はじめまして,ヒノッキーという者です.
最近,直流回路で接地する行為について調べていたのですが, ふと湧いた疑問があり,知恵をもらうべく,ここに投稿しました.
「接地した点は電位がゼロになる」とよく言いますが, もし,二点を接地した場合どうなるのでしょうか?
例えば,電源→接地→抵抗→接地→電源という回路を作った場合
抵抗間の電位はどちらもゼロになるはずなので,電位差ゼロで 電流は流れなくなるのでしょうか?
できれば結果だけではなく,どうしてなのかも書いてもらえれば嬉しいです. 単純なところで間違えてるかもしれませんが,返答よろしくお願いします.
ヒノッキーさん,初めまして.
問題が混線しているように思います.
(1)2点接地の疑問
地面を接地対象とすると,問題が難しくなりすぎだとおもいます.「実験対象の負荷」よりも十分に大きさの金属ボール位のイメージぐらいならどうでしょうか.
(2)回路の表現
仰る状況をもう少し具体的に書いてみようとすると,困りませんか?
mNejiさん返答ありがとうございます
(1)は実験対象より十分に大きい抵抗を並列につける という考え方でよいのでしょうか?
そうだとすると・・・ 「実験対象の抵抗に電流が流れるということは,抵抗で電圧降下が起きる.」 ということになると思うのですが, それだと「接地した部分は電位がゼロになる」 という考え方と矛盾しませんか?
(2)→接地点→抵抗→接地点→ ↓↓ アースアース という回路で考えているのですが・・・ すみません,どこが変なのかわかりません・・
どうも「接地すると電位がゼロ」という考え方がピンとこないので, こんな問題を考えています. 二点を接地したら,「接地すると電位がゼロ」ということが 成り立たなくなるのでしょうか?
「接地」というのは,幾つかの違う取り方がされているとおもいます.
(1)静電場の問題の場合
ある金属が静電場中に置かれた時には静電誘導を起こしますが,その条件を決め込む一方として,大きな静電容量をもつ金属とか地表などを利用するのだと思います.
地表から「アース」をしっかりと取るのは難しい様です.掘り方,アース電極の廻りの整え方にも依る様です.
(2)2相交流(AC100V)の接地
洗濯機などの家電製品で,万が一,人体に電圧が漏洩した場合に備えて,ACの一方は地面に対して接地(grand)していると思います.他方はホット(hot)といったと思います.
でも,日本のACプラグは,形だけアース線が付いているものの,配線がされていませんね.
>(2)→接地点→抵抗→接地点→ >↓↓ >アースアース >という回路で考えているのですが・・・
もう少し具体的に書くとすると,アースの無い場合では, <pre> 電源(+)ーーー[負荷抵抗]ーーー電源(-) </pre> ですが,接地を入れるというのは,どうする事でしょうか?
普通,「複数の接地」が引き込まれている事はないので,接地を取る場合, <pre> 電源(+)ーーー[負荷抵抗]ー┬ー電源(-)
|
接地端子 </pre> では?
>普通,「複数の接地」が引き込まれている事はないので,接地を取る場合, > >電源(+)ーーー[負荷抵抗]ー┬ー電源(-) >接地端子 > >では?
どこで見たかは,忘れましたが,
電源(+)→接地点→[負荷抵抗]→電源(−) ↓ アース
という回路を説明していたところがありました. そのとき,接地点では0Vなので,電源の電位差が100Vなら 電源(+)のアースに対する電位は0V 電源(−)のアースに対する電位は−100V という説明をしていたので, 接地する点はグランドの部分以外でも構わないと思ったのですが, この説明が誤っているのでしょうか?
>接地する点はグランドの部分以外でも構わないと思ったのですが, >この説明が誤っているのでしょうか?
これは,電源のアース端子と,電源の出力端子が電気的に浮いている場合ですね.二つの電源で,正負の電位を同時に発生させたい場合; ・一つの「-端子をアース端子」に接続し,出力を5Vとし,+端子をP端子と呼び, ・他の「+端子をアース端子」に接続し,出力を10Vとし,ー端子をN端子と呼ぶと, ・両者のアース端子を共通にすれば,アース端子からみて,P端子は+5V, N端子は-10Vになります. ・当然,P端子は, N端子から見ると+15Vの電位差を持つように見えますね.
さらに上記のアース端子を接地するのは可能でしょう.
アースする位置に束縛はない→アースしても回路に影響はない(?) つまり,アースした部分から,電流は流れ出ないのですよね? (当然かもしれませんが・・) それならば,二地点を接地した場合でも,電流は接地しない時と 同じように流れるので,回路として成り立たないとはどうしても思えないのです.
「普通」しないのは分かっていますが, この回路が「成立しない」わけではないですよね?
