アコースティックギターの振動ni

アコースティックギターの振動ni

yah さんの書込 (2009/01/25(Sun) 16:50)

こんばんは. 初めて質問させて頂きます.

少しこの掲示板の内容と 合わない内容かもしれませんが, 答えて頂けるとありがたいです.

アコースティックギターの弦振動と, その弦付近の駒の振動を各種センサを使って測定したところ, 弦振動の振幅スペクトルは高次倍音のピークが小さいのに対し, 駒部の振動は高次倍音のピークも大きく,スペクトルのピークが全体的に ハッキリしていました.

これは物理学的に見たらどういった意味を持つ 観測結果なのでしょうか?

普段は情報系専門で物理方面の知識が ないのでこういった質問をさせて頂きました. 皆さんからの助言を頂けるとありがたいです.

Re: アコースティックギターの振動ni

mNeji さんのレス (2009/01/25(Sun) 21:25)

yahさん,初めまして.面白い切り口と感じます.

実験の状況が判りません.2カ所での振動を測定されている様ですが,もう少し詳しく教えて戴けますか?

また「スペクトルのピークが全体的にハッキリして」というのが何を指されているのかが判りませんでした.例えば,低音の弦の振動の場合とか,高音の場合などでどのようなスペクトル挙動をするものですか?

最終的に意味のある解答をだせるかも判りませんが....でも,図を示せないと,説明が難しいかも知れませんね.

Re: アコースティックギターの振動ni

yah さんのレス (2009/01/25(Sun) 21:53)

mNejiさん,ご返信ありがとうございます.

>実験の状況が判らないのですが,2カ所での振動を測定されている様ですが,も>う少し詳しく教えて戴けますか?

説明が不足していてすみません. 弦の振動をピエゾ(圧力センサ)を使って測定し, この弦付近の駒の振動をレーザー式の変位計で測定しました.

>また「スペクトルのピークが全体的にハッキリして」というのが何を指されてい>るのかが判りませんでした.

こちらの説明も不十分でしたね・・・ すみません. ギター弦の振動は,倍音成分が高次のものになるほど ピークが小さくなっていきます. これに対し,今回測定した駒の振動では 倍音の次元が上がっても特に振幅に変化が見られず, 弦振動ではとっくにピークがなまってしまっている周波数域でも ハッキリとしたピークが見られました.

先ほどの質問文では伝わり辛かったと思いますが, この弦振動と駒部の振幅スペクトルの分布が違う 理由が知りたいと思っています.

振動源は弦しかありませんし, 駒と弦は直接結合しているので 駒は弦とほぼ同じスペクトル分布を見せてもよさそうですが 前記のような違いが出てしまいました. 私は硬い物質の中は高い周波数の振動が 伝わりやすいのかな,などと考えているのですが 材料力学などをご存知の方などは, スペクトル分布の違いに対してどういった 見解をするのかが知りたかったので質問させて頂きました.

Re: アコースティックギターの振動ni

mNeji さんのレス (2009/01/25(Sun) 23:36)

>弦の振動をピエゾ(圧力センサ)を使って測定し,

という事は,弦の張力を測定すると考えて良いのでしょうか?

>この弦付近の駒の振動をレーザー式の変位計で測定しました.

この駒と言うのは, http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%82%BF%E3%83%BC の「クラシックギターとエレキギターのパーツ名」でいうと何れでしょうか.「4 フレット」とか「19サドル」とかでしょうか?

#お琴なら「駒」だと理解出来るのですが....

>振動源は弦しかありませんし,

私も,これはそうだと思います.

>駒と弦は直接結合しているので

なんとなく違和感を感じます.むしろ,次のような成分;

(a) 弦 (b)胴体 (c)胴体中の空気 (d)その外の外部空気

が並列に相互作用している様な気がします.ですから,

>駒は弦とほぼ同じスペクトル分布を見せてもよさそうですが >前記のような違いが出てしまいました.

たとえば,「駒」が胴体の共鳴振動モードを反映しているとしても,「弦」の共鳴振動モードと同一である保証はないと感じます.

大雑把に「弦振動」は両端が静止する為に,半波長の整数倍の高調波にピークがでてくるでしょうが,張力一定になる為に,高次スペクトル程パワーが減衰すると推定出来そうです.

他方,胴体の形状は,ひょうたん型の上,サウンド・ホールの為に,複雑な共鳴条件や,共鳴音の輻射能率も絡むので,複雑なスペクトルとなりそうですね.

Re: アコースティックギターの振動ni

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/01/27(Tue) 12:54)

mNejiさんも指摘されているように,駒がどのような物体に固定されているのか明らかでないですね.これが重要だと思います.

> 駒部の振動は高次倍音のピークも大きく,スペクトルのピークが全体的にハッキリしていました.

これは,高次倍音が,駒が固定されている「物体」(あるいは駒自体)の弾性振動で生成されていることを示唆しています.

基本音を入力として高次倍音を出力するシステムを考えなければいけませんが,おそらく「非線形」なシステムになると思います.

モデルとして減衰単振り子の様な「非線形」・散逸系に振動などの強制力を与える問題が考えられますが,一般的な物理の教科書でそこまで踏み込んだものはないと思います.(線形な単振動に減衰力と強制力を加える問題ならどの力学の教科書にもありますが...もし,あるとしたらカオス関係かな?)

スペクトルの様子を様々なパラメータで(さらには非線形性もいろいろ変えて)数値実験されてはどうでしょう.常微分方程式の数値計算ですから,それほど難しくはないと思います.

# 追記 そのものズバリ,「楽器の物理学」

という本がありますね.