ラグランジュ方程式と変分

ラグランジュ方程式と変分

digi さんの書込 (2008/08/13(Wed) 16:58)

ラグランジュ方程式を変分を使って導出する方法がありますよね? 物理量 F(x,\dot{x},t) について,

I[x]=\int_{t_1}^{t_2}F(x,\dot{x},t)dt \\I'[x']=\int_{t_1}^{t_2}F(x',\dot{x'},t)dt

(ただし, x'(t)=x(t)+\varDelta x(t), \varDelta x(t_1)=\varDelta x(t_2)=0 ) と定義する.変分 \delta I=I'-I は, \varDelta x/x の2次の項以上は非常に小さいとして無視すると,

\delta I&=\delta \int_{t_1}^{t_2}F(x,\dot{x},t)dt \\&=\int_{t_1}^{t_2} \{ F(x+\varDelta x,\dot{x}+\varDelta \dot{x},t)-F(x,\dot{x},t)\}dt\\&=\int_{t_1}^{t_2} \biggl( \frac{\partial F}{\partial x}\varDelta x+\frac{\partial F}{\partial \dot{x}}\varDelta \dot{x} \biggr)dt

↑は参考書の内容です. ここでわからないことがあって,2行目から3行目への変形はどのようにしたのでしょうか?「 \varDelta x/x の2次の項以上は非常に小さいとして無視すると」というのがよくわからないのですが.

Re: ラグランジュ方程式と変分

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/08/16(Sat) 18:43)

> \delta I&=\delta \int_{t_1}^{t_2}F(x,\dot{x},t)dt \\ &=\int_{t_1}^{t_2} \{ F(x+\varDelta x,\dot{x}+\varDelta \dot{x},t)-F(x,\dot{x},t)\}dt\\ &=\int_{t_1}^{t_2} \biggl( \frac{\partial F}{\partial x}\varDelta x+\frac{\partial F}{\partial \dot{x}}\varDelta \dot{x} \biggr)dt

> ここでわからないことがあって,2行目から3行目への変形はどのようにしたのでしょうか?「 |11a4f043370cf0306be561772cba4b3b| の2次の項以上は非常に小さいとして無視すると」というのがよくわからないのですが.

テーラー展開をご存じですか?

|\triangle x| \ll 1 として, f(x+\triangle x)\triangle x の2次多項式(ただし,係数に f(x) およびその微分を含む)で近似できますか?

Re: ラグランジュ方程式と変分

digi さんのレス (2008/08/17(Sun) 01:25)

お返事ありがとうございます.

f(x+\varDelta x) のテイラー展開ですが, f(x+\varDelta x)=f(x)+\frac{\partial F}{\partial x}\varDelta x+\frac{1}{2!} \frac{\partial^2 F}{\partial x^2}(\varDelta x)^2+\cdots でいいでしょうか?

Re: ラグランジュ方程式と変分

mNeji さんのレス (2008/08/17(Sun) 14:59)

digiさん,横から失礼します.

変分は微分と少し感じが違うという意味で,

\delta I &:=\delta \int_{t_1}^{t_2}F(x,\dot{x},t)\mathrm{d}t \\&:=\int_{t_1}^{t_2} \{ F(x+\delta x,\dot{x}+\delta \dot{x},t)-F(x,\dot{x},t)\}\mathrm{d}t\\&=\int_{t_1}^{t_2} \biggl( \frac{\partial F}{\partial x}\delta x+\frac{\partial F}{\partial \dot{x}}\delta \dot{x} \biggr)\mathrm{d}t

とするほうが自然な気もします.

また,昔,この式を見た時に, \delta x(t)\delta \dot{x}(t) が,あたかも独立変数のように振舞うのが,しっくり来なかった事を思い出しました.かなり紆余曲折して,

\delta \dot{x}(t) = \frac{\mathrm{d}\delta x(t)}{\mathrm{d}t}

であるのに気づくことになったと記憶しています(苦笑).