「成立する」時,”接地した点は0V”というルールは どう考えればよいのですか?
また「成立しない」時,つまり回路に電流が流れない理由があるのなら 前提として間違っているということなので,解決するのですが・・・
抵抗と並列に電気容量∞のコンデンサーを繋いだものとして考えられるのではないでしょうか??
そうなれば電流は0となる気がしますが,あまり自信がありません
>「普通」しないのは分かっていますが, >この回路が「成立しない」わけではないですよね?
ですから,お考えになっている状況を普通の回路図の形式にかいて頂けないと,なんで大丈夫なのか,私には想像がつきませんが,可能性があるなら,是非とも明示下さる事をお願いします.
先にお書きした正負の電源の場合でも,それぞれの電源では,どちらか 一方の端子にのみに”1つの接地端子”が接続しているだけです.1つの電源の両端子にそれぞれ”接地端子”を付ける物理的な意味を私は理解できません.
mNejiさん,DIOさん考えてくださってありがとうございます. 自己解決しました.
アースを取るという行為は,本当は安全のためのはずですが, 机上では,「電位の基準を決める」ためにする行為だということを 忘れていました. 基準を決めるためにアースするのに,基準が二つ存在したらまずいですよね.
やっぱり電流は流れるとは思いますが, その時は,どちらを基準にするのか明記すればいいだけの話でした.
例えば・・・ 起電力100ボルトの電源を使って, 電源(+)→アース1→抵抗→アース2→電源(−) という回路を考えたとすると, アース1を基準にして考えたとき・・ 電源(+)は0V 電源(−)は−100V アース2を基準にして考えたとき・・ 電源(+)は100V 電源(−)は0V
として分けて答えればいいんだと思います.
なぜ,0Vと規定できるのかはまだ疑問ではありますが, そこは自分でまた調べてみようと思います.
どうも付き合ってくれて,ありがとうございました.
同時でしたね・・・ mNeji さん,すみません・・・
mNejiさんは多分,アースとグランドを同じものとして 考えてるのではないでしょうか?
これまたどこに書かれていたか忘れましたが
グランドは負荷を流れきって電源に帰っていく部分のこと, それに対してアースは, 回路の途中で枝分かれさせ,一方を地面などに接地させること, と説明してる所がありました.
確かにグランドは1か所しかないので,2点接地はできませんね. そんな回路は不可能です.
でも,高校の教科書などで載ってるのは, アースのほうで,僕はこっちで考えてました. 最初に明示しなくてすみません・・・
どちらも基準をとるという行為で使われるので, 同じ記号で書かれてるのだと思います. 確かに,グランドを基準に取ったものが一番考えやすいですからね.
DIOさん,以下は僕が考えている事なので正確ではないと思いますが, 良ければ読んでください.・・・結構長いです
静電場のときも「接地する」って言いますよね? その時,指などを通して電子が移動すると考えて解いているはずです. アースしてても,ほかに通り道がなければ,そこを電子は通るのです.
さて,回路のときですが,アースしてもそこから電子は出てこないと 習ったはずです. なぜか?それはアースした地点より抵抗の低い道があるからです. これより,接地点では「電圧降下0で導線に電流が流れる」ので, この地点を電位0Vと基準しよう,ということなのだと思っています. (この部分が,僕も悩んでいるところでした. (しかし,アースした地点を十分引き離せば,アース間で電流は (流れないはずです.ならば,回路の抵抗に電流が流れることになるので, (「接地したら電位がゼロになる」ではおかしいと思い,こう書きました. 電圧降下のある点を基準とすることはできませんよね? たとえば,前述の抵抗の電圧を基準しようとしたら, 基準が0〜100の幅をもってしまうことになる. だから,電圧降下がゼロの点を接地することで明示して, そこを基準としているのではないでしょうか?
つまり,机上ではアースする必要はなく, この点の電圧をゼロとする,と言ってしまえばいいのだと思います. わざわざ書いているのは,どこを基準にしているのか, すぐにわからせるためなのでは?
最後に,電位差がゼロに「なる」から, 接地点で電流が流れないのではないはずです. 外の環境と回路内で,電位差は存在します. ただ,「周りの抵抗が大きいから電流が流れない」だけです. 水の中に入れたら壊れた,とかよく言いますよね. あれはおそらく,アースした方の抵抗が小さくなって, 電流が外に流れたからなのではないでしょうか.
最後の説明に根拠はありませんが,僕はこう考えています.
>起電力100ボルトの電源を使って, >電源(+)→アース1→抵抗→アース2→電源(−) >という回路を考えたとすると,
将来,実験室に2つの独立した接地端子が合った場合,上の様な接続をされる可能性が高そうなので,私見を述べます.
