初めまして.高校2年の者です. 太陽光が海に降り注いだ時,深さによって届く光の波長が違うと聞きました. 具体的には,「赤い光は減衰し,青い光は散乱してしまうので,深海では緑色の光が主」だと言うのです. ただ,これだけの説明では納得いきません.なぜ減衰するのか,なぜ散乱(?)するのか,わかりません. どなたかご教授ください.それがもし数式によって定量化できるのならそれも教えていただけると幸いです.
Kさん,初めまして.
この問題は,簡単に定量化出来ないと思います.
「海太陽光吸収スペクトル」といった検索をすると,
・海の青さとH2Oの光学的性質についての研究 h ttp://www.center.osaka-wu.ac.jp/~buri/Student/2002_A.htm
といったサイトがありました.ご参考まで.
> 赤い光は減衰し,青い光は散乱してしまうので,…
そのようなことを知識として知ってはいても,私にはお尋ねに答えることができません.「吸光度の波長依存」 で検索したところ,
www.osaka-kyoiku.ac.jp/~rck/tsujioka.pdf などがヒットしました. ただ,これらを理解し納得するのはかなり大変!?!?
お二人の御紹介のサイトはまさに海が青い理由なのですが,Kさんの質問には別の面の疑問があるように見受けられます.おそらく光の吸収とか散乱という物理現象そのものの説明が必要なのかも知れません.ごく簡単にですが,高校物理の範囲で説明できるか書いてみます. まず,光そのものは波であると考えられます.青い波,赤い波は波長(振動数)が違います.海水は間単に水と考え,それは酸素,水素からなりますが,それぞれ原子核と電子からなります.原子核は異なりますが,電子は同じものです.ただし,水素と酸素では(電子の)数も全体の形(軌道と言います)も違います.光が水中に入るとその一部はこの電子(群)とぶつかります.波ですから,揺らすと考えてもいいです.この揺らし方は光の波長と物質(先の電子群)の種類によって強さが変わります.波の”共鳴”は習ったでしょうか.共鳴するときが最も強く揺らします.揺らすにはエネルギーがいりますから,光は逆にエネルギーを失います.これが吸収です.一方,ほとんど揺らさないが,跳ね返されることもあります.これが散乱です.揺らさないのでエネルギーの損失も小さいです.このようなことがくり返され,結果として吸収されやすい波長,散乱されやすい波長が別れます.今の説明で分かるでしょうが,目に入るのは散乱された光だけなので,青い光が残って見えるわけです.蛇足ですが,光は吸収されなくてもエネルギーを失うとどんどん波長が長くなり,目に見える光,可視光より長くなって,やがて見えなくなります.