全波整流回路について

全波整流回路について

えり さんの書込 (2008/06/10(Tue) 21:16)

全波整流回路でのオシロスコープに表示される波形は,山型が連なっている波形(谷や直線部分がない)になりますが,これは,実際に一定方向にだけ電流が流れるようになったわけではなく,あたかもそのように見える波形になっているだけなのでしょうか?

Re: 全波整流回路について

mNeji さんのレス (2008/06/10(Tue) 21:41)

原理的な全波整流回路を,純粋な抵抗負荷に接続し,その負荷抵抗よりも十分に入力抵抗が高く,測定中の交流の周波数よりも十分に高周波特性の高いオシロスコープにバランス調整されたプローブを使って測定して,そう見えたならば「あたかもそのように見える波形」ではなくて「まさにそのような波形」が観測されていると思います.

では,半波整流回路だと,どのような観測結果が予想されますか?

Re: 全波整流回路について

えり さんのレス (2008/06/10(Tue) 22:15)

では,本当に一定方向に電流が流れるようになったということですね?

半波整流回路では,半波長分が整流されるので,半波長が山型,もう半波長が…??谷型だと普通の波形になってしまいますよね??

Re: 全波整流回路について

mNeji さんのレス (2008/06/10(Tue) 22:53)

「一定方向に電流が流れるようになった」のでしょうね.知ってしまえば当たり前の回路ですが,ブラボーを3回して,発案者に敬意を表しましょう(笑).

入力波形がsin(ωt)とするならば,全波整流回路の出力は|sin(ωt)|と考えれば善いでしょう.

>半波長が山型,もう半波長が…??谷型

「もう半波長」を負荷から見れば「開放状態」と思えば善いでしょう.普通,整流回路の後には,その凸凹を平たくする;平滑する;為にコンデンサやコイルなどからなる平滑フィルタ系が付いていると思います.したがって,整流回路が開放になっても,平滑フィルタから電圧を供給するようになります.

Re: 全波整流回路について

えり さんのレス (2008/06/11(Wed) 00:24)

「開放状態」とはどのような状態のことをいうのでしょうか…? 電流が流れない状態のことでしょうか?

それともう一点質問したいのですが,実験でやはりプローブを使ったのですが,いまいちどんな働きをしているのか理解できませんでした.学校の図書館で調べもしましたが,はっきりとわからなかったため,教えて下さると幸いです.よろしくお願いします.

Re: 全波整流回路について

mNeji さんのレス (2008/06/11(Wed) 00:59)

>「開放状態」とはどのような状態のことをいうのでしょうか…?

イメージをしやすくするために理想的なダイオード; 順方向:抵抗ゼロ 逆方向:抵抗無限大 を念頭に書きました.そういう観点からすれば「電流が流れない状態」として考えました.

ヤフーなどで「オシロスコープ プローブ 調整」を検索してください.その2番目に,YOKOGAWAの資料; h ttp://www.yokogawa.co.jp/tm/TI/keimame/wave-pro/wave-pro.htm が判り易そうと思いました.

その説明にもありますが,用いたプローブの減衰比によって注意点が違います.一番いいのはお使いのオシロスコープのマニュアルを教官の方にお願いして見せてもらう事です.

Re: 全波整流回路について

えり さんのレス (2008/06/11(Wed) 18:19)

では,開放状態とは,理想的なダイオードを接続したときのような状態になるということですね?

教えていただいたサイトを見てみました!! …つまり,プローブとはオシロスコープの波形を補正する装置ということですか?

Re: 全波整流回路について

mNeji さんのレス (2008/06/11(Wed) 20:36)

>では,開放状態とは,理想的なダイオードを接続したときのような状態になるということですね?

物理では,複雑な状態を簡単なモデル化を通して理解を深めようとする,といった側面がありますね.第ゼロ近似では,上の様に考えて良いと思います.勿論,半導体素子の理論とか,特性データを元にモデル化をしても良いでしょうね.

>…つまり,プローブとはオシロスコープの波形を補正する装置ということですか?

というよりは,大きな電圧の測定をする,例えば商用電源,ac100Vをオシロスコープで測定するには10:1ぐらいの減衰比のプローブを使う事が多いですね.というか普通についているプローブは10:1がほとんどでしょう.

しかし,より微弱な信号を計測するには1:1のプローブとか,さらに微弱な場合,プリ・アンプ付きのプローブがあります.

このようにプローブには,測定する系の電圧範囲をオシロスコープの計測可能な電圧範囲に変換する事により,安定した測定を可能にする,という役割が有ります.

また,10:1のようなプローブでは,見かけ場,入力抵抗が10倍になるので,オシロスコープに流れる電流が小さくなり,測定しやすくなります.他方,入力はDCでもACでもある訳です.特に時間特性を丁寧に取りたい場合には,標準信号を計測して,解説にあるような位相補償を実施します.

実際の場合,オシロスコープの周波数特性よりも低い周波数計測が多いので,位相補償よりも,見かけ場の高インピーダンスである方がご利益が高いですね.

Re: 全波整流回路について

えり さんのレス (2008/06/11(Wed) 21:52)

ということは,オシロスコープでよりきれいな波形を出力させるためにプローブを使うということですね!!

実験しながら,いまいち何をしているか掴めなかったもので…

Re: 全波整流回路について

mNeji さんのレス (2008/06/11(Wed) 22:59)

>オシロスコープでよりきれいな波形を出力させるためにプローブを使うということですね!!

見方を換えると,そのような解釈も有るかも知れませんが....

むしろ,より正確な時間応答を測定する為だとおもいます.先のサイトで,矩形波の応答が有りましたが,そのような周期関数はフーリエ級数に展開できることは,物理数学で学ばれたと思います.ですから,図2のような矩形波の応答から,計測系の周波数特性が予測できるので,より周波数特性をフラットにする為に,手間を掛けても,トリム・コンデンサを調節する訳です.

>実験しながら,いまいち何をしているか掴めなかったもので…

あはは,皆さん,そのように暗中模索しながら,徐々に正しい道に近づくのでしょうね.だからこそ,いつも「自分が学んだり,考えたりしている事」について,自分の頭で疑問を持つ事が大切なのでしょう.

Re: 全波整流回路について

なんとなく さんのレス (2008/06/11(Wed) 23:33)

横レス失礼します. プローブの役割ですが,もう少し基本的な面を押さえて置く必要があると思います.根本は測定系と被測定系の関係です.ある回路(被測定系)のある箇所の電圧を測定したいとしましょう.そこに測定機の端子をあて,電圧を測ることを考えます.このとき,端子からは一般的に測定系へ電流が流れ(流さない方法もありますが)ます.これでは元の回路に別な回路が加わったことになり,測定したい回路ではなくなってしまいます(場合によっては波形も崩します).この影響を出来るだけ小さくしたい,無くしたいとすれば,測定系のインピーダンス(抵抗)をできるだけ大きくし,流れる電流を小さくする必要があります.また測定系は一般に敏感な機器であり,過大な電圧・電流は不適切ですので,減衰機を通して入力する必要もあります.プローブはこの探針の意味ですが,減衰用の抵抗等を組み込んであることが多いです. まとめると,プローブ自体は被測定系の回路に極力影響させないで,回路上のある点での電気特性を取り出す(測定する)接点を形にしたもの,と言えるのではないでしょうか.

Re: 全波整流回路について

えり さんのレス (2008/06/11(Wed) 23:43)

mNejiさん,なんとなくさん,どうもありがとうございました. プローブについて理解が深まりました!!どこを調べても,わかりやすいプローブ自体の説明がなかったもので… 大変ためになりました.

どうもありがとうございました.