お書きになっている書式は普通の回路図では有りませんね.従って,私の推測で普通の回路図を書いてみます.
●1負荷抵抗だけの場合● <pre>
電源 ┌─┐ │+├─────┐ ││┌─┴─┐ │G├┐ │ 負荷 │ │││└─┬─┘ │ー├┴────┘ ││ └─┘ </pre>
#Gは電源回路のグランド. #一般の回路には,ケース・グランド,回路グランドが別の場合もある. #詳しくは,専門家の方にお聴き下さい.
#負荷の動作は,余程なことが無い限り,負荷の両端に掛かる電位の差で決まるので, #上記の設定で始め,どうしても外部からの外乱が大きい時に,次の接地を行う.
#G端子を+端子と接続するのも,原理的には可能.
●2ー側に接地端子1を接続した場合● <pre>
電源
┌─┐ │+├─────┐ ││┌─┴─┐ │G├┐ │ 負荷 │ │││└─┬─┘ │ー├┴─┬──┘ │││ └─┘│ │ │ ■ 接地電極1 </pre>
●3ー側に接地端子1を接続し,+側に接地端子2を接続した場合● <pre>
電源 ┌────────┐ ┌─┐││ │+├──┴──┐│ ││┌─┴─┐│ │G├┐ │ 負荷 ││ │││└─┬─┘│ │ー├┴─┬──┘│ ││││ └─┘││ ││ ││ 接地端子1接地端子2 ││ ││ ││ ■=地中での抵抗=■ 接地電極1接地電極2 </pre>
各接地電極と地中との接触抵抗,地中での抵抗とが接地端子1と接地端子2の間に来ます.言うならば接地端子間抵抗というべき値が,負荷に並列に入ります.
接地電極の接触抵抗は数〜数十Ω程度として,地中の含水率が高ければ接地端子間抵抗抵抗が低くなって,なんの実験になるのか判りません.
回路図を書いてくださり,どうもありがとうございます.
極端な話ですが,二つの接地電極が地球の反対側にあったとしても, 接地端子間抵抗は低いままでしょうか? それに,この世界にいたるところにある接地した点の間で, 電圧がかかってしまうと,てんやわんやの大騒動になると思うのですが・・・
接地したのなら,二つの接地点は相互に影響しない距離に 離さなければ意味はありません.
あと,研究室事情はよく知りませんでした. すべて,自分の家で考えてたことでしたので, そんな回路を組んでたら,僕死んでますね・・・
>それに,この世界にいたるところにある接地した点の間で, >電圧がかかってしまうと,てんやわんやの大騒動になると思うのですが・・・
結局,地球の大きさと,大地の地表近傍に水分が程々に有る事に感謝しましょう.
また地球のコアを除くと,金属は無く,岩石が主体なので,ある程度はなれた所は,抵抗値の為に霞んでしまうのでしょうね.
>接地したのなら,二つの接地点は相互に影響しない >距離に離さなければ意味はありません.
良く判りませんが,接地が問題になって来た時には,丁寧に回路図を書いて検討しましょう.
昔,精密測定をしていて,朝早くにゲイン変動が起こりました.信号のシールド,接地とかライン電位を疑ったもの結局,近くを通っている一番電車による電位変動が原因でありました.
>結局,地球の大きさと,大地の地表近傍に水分が程々に有る事に感謝 >しましょう.
少し突っかかりますが,それはおかしいですよ. 十分な抵抗があったから接地したのでは? 抵抗が低ければ接地しようと考える人間など最初からいませんよ.
その意味では確かに,地球に感謝です.
回路図のほうは・・・すみません. 今度から気を付けます.
回路内の実験対象の抵抗に比べて,その実験に影響をきたさないほど 抵抗の大きい場所に,安全のために接地した. この場合,先ほどは地球と言いましたが,
>地表から「アース」をしっかりと取るのは難しい様です.掘り方,アース電極の >廻りの整え方にも依る様です.
でしたよね.地球にそのままアースを取るのは安易でした.
ついでに質問です. なんで接地したら,漏電などの危険が少なくなり,安全性が増すのですか? どうもこの辺りがよくわかりません.
>回路内の実験対象の抵抗に比べて,その実験に影響をきたさないほど >抵抗の大きい場所に,安全のために接地した.
「接地」の意味からすれば,大きな静電容量と,そこそこの電気伝導性がある(そこそこに抵抗が低い)のが良いと思います.
No.21478の「例3」は,一つの電源の+端子とー端子に同時に2つの接地をする,言うならば「奇妙なセッティング」をする時の話として上げたのです.
>>地表から「アース」をしっかりと取るのは難しい様です.掘り方,アース電極の >>廻りの整え方にも依る様です. > >でしたよね.地球にそのままアースを取るのは安易でした.