だから,面倒でも,

\delta x(t) = \delta \epsilon \cdot f(t)

ここで \delta \epsilon \ll 1 は正の微小常数で, f(t) は変分,合わせて微小変分とでも言った方が,紛れないと感じています.

細かなお話で,失礼しました.

Re: ラグランジュ方程式と変分

digi さんのレス (2008/08/17(Sun) 22:30)

mNejiさん,書き込みありがとうございます.

私も, \varDelta x\delta x としたほうがいいのかと気になっていました. \delta は微小変化を表すものと思っていいのでしょうか?でも, x(t) は普通の関数だから,微小変化を表すのは dx とか \varDelta x でもいいのではないでしょうか?

Re: ラグランジュ方程式と変分

mNeji さんのレス (2008/08/17(Sun) 23:05)

>私も, \varDelta x\delta x としたほうがいいのかと気になっていました. \delta は微小変化を表すものと思っていいのでしょうか?でも, x(t) は普通の関数だから,微小変化を表すのは dx とか \varDelta x でもいいのではないでしょうか?

私は,数学に弱いので厳密な定義は知りませんが,ある関数G(x)を考えたとき,その微分 \mathrm{d}G =G(x+\mathrm{d}x)-G(x)=\frac{\mathrm{d}G(x)}{\mathrm{d}x}\mathrm{d}x は関数が微分可能であれば,一意的に決まりますね.

ところが,経路積分に於ける変分は,ある意味,恣意的に本来の解から「適当にずらすのであって,かつその量は微量な変化」です.ですから,微分操作のように一意的でないですね.ただし変分の場合,始点と終点での値がゼロという束縛条件はありますね.

ですから,微分操作ないしは偏微分操作と変分操作は,常に交換可能であるとおもいます(数学的に証明している訳では有りません).逆に言えば,「 \mathrm{d}\varDelta 」や「 \partial 」などと「 \delta 」とは区別したいと思います.

Re: ラグランジュ方程式と変分

digi さんのレス (2008/08/17(Sun) 23:56)

わかりました.mNejiさん,どうもありがとうございます.

Re: ラグランジュ方程式と変分

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/08/18(Mon) 14:50)

> わかりました.mNejiさん,どうもありがとうございます.

えっと,最初の疑問は解消されたのでしょうか?

念のため,続きを.

>  |f9a4147118084194e12c3b998f0a65c9| のテイラー展開ですが,
>  |779e169560c1bb862ef2f668aab67f63| 

今度は f(x+\varDelta x,y+\varDelta y )\varDelta x,\varDelta y の一次式で近似してみてください.上の結果を利用すればできるはずです.

Re: ラグランジュ方程式と変分

digi さんのレス (2008/08/19(Tue) 00:51)

>えっと,最初の疑問は解消されたのでしょうか?

まだです.お返事ありがとうございます.

f(x+\varDelta x,y+\varDelta y)=f(x,y)+\frac{\partial f}{\partial x}\varDelta x +\frac{\partial f}{\partial y}\varDelta y+\cdots

これで2次以降の項を無視すればいいということですか? Fx , \dot{x}t の関数ですが,同じような展開でいいのでしょうか? あと,変分を考える場合は \varDelta x よりも \delta x としたほうがいいでしょうか?

Re: ラグランジュ方程式と変分

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/08/19(Tue) 12:30)

> Fx , \dot{x}t の関数ですが,同じような展開でいいのでしょうか?

そうです.

独立な変数 x,y に対する関数 F(x,y) を変分した \delta F(x,y) = \frac{\partial F}{\partial x}(x,y)\delta x + \frac{\partial F}{\partial y}(x,y)\delta y y=\dot x を代入すると考えます.

> あと,変分を考える場合は |cbb30cc8b6a55491070906dbe199478a| よりも |58b1e9f4b9a86690cb106e65a265a34f| としたほうがいいでしょうか?

統一性があればどちらでもかまいませんが,普通 \delta で記述するので,それに倣う方がいいでしょう.

Re: ラグランジュ方程式と変分

digi さんのレス (2008/08/24(Sun) 22:38)

わかりました.どうもありがとうございます!(返事が遅れて申し訳ありません)