バイクが坂をのぼるときの力学

バイクが坂をのぼるときの力学

R(大学1年) さんの書込 (2009/01/06(Tue) 18:16)

大学1年のRといいます. 専門は化学なので物理の知識は高校レベルしかなく,勉強中です. バイクが平地から坂をのぼりきり平地をはしる.という場合, バイクの車体は地面に沿って姿勢を変えていきますが,一体どういう力が働いて回転速度が生まれるかわかりません. __ ●__/←こういう坂です.

自分が考えたのは, バイクの質量をm,バイクの慣性モーメントをI,バイクの車体の角加速度をa,重力加速度をg,坂の傾斜をθ,バイクのタイヤ間の距離dで重心はちょうど真ん中とすると, 平地にいる時前輪と後輪にそれぞれ垂直抗力N=m/2 * g がかかり

Ia= +N*d/2 -N*d/2

が成り立つがa=0で回転はおきない.

次に前輪が坂にのった瞬間,前輪の垂直抗力がN=m/2 * g * cosθとなり小さくなるので前のめりの回転がおきてしまい,車体は坂にそった姿勢をとってくれません. どうして前輪が坂にのぼると車体もそれに応じて坂に沿うように回転するのですか?

Re: バイクが坂をのぼるときの力学

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/01/06(Tue) 21:21)

> 前輪と後輪にそれぞれ垂直抗力N=m/2 * g がかかり

これは水平な場所で静止(or等速度運動)しているときの話ですね.

極端な話,このまま,壁に衝突したら,前輪にかかる抗力(水平)はどれだけになるでしょうね.

Re: バイクが坂をのぼるときの力学

Yokkun さんのレス (2009/01/06(Tue) 21:24)

結論からいうと,駆動輪である後輪が地面をける摩擦力の反作用が前向きで,前端を上げるようなトルクを生じると思います.ウィリー走行のときを考えればわかりますね?とりわけモトクロッサーなどは,全体の重心も高い位置にあり前輪が上がりやすいのが特徴です.したがってまた,Rさんが両輪にかかる抗力の鉛直成分をmg/2と単純化したのは,たとえ重心を真ん中にしたとしても,加速運動においては成立しないのではないでしょうか? ※登り始めは前輪が受ける抗力の影響も大きいでしょうか? ※空走してはずみで登ることもできるので,上の摩擦力は根本的なものではないようですね.ごめんなさい.

Re: バイクが坂をのぼるときの力学

mNeji さんのレス (2009/01/06(Tue) 23:43)

R(大学1年)さん,初めまして.

>バイクの車体は地面に沿って姿勢を変えていきますが,一体どういう力が働いて回転速度が生まれるかわかりません.

これは,車体が水平から傾く事を問題にしているのでしょうか.自動車でも,ブレーキをして静止している時に急発進したり,定速進行中に急ブレーキをしたりすると,車体が浮き上がったり,頭が沈んだりすることを指しているのでしょうかね.

もしもそうならば,水平面からのブレーキをかけた時の,重心の運動方程式と,重心廻りの角運動量の式,タイヤが滑らない条件の連立方程式をといて,車体の回転の角速度を求めて,定性的な論議をするしかない,でも面倒ですね,きっと.

Re: バイクが坂をのぼるときの力学

R(大学1年) さんのレス (2009/01/07(Wed) 01:11)

皆様さっそく返信ありがとうございます.

>>toorisugari no Hiroさん

垂直抗力は加速してる場合変わるんですか?

>>Yokkunさん

ウイリー走行の時に加速すると回転するのは後輪の摩擦力の反作用によるということですよね. 加速度運動では垂直抗力がmg/2より小さくなるんですか?

>>mNeji さん

バイクが坂を登るときに平地では地面に水平だったのが 前輪が坂にのったときから後輪ものり切るまでの間に回転がおこり, 坂道と並行な姿勢になるのはなぜかということです. わかりにくくてすいません.

Re: バイクが坂をのぼるときの力学

toorisugari no Hiro さんのレス (2009/01/07(Wed) 01:42)

> 垂直抗力は加速してる場合変わるんですか?

加速するためには水平方向の力が必要ですが,これは接地面に作用します.これにより力のモーメントが発生し,車体が回転しようとしますが,それは地面に後輪が潜ってしまう動きになります.地面は,垂直抗力を後輪側が大きく前輪側が小さくなるように変えて,後輪が潜り込むのを止めようとします. また,ブレーキをかけるときは逆の働きになります. なお,等速度運動してるときでも,空気抵抗などが無視できない場合は,これに釣り合う様に駆動力が必要ですから,同じように垂直抗力のバランスは変わります.

坂道を上り始めるとき,前輪は慣性の法則でそのまま水平方向に進もうと,つまり,坂道に潜り込もうと,しますが,坂道はそれをいやがって地面に垂直な方向に抗力を発生します.

これによって前輪の進行方向が変わるので加速度が発生したことになります.そのときの加速度は坂道の曲率(正確にはバイクの重心の軌道の曲率)とバイクの速度に依存します. F=ma の関係から,力は加速度に比例します.つまり,垂直抗力は加速度の大きさにも関係するので静止状態のときの値とは変わります.