「地表と電気抵抗が低い値であるアース電極を準備するのは難しい」と言いたかったのです.決して,この抵抗が高い方が良いとは思っていません.
>ついでに質問です. >なんで接地したら,漏電などの危険が少なくなり,安全性が増すのですか?
例えば,電気洗濯機で,単相AC100Vのホット側の線が漏洩して,どこかの表面金具に電気的に接触したとします.人が,その金具に触れば,感電します.
ところが,本来的にヒトが触る可能性のある金属部が接地してあれば,漏洩した段階で,内部的にショートが発生してヒューズが飛ぶとかブレーカが落ちる事で,人に被害を与えないのだろうと思います,...恐らく.
返答ありがとうございます. 確かに,ゴムのような絶縁体では,接地の意味がありませんでした. 適度に大きい抵抗と言ったほうがよかったです.
mNejiさんとは,現実的にこんな奇妙な回路ができるのか? を話してきたと思っています.
頭の中で曖昧なまま投稿したのですが, この問題をどう聞けばいいか整理できました.
この回路に物理的な意味がないのは当然かもしれません. 僕は,もともと接地したときに電位がゼロに「なる」のか, それともゼロと基準「する」のかを考えるために, 頭の中で,この回路を組んでみればわかるかもしれないと思い, 組んでみました.
そして, 抵抗間に電流が流れない→ゼロになる 抵抗間に電流が流れる→ゼロにする
ということになると思い,どちらなのか答えをもらうべく ここに投稿しました.
ここでもう一度質問させてください.
回路図は,mNejiさんが書いてくださった,No21478の例3の時です. このとき,二つの接地端子は相互に影響しないほど十分に離れているとします. (離れていなければ,それは接地ではなく電気容量が無限大のコンデンサーになってしまうから)
この回路には,電流は流れるのでしょうか? それとも流れないのでしょうか?
一度は自己解決し,解説まで書いているのですが, 自分の出した結論が少し不安になりました.
昨日書いていたことはかなり変でした,すみません忘れて下さい.
そもそも一点だけで電位が決定するなんてことはあり得ませんよね. ヒノッキーさんの言っている事が正しいと思います.
失礼しました.
>この回路に物理的な意味がないのは当然かもしれません. >僕は,もともと接地したときに電位がゼロに「なる」のか, >それともゼロと基準「する」のかを考えるために, >頭の中で,この回路を組んでみればわかるかもしれないと思い, >組んでみました.
ようやく本論について論議出来ますね.静電誘導と電位について考えます.
●静電誘導と接地物体
小さな物体,例えば電荷の無い状態の「箔検電器」に帯電した物体(電荷+Q)を近づけるとします.帯電した物体に近い所に電荷-qが誘導され,遠い所に電荷+qが誘導されます.帯電物体が運動する時には,箔検電器の内部に,静電誘導の電荷が右往左往する事になります.
ところが,上の状態でも,箔検電器を大きな金属物体,縦横10cmぐらいのアルミ版に接地すれば,+qの大部分は金属物体に吸収されてしまいます.逆にいえば,検電器に入射する外部電場に釣り合う静電誘導-qが生じるだけで,その逆電荷+qは,アルミ板が(事実上)幾らでも引き受けてくれる訳です.従って帯電物体が運動する時には,箔検電器の内部で静電誘導の電荷が右往左往するのは,だいぶ減少するでしょう.
勿論,極端な話,ヒトが手にもって実験する程度ならば,「アルミ板」を「人体」としても,成り立ちます.原理的には「サイズが大きく」「適度な電気伝導度」があれば良い訳です.
●電位と閉回路の電流
私も,一度に上手く説明出来る自信はありません.電流が流れる回路は何らかのいみで閉じています.例えば,
<pre>
電源 I ┌─┐ → a │+├┬────┐ │││┌─┴─┐ │G├┘ │負荷=R│ ││└─┬─┘ │ー├─────┘ ││ b └─┘ </pre>
負荷Rに流れる電流Iは,負荷の両端に加わる電位の差,Va-Vbに比例するのですね.
電源の設定で,Gからみて,+電源端子はゼロ電位,ー電源端子は-50Vとすると,
Va-Vb = 0V-(-50V) =50V
I = (Va-Vb)/R = 50V/ R
とか.回路を流れる電流を駆動するのは,絶対電位ではなくて,相対電位であることが本質的です.上のばあい,G点からみた電位で言えば,ゼロ電位Vaから電流が流れ出して,負電位Vbに流入下とも言えます.
「電源」とはそのような電位差を生みだす手段であって,電気化学的な反応を利用した電池であったり,自転車のダイナモのように力学エネルギにより発電したりといろいろ有ります.
