物理の授業で出された問題です.意味が解りません.周りの人も解けない状態. 少し難問というのですが,どうしたらよいのでしょう. 素電荷の大きさをe[0]=1.6×10^(-19)[C]とする.陽子の電荷e[p]=+(1+10^(-12))×e[0],電子の電荷e[e]=-e[0]とする.このとき,水H[2]Oのみからなる,60[kg]の人の電荷Qは何クーロンになるか.ただし,水1分子には10(=1+1+8)個の陽子と10個の電子がある.中性子は電子がない.また,水1モルは18[g]である.また,いずれもこの電荷Qを持つ質点が二つ,距離1[m]離れているときにはたらくクーロン力はいくらか.また,この力は重力加速度g=9.8[m/s^2]の地上で,何[kg]の物体を持ち上げる力に等しいか.ただし,クーロンの法則の比例定数はk=9.0×10^9[N・m^2/C^2]である. これなんですが,どうしたらいいですか.どのような筋道を解決すればいいですか.教えてください.よろしくお願いします.
良く判らないのですが,この授業はなんという名称の講義なんでしょうか?
私の推測では,一般物理とか電磁気といった講義ではなくて,誤差論とか科学史とかいった講義のなかで出て来た概念を,具体的に例示する為に問題にされたとか....
手持ちの理科年表を見ると; ・素電荷 e = 1.60217653(14)*10^(-19) C とあります.したがって,その有効数字は,約7桁程度ですね.
とすると,陽子電荷が素電荷より過剰,e*10^(-12),とされているのは,どうなんでしょうね.一種の作業仮説のような気もします.
mNejiさん有難うございます. 物理学?(基礎物理学)という講義なんですけど,mNejiさんからみてもむずかしいのですか?私が解けるような問題ではないのでしょうか. ほんとどうしたらいいのですかね?
現在のところ,電子と陽子の電荷の絶対値には差はないと考えられています. この問題は,そのことについて考察させるための問題だと思います. 電子と陽子の電荷の絶対値自体は7桁程度の精度でしか測定できないので,両者に10^(-12)e[0]程度の差があっても,その差の存在はわからないように思われるかもしれません. しかし,実はそうではないことがこの問題のような簡単な考察でわかります. 実際,この問題の仮定に従って考えると,人は大きい電荷を持つことになり,その結果人と人との間にはとてつもなく大きい力がはたらくことになります. ところが現実にはほとんど力ははたらかないので,電子と陽子の電荷に10^(-12)e[0]程度の差があることはありえないことになります.
問題の考え方ですが,まず水60kgが何モルになるか計算します. 次にその中に含まれる電子数(=陽子数)を求めます. その数に10^(-12)e[0]を掛けたものが求める電荷Qになります.
Genさん,
>物理学?(基礎物理学)という講義なんですけど
普通の授業で,「陽子電荷≠電子電荷」と言う論議があると思い至らなかったので,背理法のような論議をするみたいだからと感じて,廻りくどい言い方をしてしまいました.説明不足で,ご免なさい.
yamaさんのご説明に従って具体的に計算されると,原子の電荷中性条件が如何に強い束縛条件となっているかを実感するとおもいます.このような問題を考えだされた教官の方に敬意を払わせて頂きます.
なお,私はこの問題を拝見した時に,重力や電気力が距離の自乗に反比例した事を知った時に,友人が何で「-2」の冪であって,「-2.00008」では無いのかと言われた事を思い出しました.その意味では,「陽子電荷=電子電荷=素電荷」というのも仮説の一つかも知れませんね.
yamaさん,mNejiさん,有難うございます. yamaさん詳細な説明,道筋(いくつかの段階)をたてて解りやすくしてくれて有難うございます. mNejiさん,2度にわって説明してくれて有難うございます. 本当に有難うございました. 早速再度チャレンジしたいと思います.