大学1年のひろいきと申します.
気体分子は高速で地球上を運動をしています. その熱運動速度(?)は音速よりも速いですが,第二宇宙速度よりは遅い. そのため,これだけを見ると,気体分子は地球外に飛び出すことはない様に思われます.
しかし,地球の引力によって宇宙空間(付近)にある分子は地球上に引かれることになりますから,地球上に分子が増え続けることになってしまいます.
そのため,何らかの形で気体分子は地球外に出ていると思われます. それがどのようなものか分からないので,どなたか教えていただけないでしょうか? よろしくお願いします.
地表付近では,分子の速度が第二宇宙速度を超えたとしても,他の分子に衝突するのでそのまま宇宙空間に飛び出すことはありません. 一方.地表から遠く離れたところでは,重力が弱くなるので脱出速度が小さくなります.また,分子の平均速度が脱出速度を超えないとしても,マクスウェルの速度分布によると,脱出速度を超える分子も少しは存在することになります.上空では気体の密度が小さくなるので,分子の衝突が起こりにくくなり,脱出速度を超えた分子がそのまま宇宙空間に飛び出すこともあると思われます.
なお,統計力学によると,平衡状態での気体の密度は,地表から遠ざかるほど減少していきますが,無限遠でも0にはならず,0でない有限な値に漸近します. ということは,現状は平衡状態ではなく,大気の分子は少しずつ宇宙空間に散逸していると考えられます.しかしそれは長い時間でゆっくり起こるので近い将来に地球の大気がなくなってしまう心配はありません. ただし,重力の弱い天体では,第二宇宙速度が小さいため大気が失われやすく,そのため水星や火星では大部分の大気が宇宙空間に失われたものと考えられます.
ご回答ありがとうございます.
地球と重力の違う天体についても質問しようと思っていた所でして,そのことも教えていただけて大変感謝しております. 統計力学を学ぶのはまだ先ですが,楽しみになってきました. 今後も色々とお聞きすることがあるかと思いますので,どうぞよろしくお願いします.