外部からの電場侵入を防ぐというような接地が必要ない場合には,接地の有無に関係なく回路の動作はおこると思います.
DIOさん,どうもありがとうございました.
mNejiさん,
>電源の設定で,Gからみて,+電源端子はゼロ電位,ー電源端子は-50Vとすると,
このとき,+電源端子は,絶対電位(おそらく,地表を0Vとした電位)に 対して,ゼロ電位なのでしょうか? それとも,相対的にここをゼロと基準しようということなのでしょうか?
また,こんな問題も考えてみました. 回路図はNo21488で書いてくださったものと同じものです. まず,起電力を0Vとしたら,これは静電誘導の問題になるので,回路全体の電位は地表と同じ0Vとなると思います.
その後で起電力を50Vに上げた場合, これは,基準自体が50V上昇した,と考えるのか,→ゼロと基準「する」 それとも電源が50V電圧を下げた,と考えるのか,→ゼロに「なる」 どちらなのでしょうか?
>このとき,+電源端子は,絶対電位(おそらく,地表を0Vとした電位)に >対して,ゼロ電位なのでしょうか? >それとも,相対的にここをゼロと基準しようということなのでしょうか?
本当に厳密な話をするには,用いた電源回路の設計に依存するとします.そこで,論議を簡単にするために,一般的な電源を止めて,電池によって回路を駆動することにします.
●図4 孤立した電池駆動の単純回路● <pre> 電池 I ┌─┐p → a │+├─────┐ ││┌─┴─┐ ││ │負荷=R│ ││└─┬─┘ │ー├─────┘ ││n b └─┘ </pre>
この場合,4つの場所の静電ポテンシャルVp,Va,Vb,Vnの絶対値は確定しているとは思えません.地上で実験しているとしたら地表の電位に近いとはおもいますが連動していませんね.
この実験系を動作させながら,種子島から人工衛星として送り出す事も可能ですね.もはや,この実験系の静電ポテンシャルを「種子島の地表電位」と関連させる事は無意味ではないでしょうか.
●図5 接地した電池駆動の単純回路● <pre> 電池 I ┌─┐p → a │+├─────┬─────┐ ││┌─┴─┐│ ││ │負荷=R││ ││└─┬─┘│ │ー├─────┘│ ││n b │ └─┘│ │e ■ 接地電極1 </pre>
仮に,接地(e)を負荷の(a)に接続しましたが,他のいずれから接地しても事情は変わらないと思います.
>回路図はNo21488で書いてくださったものと同じものです. >まず,起電力を0Vとしたら,これは静電誘導の問題になるので,回路全体の電位は地表と同じ0Vとなると思います.
上の図4の場合でも同じですが,閉回路が直接地表に接地されていない限り,地表電位と等しいという事はできないと思います.
>その後で起電力を50Vに上げた場合,
私は単純に,「電池起電力,Vp-Vn」を0Vから50Vに上げたと考えます.
〜〜〜〜 ★ ちょっと話がそれます.ある関数f(x)がある時に,その「不定積分F(x)」が理解しずらかったと思います.ところが,定積分は面積みたいなイメージがあるので素直に理解出来ました.
★ 静電気のクーロンの法則でポテンシャルを導入する時に,無限遠方のポテンシャルを基準しますが,特別の意味があるかと悩んだ気がします.何で点電荷のポテンシャルを原点基準で考えられないかとか.
>私は単純に,「電池起電力,Vp-Vn」を0Vから50Vに上げたと考えます.
このとき,電源を50Vにしたから, アースした先の地面の電位が50V上昇するようなことはありまえせんよね.
これより,
よく回路の問題で,アースした先は電位がゼロだから, ア−ス部分と電子の移動は起きないので, 接地点は電位がゼロになると説明していることを見かけますが, これはおかしいと思うのです.
電位差がないから,電子が流れないのではなく抵抗が大きいから 電子が流れ出ないのですよね.
机上でアースを取るという行為は,基準を定めるためで, それは必ずしも外の環境の電位と一致しない. ・・・てことでまとめていいんですかね?
>静電気のクーロンの法則でポテンシャルを導入する時に,無限遠方のポテンシャ >ルを基準しますが,特別の意味があるかと悩んだ気がします.何で点電荷のポテ >ンシャルを原点基準で考えられないかとか.
僕もその経験があります. ポテンシャルって最初はなかなか飲み込みづらいですよね. 無限遠までとばすのになんで有限の値が出るんだ〜とか,高校の時叫んでました. まぁいまでは,ある程度理解してるつもりではありますが・・・
>このとき,電源を50Vにしたから, >アースした先の地面の電位が50V上昇するようなことはありまえせんよね.
