解析力学の本に, 「Lagrangianに近似を導入しておくと,各運動方程式の無矛盾性を気にする必要がなくなる.」 とあるのですが,運動方程式の無矛盾性っていうのはどういうことですか?
これだけでは何の事やら...
いえ,本当にこれだけしかなくて・・・. 解析力学を扱う利点のところに書いていました.
どなたの本ですか? それだけしか書いてないのなら,いずれきちんと説明している箇所があるのでは?
高橋康さんの「量子力学を学ぶための解析力学入門」です. 変分原理を説明したあとに,「Newtonの立場よりも解析力学の方がよいという能書きを列記しておこう」と書き, 上記のことを書いていました.(他には座標依存性とか) この本は一通り読んだのですが,その後そのことについては記述されていませんでした.
引用は完全にしましょう.元記事は不完全な引用で情報が欠落していました.(文章をみれば切るべきでないところで切っているのは明らかです.)
高橋康「量子力学を学ぶための解析力学入門」p.39 「 i) 解析力学では個々の粒子を別々に考えず,全系の一員として考える.力学系は,たった1つの関数Lagrangianによって完全に特徴づけられる. ii) このことはある近似を導入する場合,特に重要である.たった1つの関数Lagrangianに近似を導入しておくと,各運動方程式の無矛盾性をそれぞれ気にする必要はなくなるからである. 」
各粒子の運動方程式に,それぞれ勝手に,近似を導入すると,問題の前提(運動量保存則とか)を破る可能性があるが,「たった1つの」Lagrangianに近似を導入するのなら,その危険性は最小に抑えられる.
ということではないですか?
本当にすみません.ちゃんと引用するべきですよね. えーと,無矛盾性というワードが気になるのですけど・・・. 問題の前提が破れることは無矛盾性と関係あるのですか?
どの論理に対して矛盾か否か,を明らかにしていない以上,「無矛盾性」をどのような意味で使っているか,正確には分かりかねます.
教科書では,多粒子系を扱ってますから,例えば,孤立した(=外力がない)互いに相互作用する多粒子系の場合を考えればよいと思います.
この場合,系全体の運動量,エネルギー,角運動量が保存しますが,各粒子に作用する力を下手に近似すると,全体の運動量等が保存しなくなり,「孤立」という前提に「矛盾」します.しかしラグラジアンに近似を適用した場合は,少なくとも全運動量の保存(作用反作用則)は保証されます.