私は,数年前にリハビリテーションで始めた水泳の推進力を理解したくて,こちらのサイトの本体に質問を出したりしているうちに,ほとんど忘れてしまっていた物理や勉強すら疎かにしていた数学の記憶が蘇って来たので感動しました.
その後,こちらの数式掲示版で,昔頓挫したTeXを使かう論議が面白くて,討論に参加しました.
そのご,水泳の掲示版で「掌が定速度で水中を進む場合に水から受ける反作用」をつかった運動(スカリングと呼びます)に関する質疑応答で,水泳関係の分野では,流体力学はもちろんのこと,力学でも,大きな誤解がある事をしりました.
そこで,式を使った説明とか,特性のグラフ化などをしてみましたが,いずれも効果が無く困っていました.で,あるとき,「掌の運動」と「反作用の力」とをアニメーションにしてみたらと考えて,作ってみました.
自分は中学生のころ,祖父から古泳法の「立ち泳ぎ,横泳ぎ,平泳ぎ」などの一環でスカリングを理屈抜きで覚えていたので「アニメーション」にしたからと言って新しく判る事を期待していませんでした.しかし,いざ作って見ると,動きの様式にも複数の解があり,前進・後進も時間反転になっているとか,流体力学的に最良の動きが予測される,...,など意外と手法を変えると,物理の解釈が広がる様な感じを持ちました.
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で,もう一度,最近の環境を振り返ると,インターネットでも気楽に精密な数式を使い物理を記述できますが,やはり物理の基本アイデアは,ナイーブな絵や座標作図などを交えて,じっくりとアイデアを論議するのが物理の醍醐味ではなかったかと感じます.
特に大切と思うのは,基本的アイデア(昔は「自分の物理」とか「君の物理」とか言ってかっこを付けていましたが....)を見つけるのが偉くて,そのアイデアが正しいか,間違っているかは二の次でした.
極論すると,間違ったアイデア(ないしは作業仮説)でも,次の理解に繋がるアイデアは,例え間違っていても敬意を表するべきだと思います.言うならば,小さなアイデアを幾つも積み重ねて,もうちょっと大きなアイデアに達し,さらに....
だから,お若い皆さん,お気軽に自分の疑問(=判らないというアイデア)に質疑を立てれば善いとおもいます.
老人の独り言でした.