それは無いですね.そんなに地表を簡単に充電できたら凄いです.最近は,真夜中にも大きな落雷が頻発しています.近くで落雷がおこり,我が家の窓ごしにも明るい閃光が見え,ガラスの割れた音が聞こえましたが,インターネットもTVも正常でした.
#そういえば,ここ数年,落雷がしても,停電が皆無ですね.きっと改良がされているのでしょう.
>よく回路の問題で,アースした先は電位がゼロだから, >ア−ス部分と電子の移動は起きないので, >接地点は電位がゼロになると説明していることを見かけますが, >これはおかしいと思うのです.
そのような説明は可笑しいですね.静電誘導の観点から,静電誘導の逆電荷が逃げ出す先が接地物体なので,むしろ積極的に電荷の授受ができるのが大切だとおもいます.当然の事ですが,この「電荷の授受」がスムーズに行われる為には接地物体との電気抵抗がそこそこに低いことも必要です.これは,次の漏電防止の場合とも共通でしょう.
>電位差がないから,電子が流れないのではなく抵抗が大きいから >電子が流れ出ないのですよね.
此れには異論を持ちます.特に,感電(漏電)防止の場合,漏電している部分にヒトが手を触れて感電する前に,本来漏電してはならない部分を接地しておく事で,機器の内部でショートを起こさせて,ユーズを飛ばすとか,ブレーカを落とす事で「ヒトの感電を防ぐ」のだと思います.接地電極やそれまでの電線を含めて,十分に電気抵抗が低い事が重要でしょう.
一時期,水道の配管をアースに取る事が多かったと思いますが,鉛配管の劣化,塩ビ配管への転換などで不適切な接地も多かったのだろうと思います.
>机上でアースを取るという行為は,基準を定めるためで, >それは必ずしも外の環境の電位と一致しない. >・・・てことでまとめていいんですかね?
本当に基準を必要としている事例を思いつきません.宇宙線の観測で,大きなサイトで,多数の計測機器を同時に運行する場合なども有るでしょうが,多数の計測センサごとに計測し,処理データを一括処理するのでしょうし,雑音に悩ませられれば,光を使った伝送系を使えば,基準電位てきな問題はないように思います.
むしろ,宇宙飛行士さん達に,日常的に使っていた「ウォークマン」なり「iPod」が飛行船のなかで動いたかどうかを質問した方が面白いでしょうね.
>無限遠までとばすのになんで有限の値が出るんだ〜とか,高校の時叫んでました. >まぁいまでは,ある程度理解してるつもりではありますが・・・
ははは.
おそらく最後の質問です.
回路内の電子は,なぜ抵抗の低いアース接地の方ではなく, 実験対象の負荷抵抗に流れるのでしょうか?
並列回路でも,抵抗の低いほうに多くの電流が流れますよね? 地表と回路内では電位差があるとして考えていると, アースした部分に電流が流れ出てしまうような気がするのですが.
だから,抵抗は大きいものと考えていたのですが, やはり,電位が地表と同じゼロになるから流れ出ないのでしょうか?
・・・もしかして,抵抗が低いとは,抵抗率のことを指しているのですか? 電気容量が大きく,抵抗率の低い物質でも,体積(?)の大きいものであれば 抵抗は大きくなるから流れない,ということなのでしょうか?
>本当に基準を必要としている事例を思いつきません 確かに,現実としてアースは安全のために取るので基準を決める事例は ないですよね. でも高校の問題のように,机上で完結してしまう問題によく出てくるんです. それで(僕を含め)混乱している人が多く,ここに投稿して聞いてみたのです.
>回路内の電子は,なぜ抵抗の低いアース接地の方ではなく, >実験対象の負荷抵抗に流れるのでしょうか?
簡単に言ってしまえば,回路内の電源から見て,負荷には「行きの線」と「帰りの線」とで繋がっています.所が,接地側には「一つの線」でしか接続してません.もし接地を複数の線で取ると,No.21478の●3で示した様な,奇妙な配線をする事になります.
逆に言えば,感電防止というのは,此れに類似した状況を作ると考えることができそうですね.
他方,外部電荷とか外部電場の影響を少なくする,電場のシールドでは,静電誘導電荷の出し入れに使えればいいので,「一つの線」で機能するのはお分かりですね.
>だから,抵抗は大きいものと考えていたのですが, >やはり,電位が地表と同じゼロになるから流れ出ないのでしょうか?
「外部電荷とか外部電場の影響」の物理的イメージは「箔検電器」だと思います.箔検電器には,起電力のある機構は存在しません.静電誘導を起こした「-qの部分」と,それと離れた部分に起こる「+qの部分」は,外部の要因と含め,電荷相互のクーロン力による再配置にしたがって運動するわけで,「起電力のような機構」とはほぼ独立に静電誘導を起こすと理解しています.
