先日はどうもです. 先日皆さんにお聞きしたばかりだというのに,さそっくまた,お聞きしたいことが出来てしまいました. なのでお願いです.また,皆さんのお力をお貸しください.
早速ですが,中のつまった円筒●と円輪◎を斜面の上から同時に転がした場合,何もつまっていない円輪◎よりも中のつまった円筒●のほうが斜面を速く転がりますよね. なぜかといえば,中のつまった円筒●のほうが,何もつまっていない円輪◎よりも重いから.というのは,私にも解ります. ですが,物理的に考えてみると,どうして中のつまった円筒●のほうが何もつまっていない円輪より◎も速く転がり落ちるのでしょうか. この理由がわかる方,誰か教えてください.
こんにちは.剛体の問題ですね.力学のちょっと後のほうで習うものです. まず,円筒が {転がらずに滑る場合,転がる場合} の2つがあります. 転がらない場合は,特別なことを考える必要はありません.
転がる場合には,慣性モーメントという量が登場します. 剛体という「回転」運動がある物体を考える場合, 回転に関する量も導入しなければなりません.
物体が回転せずに滑り落ちる場合と,回転しながら転がり落ちる場合と, どちらが速いと思いますか?答えは前者です. 回転する場合,その回転運動にもエネルギーが費やされるからです.
慣性モーメントですが,回転のエネルギーを考える場合 慣性モーメントは運動エネルギーに対する質量に相当します. 中身がつまった●と,つまってない◎では ◎のほうが慣性モーメントが大きくなります.
力のモーメント(てこの原理など)を考えると分かるように, ものが端っこに偏っている場合のほうがモーメントの効果が大きくなります. 要するに,◎のほうが●よりも回すのがしんどい, その分エネルギーが必要になって,その分遅くなる,ということです.
重いから速く落ちるという認識はまずいのでは?
おこめさん > 重いから速く落ちるという認識はまずいのでは?
そうですね,重いから早く落ちるというのは誤りです.
あと,Kei さんの書込みでは ◎ と ● の質量に関する条件が書かれていませんが,両者の全質量が同じであるとき, > 中身がつまった●と,つまってない◎では > ◎のほうが慣性モーメントが大きくなります. が言えます.
剛体の問題といえば,自分で問題を設定し,模範解答をつくるというレポートが出たのを覚えています.僕はドミノ倒しの問題を設定したのですが解く事ができませんでした.かなり解析的に解くのは難しいと思います.皆さんはどう思います?あんまり関係のない発言ばかりですみません.無視するか,別のところに返信お願いします.
> 剛体の問題といえば,自分で問題を設定し,模範解答をつくるというレポートが出たのを覚えています. > 僕はドミノ倒しの問題を設定したのですが解く事ができませんでした.かなり解析的に解くのは難しいと思います.
あんまり難しい条件を設定するのでなければ,倒れる/倒れない の ドミノ間距離・与える初速 等の条件を決定するのは比較的やさしそうな気がします. 条件が解析的に解けるかどうかはわかりませんが・・.
COさん返信ありがとうございます.実際に解ける問題かをネットで調べたらどこかの大学のホームページかにのってたと思うんですけど,たしか特殊関数とかが答えに含まれるか,何かの理由で解くのをやめました. パソコンに解かせるほど複雑だったのかな? 僕がその当時思ったことは一度に倒れるドミノの数だけ方程式が必要だし,前方のドミノからの影響など考えないといけないのかなとも思ったので僕には分かりませんでした(今も分かりません). どんどん話題がずれてしまってすみませんKeiさん.解説は崎間さんので十分だと思います.
皆さんありがとうございます. 中のつまった円筒●とつまっていない円輪で,どちらが速く転がり落ちるのかには,ちゃんと理由があるのですね. 管理人さんの説明を読んで初めて解りました.物理って難しいです.剛体や慣性モーメントという言葉を今はじめて聞きました.私も物理を専攻しておけばよかったって思います.(無知ですいません.) なんとか管理人さんのおかげで転がる場合は大体理解できた.・・・と思います. ところで,転がらない場合はどうして特別なことを考える必要はないのですか. あと,回転に関する量を導入するとどう変わるのですか.大体は理解できたような気はするのですが,やはり今一つわかりません.その辺をもう少し詳しく教えてくだださるとうれしいのですが.
> おこめさん > ドミノの数だけ方程式が必要
いちばん簡単な状況では,二つのドミノだけ考えればよいと思います. あとはその二つのドミノが周期的に並んでいると考えれば良いでしょうね.
> Kei さん > ところで,転がらない場合はどうして特別なことを考える必要はないのですか.
転がらない場合には,全ての質量がある一点に集まったとして考えることができます.つまり質点としてとりあつかって良いことになるからです. 回転に関する量を導入したときには,全エネルギーが
E = 1/2mv^2 + mgh + 1/2Iω^2 (回転あり)
というよう書かれます.I は慣性モーメント,ω が角速度です. (回転しないときには ω = 0 で E = 1/2mv^2 + mgh です.)
坂を転がる問題の場合,第二項の位置エネルギーが変換されて分配されます. 回転するときには第一項の運動エネルギーだけでなく,第三項の回転にもエネルギーが消費されます. したがって回転する場合は回転しない場合よりも,第一項の運動エネルギーに割り当てられる分が減ってしまいます. つまり坂を降りる速さが遅くなります. また ● が ◎ よりも早く落ちるのは I が ● < ◎ だからです.
と・・・とても難しいです. でも,私の質問に対する詳しい説明.COさん本当にありがとうございます. 解りやすく説明してくださったので私にも理解出来ました. それと,もう一つお聞きしたいのですが,先程『両者の全質量が同じであるとき,中身がつまった●と,つまってない◎では◎のほうが慣性モーメントが大きくなります.』と教えてくださいましたが,それはどうしてなのですか?
