受験物理を解いていて,ちょっと不透明な部分があります.
容器内で断熱自由膨張とか,容器の中の仕切りで仕切られた二種類の気体を混合させるとき(断熱混合)とかは,内部エネルギーの総和が保存されるって書いてあるのですが,要するに気体が接している部分(容器の壁など)が,縮んだり膨らんだりさえしなければ,その容器内の内部エネルギーは保存されるって事ですか?
断熱変化だと,外部からの熱の出入りは無くても気体によって力を受けてる壁が動くことで,内部エネルギーは保存されてませんよね?
断熱混合,断熱自由膨張,断熱変化の違いがうまくイメージできなくて…
ご教授お願いします.
熱力学第一法則によると,内部エネルギー(U),仕事(W),熱(Q)のあいだには, dU=Q-W の関係があります. 断熱変化はQ=0,Wは0とはかぎりません. 断熱自由膨張はQ=0,W=0 断熱混合は,Q=0,W=0 です. 断熱自由膨張と断熱混合に第一法則から見て違いはありません. 二種類の気体のそれぞれは断熱自由膨張となっています. 壁が動く断熱変化では気体が仕事をします.気体分子が壁に衝突し,壁が動くことで気体分子の運動エネルギーが奪われます.衝突現象を思い浮かべてみるとよく分かります. これに対して断熱自由膨張では,容器の壁が瞬時に遠ざかり固定されます.気体分子は同じ速さで遠ざかった壁に衝突します.壁が固定されているので気体分子は同じ速さで跳ね返り,運動エネルギーは変化しません. 断熱混合では2種類の気体の衝突は起き,個個の分子間の運動エネルギーのやり取りはありますが,平均すると相殺してエネルギーに変化はありません.