勿論,「外部電荷とか外部電場の影響」が時間的に一定になる,いわゆる「静的な状況」になれば,回路の接地点の電位と,地中の接地電極での電位は等しくなるとおもいます.
>でも高校の問題のように,机上で完結してしまう問題によく出てくるんです. >それで(僕を含め)混乱している人が多く,ここに投稿して聞いてみたのです.
現実に「雑音を低減する状況」は結構有ると思います.色々な方法を用いるとおもいます.大きなシールド・ルームを作り,静電遮蔽や静磁遮蔽を施し,AC→DC→ACとして商用電源から切り離すなどあると思います.
もし,高校の問題などで混乱しそうな部分があれば教えて下さい.数社の教科書は入手しているので,一緒に考えたいと思います.
すいません,もう一つ質問です.
>負荷には「行きの線」と「帰りの線」とで繋がっています
回路を流れている電流がその先に「帰りの線」があるかどうかは, そこに流れてみないとわからないと思うんです.
No21494の図5で言うと,ちょうど電流がa地点に差し掛かった時に アース端子側では,地表との電位差があり, 負荷抵抗側では,−電源との電位差があります. その地点では,どちらも電位差の存在する似通った状態になっているはずです.
なのになぜ電流は負荷抵抗の方のみに流れるのでしょうか? この話だけを聞いていると, 僕にはまるでその先に「帰りの道」があると電流が「知っている」かのような 気になってしまうのですが・・・
↓以下は,一度前に議論したことの蒸し返しです・・・
>接地側には「一つの線」でしか接続してません.もし接地を複数の線で取ると, >No.21478の●3で示した様な,奇妙な配線をする事になります.
接地した先がつながって,片方が「帰りの線」の役割をしてしまったら, 確かに奇妙な配線になると思います. しかし,十分な電気容量を持った二つの金属球にそれぞれ接地し, 相互に影響しない距離に離したとすれば, mNejiさんの言葉を借りるなら,どちらも「行きの道」のみで, 「帰りの道」がないから,アース端子側に流れることはないのでは?
実際相互に影響しない距離を取るのは「現実的」には難しいことは前までの議論で 分かっていますが,仮にその状況を創れたとして, そこまで奇妙な回路になるのでしょうか?
運動をしながら,のほほんと考えていました.ヒノッキーさんの論議にも良い所があるように思います.逆に言えば,私の論議は,部分的に分割して適用するべき所が一緒くたになっているようです.
>回路を流れている電流がその先に「帰りの線」があるかどうかは, >そこに流れてみないとわからないと思うんです.
回路は閉じた線路が絶対に必要です.行きも,帰りもあるから,閉回路中に電場が走り,それに電子が駆動されるというイメージです.
問題は,外部電場が回路に直接に静電誘導を生じる場合を想定しましたが,これは無理筋でしょうね.参りました.恐らく,「外部電場による静電誘導」への対処は,回路のケースを接地する事による静電遮蔽(シールド)効果として考えるべきだと思います.この場合,「外部電場による静電誘導」で生じた電荷は,正負の誘導電荷がクーロン力が小さくなるように配置して行くイメージでいいと思います.
回路の接地には「電源廻りの接地」と「回路の機能部分の接地」とに分けられると思います.「電源廻りの接地」の中でも,電源トランスの一次側は今回論議している「接地」で良いと思います.回路の機能部分の接地は実際の状況によって,むしろ接地しないで浮かす事もあると思います.ただし,回路グランドや電源ラインからコンデンサを経由して「電源廻りの接地」に交流成分を落とす事はあると思います.
#私は,回路設計を自分でした事が無いので,詳しく知りたければ,専門家の方にヘルプを出されてください.
>しかし,十分な電気容量を持った二つの金属球にそれぞれ接地し, >相互に影響しない距離に離したとすれば, >mNejiさんの言葉を借りるなら,どちらも「行きの道」のみで, >「帰りの道」がないから,アース端子側に流れることはないのでは?
ここら辺は,イメージが湧かないです.具体的な回路図にされたら,喜んで考えさせて頂きたいと思います.
いろいろと考えてたら,返信遅れました.
オームの法則から,電流は抵抗と電位差に関係して流れることが分かっています. 単純に考えれば,抵抗が果てしなく大きいか,電位差がなければ電流は 流れないので,このどちらかが原因で流れないはずです. mNejiさんは電位差をなくす方で考えていると思います. こちらの最も簡単な解決法が,「接地したら電位がゼロになるから」. だと思うのです.
しかし,今回は電位は外部と一致するわけではない,ということを 前提にして考えています. なので,接地したときに電位差は存在しなければいけません.
