無題

無題

KEN さんの書込 (2008/11/24(Mon) 16:26)

円柱座標のrotについて質問です. 円柱座標(r,θ,z)において,z軸方向の渦度をあらわす成分は rotの定義より(rot v=∇×v)から計算すると ∂/r∂θ {v(r)}−∂/∂r {v(θ)} となったのですが,実際のテキストの記述を見ると ∂/r∂θ {v(r)}−∂/∂r {v(θ)}+v(θ)/r となっていて,自分の計算ではv(θ)/rの項が出てきません. なぜでしょうか・・・. 回答お願いします.

Re: 無題

Yokkun さんのレス (2008/11/24(Mon) 17:36)

どのように計算されたのでしょうか? 間違った計算の結果だけ示されてもわかりません.

Re: 無題

mNeji さんのレス (2008/11/24(Mon) 21:02)

ヴェクタの回転演算は直感的でないので泣かされますね.

この,物理かぎしっぽのJohさんが製作中の記事, ・h ttp://hooktail.maxwell.jp/kagi/9221aea3f0060a567695648c9fd6aca2.html は,とてもクールな解説だと思います.

この考え方を今回の問題に適応しますと,z軸に垂直な面内において,ヴェクタVを微小な線積分で一巡して,その微小面積で割ると,rot V]z になると言う事です.

実際に,z=一定のばあい,微小線積分回路ABCDA; 点A(ρ,φ)→点B(ρ+dρ,φ)→点C(ρ+dρ,φ+dφ)→点D(ρ,φ+dφ)→点A(ρ,φ) を計算して,その時の微小面積; dS = dρ・ρdφ で割れば,rot V]z が出ます.

このとき,dρやdφの1次までの近似とし,2次以上の微分は無視します.

また,点B→点Cの積分では,V_φ(ρ+dρ,φ,z)・(ρ+dρ)dφのようにρ依存性が入る事を忘れずに.同様に点D→点Aの積分では,V_φ(ρ,φ+dφ,z)・ρ(-dφ)です.

ここで,速度場を, \vec V(\rho, \phi, z) =V_{\rho}(\rho, \phi, z)\vec e_{\rho} +V_{\phi}(\rho, \phi, z)\vec e_{\phi} +V_{z}(\rho, \phi, z)\vec e_{z} としたとき, V_φ(ρ,φ,z) := V_{\phi}(\rho, \phi, z)

Re: 無題

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/11/25(Tue) 10:59)

\nabla f &\doteq \begin{pmatrix}\frac{\partial f}{\partial r}\\\frac{1}{r}\frac{\partial f}{\partial \theta}\\\frac{\partial f}{\partial z}\end{pmatrix}

だからといって

(\nabla\times\bm{v})_z &=\frac{1}{r}\frac{\partial v_r}{\partial \theta}-\frac{\partial v_\theta}{\partial r}\tag{not true}

にはなりません.(符号も違うように思うのですが,定義が違うのでしょうか?)

rotの計算においては,ベクトル成分だけでなく,基底ベクトルの変化の寄与も考慮に入れなければいけません.これを計算するにはストークスの定理を使うか,自然座標系を使うのが普通です.

2次元軸座標で

\mathrm{P}_1 &: (r - \mathrm{d}r/2, \theta - \mathrm{d}\theta/2)\\\mathrm{P}_2 &: (r + \mathrm{d}r/2, \theta - \mathrm{d}\theta/2)\\\mathrm{P}_3 &: (r + \mathrm{d}r/2, \theta + \mathrm{d}\theta/2)\\\mathrm{P}_4 &: (r - \mathrm{d}r/2, \theta + \mathrm{d}\theta/2)

となる4点を考えます.これらを結ぶ「長方形」上での線積分

\oint_{\mathrm{P}_1\to\mathrm{P}_2\to\mathrm{P}_3\to\mathrm{P}_4\to\mathrm{P}_1}\bm{v}\cdot\mathrm{d}\bm{r}&= \int_{\mathrm{P}_1\to\mathrm{P}_2}\bm{v}\cdot\mathrm{d}\bm{r}\\&+ \int_{\mathrm{P}_2\to\mathrm{P}_3}\bm{v}\cdot\mathrm{d}\bm{r}\\&+ \int_{\mathrm{P}_3\to\mathrm{P}_4}\bm{v}\cdot\mathrm{d}\bm{r}\\&+ \int_{\mathrm{P}_4\to\mathrm{P}_1}\bm{v}\cdot\mathrm{d}\bm{r}

を計算し,テーラー展開を \mathrm{d}r, \mathrm{d}\theta の一次の項まで実施してみてください.(ストークスの定理の証明と同じ手順です.) ( \mathrm{d}\bm{r} は長さの次元を持つことに注意してくださいね.ここがみそです.)

# あ,mNejiさんの解説とかぶってましたね.ごめんなさい.

Re: 無題

KEN さんのレス (2008/11/27(Thu) 20:46)

導出できました! みなさんありがとうございますm(_ _)m

Re: 無題

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/11/27(Thu) 23:02)

> みなさんありがとうございます

どう計算したか手順を書いてくださいな. 他の人の役に立つし,KENさんの次の質問も好感をもって迎えられるでしょう.