2009/05/13(Wed) 14:06)

元の問題です.↓

ベクトルX=(cosωt)a +(sinωt)bに対して,

d^2X/dt + ω^2X = 0

X×X’=ωa×bを示すという問題です.

Re: 計算問題

数学迷い人 さんのレス (2009/05/13(Wed) 14:11)

ちなみに,ベクトルを微分しても,ベクトルなのでしょうか? 変な質問ですが,お願いします.

Re: 計算問題

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/05/13(Wed) 19:46)

「ベクトル \bm{X}(t)=\cos(\omega t)\bm{a} + \sin(\omega t)\bm{b} に対して,

\frac{\mathrm {d}^2 \bm{X}}{\mathrm{d}t^2} + \omega^2 \bm{X} = 0

および,

\bm{X}\times\frac{\mathrm{d} \bm{X}}{\mathrm{d}t} = \omega \bm{a}\times\bm{b}

を示せ.」という問題ですか.

\omega は定数, \bm{a}, \bm{b} は定ベクトルですね.そうでないと解けません.

Re: 計算問題

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/05/13(Wed) 19:53)

> ちなみに,ベクトルを微分しても,ベクトルなのでしょうか?

\bm{r}(t) のようなベクトル値関数を微分した \frac{\mathrm{d}\bm{r}}{\mathrm{d}t} もベクトルです.

なぜなら,定義により,

\frac{\mathrm{d}\bm{r}}{\mathrm{d}t} = \lim_{h\to 0}\frac{\bm{r}(t+h)-\bm{r}(t)}{h}

ですが,極限を取る前の \frac{\bm{r}(t+h)-\bm{r}(t)}{h} はベクトルの差 \bm{r}(t+h)-\bm{r}(t) をスカラ {h} で割ったものですからベクトルになります.当然,その極限もベクトルです.

# ベクトルにベクトルを足しても(引いても)ベクトル # ベクトルにスカラをかけても(割っても)ベクトル # ベクトル値関数 \bm{v}(h) の極限 \lim_{h\to 0}\bm{v}(h) の値もベクトル

Re: 計算問題

数学迷い人 さんのレス (2009/05/14(Thu) 09:39)

定ベクトルを微分したら,0ということですよね?

ということなら問題解けました.

Re: 計算問題

mNeji さんのレス (2009/05/14(Thu) 10:17)

>定ベクトルを微分したら,0ということですよね? >ということなら問題解けました.

私には,「数学迷い人さんの考え方」も興味深いのですが,それ以上に,「解こうとされている問題」が不思議に見えます.

もし宜しかったら,ご質問の問題は,どのような所にあったのか教えてくださると助かります.

Re: 計算問題

数学迷い人 さんのレス (2009/05/14(Thu) 10:54)

>もし宜しかったら,ご質問の問題は,どのような所にあったのか教えてくださると助かります.

この問題は,ベクトル解析の授業での問題です.今,ベクトルの微分という章に入りました. 疑問に思ったことは,ベクトルでの微分扱いです. 直線であるベクトルを微分するということがイメージしにくかったです. また,定ベクトルを微分したら,0になることがわからなかったです. 定ベクトルというのは,ベクトルXでの要素のひとつであると考えています.

Re: 計算問題

mNeji さんのレス (2009/05/14(Thu) 12:32)

>この問題は,ベクトル解析の授業での問題です.今,ベクトルの微分という章に入りました.

なるほど,判りました.ご説明,有り難うございました.

>疑問に思ったことは,ベクトルでの微分扱いです.

このように,直接的に質問される方が,回答は付き易いです.

>直線であるベクトルを微分するということがイメージしにくかったです. >また,定ベクトルを微分したら,0になることがわからなかったです. >定ベクトルというのは,ベクトルXでの要素のひとつであると考えています.

ここら辺は,確実に理解出来てないと,先に行けば行く程判らなくなると思うので,納得できるまで頑張って下さい.

すでに,toorisugari no Hiroさんが,No.23767で解説されていますが,それと合わせて,質問されると良いのではないでしょうか?

ヒョットして,「ベクトル間の足し算,引き算」のときに,平行移動するのに抵抗が在るとか?私自身も,この疑問にトラップされたような気がします.

Re: 計算問題

mNeji さんのレス (2009/05/14(Thu) 14:55)

位置ベクトル \vec R(t) と速度ベクトル \vec V(t) とすると,

\vec V(t) &= \frac{\mathrm{d} \vec R(t)}{\mathrm{d} t}\\&= \lim_{h \to 0}\frac{\vec R(t+h)-\vec R(t)}{h}

と書かれます.

これを図で考えます.ただし,「 \lim_{h \to 0}\frac{1}{h} 」を面倒なので省略して,単に「 \frac{1}{h} 」としますが,極限記号は付いているとして読んでください.簡単の為に,一次元のベクトルの表記を考えます.

原点Oから,右の方向を正とします.ベクトルの始点を「・」,ベクトルの終点を「←」や「→」とし,ベクトルの長さを「ー」で表すとします.

・原点から3単位右の位置ベクトルを 「 \vec R= (・ーー→)」

・原点の位置ベクトル,言い換えれば,ゼロ・ベクトルを 「 \vec R= (・)≡(ゼロ)=0」

#ゼロ・ベクトルは本来,「 \vec 0 」と書いた方が良いかも知れませんが,スカラのゼロ,「 0 」で代用していますね.

・原点から2単位左の位置ベクトルを 「 \vec R= -(・ーー→) ≡ (←ーー)」

・従って, 「(ゼロ) = (←ーー) +(・ーー→) = -(・ーー→) +(・ーー→) = (←ーー) -(←ーー) 」

〜〜〜〜 以上の準備のもとで,

具体的に,位置ベクトルが時間と共に増えている場合を図示します; 「 \vec R(t)= (・ーー→)」 「 \vec R(t+h)= (・ーーーーー→)」

\vec V(t)=\frac{1}{h}\{\vec R(t+h)-\vec R(t)\}=\frac{1}{h} {(・ーーーーー→)-(・ーー→)} =\frac{1}{h} (・ーーー→)」

位置ベクトルが時間に依らず一定の定ベクトルの場合には; 「 \vec R(t)= (・ーー→)」 「 \vec R(t+h)= (・ーー→)」

\vec V(t)=\frac{1}{h}\{\vec R(t+h)-\vec R(t)\}=\frac{1}{h} {(・ーー→)-(・ーー→)} =\frac{1}{h} (・) =0

Re: 計算問題

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/05/14(Thu) 16:22)

> 定ベクトルを微分したら,0になることがわからなかったです.定ベクトルというのは,ベクトルXでの要素のひとつであると考えています.

ここではベクトルとはベクトル値関数のことです.つまり,

\bm{v}(t) = v_x(t)\bm{e}_x + v_y(t)\bm{e}_y + v_z(t)\bm{e}_z

のような形を「ベクトル」と呼んでいます.一般には t が変化すると, \bm{v}(t) も変化します.

定ベクトルとは t によらず一定値をとるベクトル値関数です.先の記事で示した微分の定義により,定ベクトルを t で微分したら 0 です.

デカルト座標系の基底 \{\bm{e}_x,\bm{e}_y,\bm{e}_z\} も定ベクトルです(極座標などの他の座標系ではそうなるとは限りません).

# ま,考えてみればなじみの表現

も不思議ですよね. C は数であって関数でないのに何故微分していいのだろう.

Re: 計算問題

数学迷い人 さんのレス (2009/05/18(Mon) 12:13)

不思議で,直感的には理解しにくいですが,徐々に慣れ親しめるように,努力します. ご質問にお答え頂きありがとうございました.