初めて投稿させて頂きます. 大学で初めて物理を勉強しているゆたと申します. 現在波動について勉強しており,波の重ね合わせと独立性のところで つまづいております.
いっぽんの綱に両サイドから逆位相の波をつくると,最初に中央で 山と谷が重なり合い,その際に重ね合わせが起こり波形が 一時的に平らになります.その後,波の独立性に従いそれぞれもとの 形に戻って進行し続けます.
ではなぜ重なり合った時に波は消えてなくならないのでしょうか. 重なった瞬間上下で向きが異なる復元力が働くのですから打ち消されてそのまま 波は消えてしまわないのでしょうか.
それについて同時線形微分方程式の解からうんぬんという見解ではなく 定性的な説明をして頂けるとありがたいです.
つたない説明で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします
波形が一時的に平らになったときは,すべての点の変位が0になっているわけですが,各点の速度は0にはなっていません. すなわち,変位が0になった瞬間でも,各点はそれぞれの速度で動いているため,次の瞬間には再び変位が生じるわけです.
変位だけの重ねあわせを考えると実に不思議な気がしますが, 媒質の速度も重ねあわされることを考えてみてください. 重なった瞬間,もちろん媒質の速度はゼロにはなっていません. 波動は, (1)媒質が受ける復元力 (2)媒質の慣性 の2つの要因で起こる現象です.したがって,ある部分において (1)復元力による位置エネルギー (2)媒質の運動エネルギー が常に交換しており,一方が小さいとき他方が必ずそれを補完しています. たとえば,右へ進む山と左へ進む谷がちょうど重なったときに,合成波の 右半分の媒質は上への速度をもっており,左半分の媒質は下への速度を もっていますね.媒質の慣性によって,やがて変位上では消えたように 見えるパルス波が復元されることになるのです.
あ,かちあっちゃいましたね.^^;
ゆたさん,初めまして.
とても興味深い質問ですが,同時に答えにくい問題でもあります.
一つ,波が重なってゼロになっていると解釈できるケースを示します.
ロープを重たい壁,点Pに取り付けて,自由端Fを振らします.当然,点Pでは,ロープの振幅はゼロです.
この場合,FからPに向かった入射波は,固定点Pにいって振幅が逆転して反射波になって,入射波と重ね合わさるので,常にP点ではゼロ振幅になりますね.
先のお二方と同じ事を言ってるかな....
【追伸:自由端での反射】
上の話の逆で,自由端での反射では,振幅は替わらずに方向が逆転することになりますから,自由端では常に振幅は2倍になるはずです.
そこで,インターネットで絵が在ると思い,「波反射自由端固定端」で検索して見ました.その中で,次の解説がありました;
波動分野の実験VideoClip, 波動分野の実験ビデオクリップ, 波動分野の実験映像, 豊田將章 ・h ttp://www.seifu.ac.jp/subject/physics/video/video_wave/video_wave.html
ご参考まで.
みなさま,お返事いただきありがとうございました.お礼を申し上げるのが遅くなり大変申し訳ありません.
ただ,やはりまだ一点気になります. 一本のロープではなく,ウェーブマシーンで考えた方が 説明しやすいかと思うのですが,ウェーブマシーンの両サイドから波がやってくるとき,媒質である棒の1本に注目すれば,その一本に対して上下逆さまの復元力,もしくは速度が伝わるので,結局打ち消されてしまわないのでしょうか.
棒の変位が0になった瞬間には復元力も0になっています. しかし,そのときの棒の速度は0でないので,慣性によってその速度の向きに動き続けます. その結果,次の瞬間には変位が生じ,同時に復元力も生じます.
変位の重ね合わせが可能なとき,復元力,速度もまた重ね合わせができることに気づかれたのは正解です.ただ,2つの波が重なったとき,もとの2つの波の媒質の速度を注意深く調べてください.ゆたさんが直感されたように互いに逆向きで大きさが等しくはなっていないのです.