この電位差を他の道具(ケース)を使ってなくそう,とmNejiさんは 考えたのだと思います. しかし,他の道具が必要ならば,それを回路に明示しなければならないはずです. 現実にそれはされていないので,接地以外の道具は使っていないと思うのです.
ということは,抵抗が果てしなく大きいから,電流が流れないということか, 接地の前提が違うかの二択です.
ここで,抵抗が大きいという路線は成り立ちそうにないので, 前提が違ったのではないか・・・と思うようになってしまいました.
しかし,それならば新たな疑問が生じます. No21492であげた,起電力の話です. 接地することで電位差がゼロになったと考えるなら, このとき電源は,電圧を50V下げたことになります. これはどう説明すればいいのでしょうか? ここで詰まってしまいました.
二択の部分で僕は前提が違う側をとりましたが, 抵抗のほうで考えるなら,起電力の方は考えなくていいです.
長くなったので,回路は次に付けます.
>オームの法則から,電流は抵抗と電位差に関係して流れることが分かっています. >単純に考えれば,抵抗が果てしなく大きいか,電位差がなければ電流は >流れないので,このどちらかが原因で流れないはずです.
閉回路の部分,言うならば,機能部分の説明としては,これで良いとおもいます.なお,回路の中で,電流が幾ら走ろうと,構成原子と構成電子との電気的中性条件が有り立っています.またコンデンサでは,局所的に電荷の偏在が起こりますが,常に正負の電荷は対を成していて,回路のサイズ程度では,十分に電気的中性条件が保たれます.
でも,閉回路の外部から侵入してくる電場(以下,外部電場と略称)が回路に侵入すると,箔検電器の事例で説明した様に,電荷の偏在を起こします.これらは長距離の相互作用のクーロン力が最小化するような方法で決まるのだろうと思います.この影響を少なくするには,遮蔽金属と接地が有効なんだと思います.
問題は,接地先の絶対電位が外部電場の遮蔽にどれだけ意味が有るかでしょうか.私には,「接地する物体の幾何学的大きさが大きく,そこそこに伝導性がある,勿論金属でもよい」だけで,その絶対電位には依らないと思います.
少なくとも,上にかいた条件では,回路から外部電場に誘導された電荷の片割れ電荷は接地物体に流れ出すわけですが,事実上いくら電荷が流失しても電位が変わらないくらいに幾何学的なサイズが大きいのでしょう.その典型として地球規模のサイズを持って来ているだけだと思います.
#箔検電器の実験位なら,人体が接地体として作用することが判りますね.
>しかし,他の道具が必要ならば,それを回路に明示しなければならないはずです. >現実にそれはされていないので,接地以外の道具は使っていないと思うのです.
最近は,実際の回路図を見ていないので自信はありませんが,グランドだけでも幾つかの使い分けをしています.まして増幅率の高い(プリ)アンプなどを調整する場合は,ケースを基に戻さないと雑音が高すぎて困るという事実に直面します(泣).
>No21492であげた,起電力の話です. >接地することで電位差がゼロになったと考えるなら, >このとき電源は,電圧を50V下げたことになります. >これはどう説明すればいいのでしょうか? >ここで詰まってしまいました.
図4,5について話します.初め図4の状態でいる時でも,電池起電力をφとすると ・φ ≡ Vp - Vn, ・Va = Vp, Vb = Vn, が言えているだけなので, ・φ = Va - Vb, 故に ・Vb = Va - φ,
この関係は,図4から図5に行っても変わらないと思います.電源は,
[1]点bの電位を,点aの電位から起電力φ分,引き下げる [2]点bの電位から起電力φ分,引き上げて,点aの電位とする
と考えていいのでは?
ただし,このように機能部分に直接接地を取ると,図5の「a~e」の部分は,ある意味では,アンテナにもなっているのに気づきました.そこで「ケースの接地」と説明を変更しました.
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私は,ゆっくりとした論議しか出来ません.もし,先を急がれているならば,専門家の方々にヘルプを出された方が良いかも知れません.
〜〜〜〜〜 追伸:
yahoo検索(航空機回路遮蔽)をしました.
・宮崎技術研究所の技術講座「実用ノイズ対策技術」 2.信号のモード h ttp://my1.interlink.or.jp/~md0858/series2/noise021.html
ご参考まで.
mNejiさん,ここまで話に付き合ってくれて,どうもありがとうございました.
接地するのにも用途に分けて,いろいろな種類があることがよくわかりました. 専門のかたにも話をきいて,自分でもっと勉強してみます.
ヒノッキーさん,私にとっても良い経験でした.
外部雑音のイメージはあっていると思いますが,現実の実装上で詳しく経験しているのではないので,完全な理解とはほど遠いと思います.必要に応じて,ガッチリと解釈を育てて下さい.