> Kei さん > 先程『両者の全質量が同じであるとき,中身がつまった●と,つまってない◎では◎のほうが慣性モーメントが大きくなります.』と教えてくださいましたが,それはどうしてなのですか?
Kei さんは理系学部ですか?どの程度の解説が適してるんでしょうね. 慣性モーメントは大雑把に言えば,回転軸の周りに質量がどのくらい離れて存在するかで定義されます. つまり同じだけ質量があれば,質量が回転軸から離れて存在したほうが慣性モーメントが大きいのです.
こんばんは.
>慣性モーメントが大きくなります.』と教えてくださいましたが, >それはどうしてなのですか?
慣性モーメントというのは,回したときに「どれくらい回し始めにくいか・回転を止めにくいか」を表した数字です.
鉄の棒を振り回すことを想像してみてください. その次に,その鉄の棒と同じ重さのおもりを先端に付けた木の棒(長さは鉄の棒と同じ)を,振り回してみましょう. 棒の全体が等しく重い場合と,先端だけに重量が集中している場合. どっちの方が,回しにくいですかね?
いまは棒で話をしたけど,同じことは円盤についても言えるはずですね.重さが等しく分布しているときと,端っこに質量が集中しているものを比較して…どう思いますか?
なんだかいい具合に話が進んできましたね. とても勉強になります.このスレを元に記事を書きたいです. いつもこんなこと言って実行してませんが, 明日提出のレポートもなんとか片付いたので今度こそは.
# 以上,余談でした.
COさん,山本さんありがとうございます.お二方の解りやすい説明のおかげでようやく理解できました. COさん私,実は経済学部なんです.物理を専攻することも出来たはずなのに,なぜか専攻しなかったんですよね.ホント,今更ながら物理を専攻しなかったことを後悔してます.
山本さんのおっしゃっている,棒の全体が等しく重い場合と,先端だけに重量が集中している場合,どっちの方が,回しにくいですかというのは,実際に試したことがないのでわからないのですが,多分,棒の全体が等しい場合より,先端だけに重量が集中している方が持つときに手に負荷がかかると思うので,先端だけの重量が集中している方かなと思ったのですが違うのでしょうか?
言葉では定性的なところまでしか説明できません.定量的な説明を理解するためには数式及び基本的な物理概念を共通認識している前提が必要です.なので図書館で力学の本を借りることを進めます. 「力学?原島鮮著」がお勧めです. 文字が多く,丁寧に解説してあるのでKeiさんのような経済学部の方にはむしろ理解しやすいと思います.ポイントはモーメントの持つ性質について理解することだと思います.
ベクトル解析のところ,角運動量のところを読んだあと剛体の力学を読んで下さい(多分これでは分かりません).分からなければ通読してください.
通読する際に僕は読みながらノートを作るとよく頭で整理がつきます(僕の場合とった後のノートは読み返すことはなく,大抵は捨ててしまいます). 最後に分かったつもりになれたら関連の深い例題も載っているので見てみてください.
掲示板では数式の解説までするのはすごく労力がいるのでせめて物理学の言葉である数式を理解してから,それを共通認識として話をする,または質問をするのが効率的だと思いますよ.
最大の問題はモーメントの意味を理解すること
Kei さん > 多分,棒の全体が等しい場合より,先端だけに重量が集中している方が持つときに手に負荷がかかると思う
なぜそう思ったか!
高校で物理とっていましたか? 力のモーメントとかのあたりを復習してみると良くわかると思います. 重心がどこにあるかを考えるとわかり易くなるでしょう.
おこめさん適切なアドバイスありがとうございます. 早速明日,図書館に行って力学の本やその他のいろいろな本を借りてきて読んでみます.
COさん,実は,私高校では物理をやらなかったんです.私高校も商業科だったのですが,私の通っていた学校は科学と生物しかやらなかったんです. せっかくアドバイスしてくださったのに実行出来なくてすみません.
Keiさん,はじめまして.
高校でも物理をやった事がなければ大学の教科書は先ず無理でしょうね. (やったことがある人でも,無理な場合の方が多いです.英語ができれ ばアチラの教科書は割と自学自習可能なものも在りますけど.)
そう言う人には,「ゼロから学ぶ物理の 1,2,3」(竹内 薫著)を お薦めします.
なお,この本は,特に電磁気学の解説には優れたモノがありますので, 学部生で電磁気が解らないと言う人(経験的に,電気電子系であっても 半数以上...かも?)にも,お薦めします.
> 高校でも物理をやった事がなければ大学の教科書は先ず無理でしょうね. > (やったことがある人でも,無理な場合の方が多いです.
同感です.高校の教科書も,一人で最初から読め といわれたらちょっと遠慮したいくらいです. ゼロから学ぶシリーズは僕もよく読んでます.お薦めです.
> 先端だけの重量が集中している方かなと > 「思った」のですが違うのでしょうか?
その通りです.そう「思った」のは経験があったからでしょう. シーソーとか,釘抜きとかネジ回しとか. 教科書を読んで理解するのもいいですが, 物理は自然科学なので,実験してみるのが一番よく分かりますよ. 実験すれば,「そうなりました」と断言できます.
たとえば,ものさしに消しゴムを何個か置いてさしの端を持ってみて, 消しゴムの位置を移動させてみるとか. 均等に置いた場合と,端っこに偏らせた場合とを比較してみてください (でもそんなにたくさん消しゴムないですよね…).
皆さんありがとうございます.あれからいろいろと読んでみましたが,まだ理解するのにはちょっと時間がかかりそうです.これからもいろいろと読んで少しづつ理解できたらと思います.