極座標変換

極座標変換

digi さんの書込 (2008/08/06(Wed) 02:46)

任意のベクトル(Ax, Ay, Az)(デカルト座標表示)を極座標表示(Ar, Aθ, Aφ)に変換するにはどうすればいいのでしょうか?2次元なら図を書けばわかるのですが3次元の場合は図が描きにくいです.計算でできるのでしょうか?

Re: 極座標変換

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/08/06(Wed) 03:05)

  1. 位置ベクトルを極座標系で記述します.
\bm{r}(r,\theta,\phi) &= \begin{pmatrix}x(r,\theta,\phi) \\ y(r,\theta,\phi)\\ z(r,\theta,\phi) \end{pmatrix}
  1. 極座標系における正規直交基底を以下の手順で求めます.
\bm{e}_r &= \frac{\partial \bm{r}}{\partial r}/\left|\frac{\partial \bm{r}}{\partial r}\right| \\\bm{e}_\theta &= \frac{\partial \bm{r}}{\partial \theta}/\left|\frac{\partial \bm{r}}{\partial \theta}\right| \\\bm{e}_\phi &= \frac{\partial \bm{r}}{\partial \phi}/\left|\frac{\partial \bm{r}}{\partial \phi}\right|
\bm{A} &= A_x \bm{e}_x +A_y \bm{e}_y +A_z \bm{e}_z\\&= A_r \bm{e}_r +A_\theta \bm{e}_\theta +A_\phi \bm{e}_\phi

を利用して

A_r &= \bm{A} \cdot \bm{e}_r\\&= (A_x \bm{e}_x +A_y \bm{e}_y +A_z \bm{e}_z)\cdot \bm{e}_r\\&= A_x (\bm{e}_x\cdot \bm{e}_r) +A_y (\bm{e}_y\cdot \bm{e}_r) +A_z (\bm{e}_z\cdot \bm{e}_r)

となるので,各内積を計算すれば A_r が求まる. A_\theta, A_\phi も同様.

Re: 極座標変換

digi さんのレス (2008/08/06(Wed) 23:26)

お返事ありがとうございます.

A_x=A_r \sin \theta \cos \phi + A_{\theta} \cos \theta \cos \phi -A_{\phi} \sin \phi \\A_y=A_r \sin \theta \sin \phi +A_{\theta} \cos \theta \sin \phi + A_{\phi} \cos \phi \\A_z=A_{\phi} \cos \theta -A_{\theta} \sin \theta

と求まりました.それで速度ベクトルと加速度ベクトルの極座標表示を求めようと思い, x=r \sin \theta \cos \phi, y=r \sin \theta \sin \phi, z=r \cos \theta をそれぞれ1回,2回微分してそれを上で求めたAx,Ay,Azの形と比較しました.

v_x=\dot{r} \sin \theta \cos \phi +r\dot{\theta} \cos \theta \cos \phi -r\dot{\phi} \sin \theta \sin \phi \\a_x=\ddot{r}\sin \theta \cos \phi +\dot{r} \dot{\theta}\cos \theta \cos \phi-\dot{r} \dot{\phi} \sin \theta \sin \phi+\dot{r}\dot{\theta} \cos \theta \cos \phi +r \ddot{\theta}\cos \theta \cos \phi \\-r\dot{\theta}^2 \sin \theta \cos \phi -r\dot{\theta} \dot{\phi} \cos \theta \sin \phi-\dot{r}\dot{\phi}\sin \theta \sin \phi -r\ddot{\phi} \sin \theta \sin \phi-r\dot{\phi}^2 \sin \theta \cos \phi

v_xA_x との比較から v_r=\dot{r},v_{\theta}=r\dot{\theta},v_{\phi}=r\dot{\phi}\sin \theta が得られ,これは参考書と同じになったのですが,加速度のほうがうまくいきません.参考書では a_r\sin^2 \theta の項が含まれるのですが,上の a_xA_x の比較からは出てこないような気がします.どこか間違っているのでしょうか(参考書では別の求め方が載っているのですが,この方法ではだめなのでしょうか)?

Re: 極座標変換

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/08/07(Thu) 00:35)

> v_xA_x との比較から

無精せずに全成分を計算して,内積を計算すべきです.

# a_x の最後の項が抜けていますね.

# 私なら \bm{e}_r,\bm{e}_\theta,\bm{e}_\phi の微分を \bm{e}_r,\bm{e}_\theta,\bm{e}_\phi で表す計算をしてから, \bm{v} を微分します.

Re: 極座標変換

digi さんのレス (2008/08/07(Thu) 15:58)

a_x の最後の項が抜けてました.ご指摘ありがとうございます.

v_xA_x の比較から v_r, v_{\theta},v_{\phi} は求まるのに, a_r,a_{\theta},a_{\phi} が求まらないのはなぜなのでしょうか?その理由が知りたいです.間違いがあればご指摘お願いします.

Re: 極座標変換

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/08/07(Thu) 20:02)

> その理由が知りたいです.

ベクトル全体で考えるべき所を x 成分だけで考えているからです. \bm{v} がうまくいったのは「偶然」です.

\bm{e}_r = \begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi\\ \sin\theta\sin\phi\\ \cos\theta \end{pmatrix},\quad\bm{e}_\theta = \begin{pmatrix} \cos\theta\cos\phi\\ \cos\theta\sin\phi\\ -\sin\theta \end{pmatrix},\quad\bm{e}_\phi = \begin{pmatrix} -\sin\phi\\ \cos\phi\\ 0 \end{pmatrix}

として

\bm{b}=\sin\theta\bm{e}_\phi

の微分を考えます.

b_x = -\sin\theta\sin\phi を微分して \dot b_x = -\dot\theta \cos\theta\sin\phi - \dot\phi \sin\theta\cos\phi ですから

\dot {\bm{b}} = \dot\theta \cos\theta\bm{e}_\phi - \dot\phi \bm{e}_r

としたくなります.

しかし, b_z = 0 より, \dot b_z=0 ですが,上の z 成分の値は0ではありません.

この矛盾の原因は, \dot b_x = -\dot\theta \cos\theta\sin\phi - \dot\phi \sin\theta\cos\phi の最後の項を,本当は \dot\phi \sin\theta(\cos^2\theta+\sin^2\theta)\cos\phi が正しいのに,そのまま \dot\phi \sin\theta\cos\phi と観たからです.他の成分も見ないと判断できないのに, x 成分だけで後者と判断したのが間違いの元です.

(正解は

\dot {\bm{b}} = \dot\theta \cos\theta\bm{e}_\phi + \sin\theta(-\sin\theta\dot\phi\bm{e}_r-\cos\theta\dot\phi\bm{e}_\theta)

です.)

Re: 極座標変換

digi さんのレス (2008/08/09(Sat) 00:44)

できました.ありがとうございました!