高磁場での振動現象

高磁場での振動現象

tarai さんの書込 (2008/04/29(Tue) 14:11)

大学で物性物理を専攻している者です. 最近,教授の勧めでアシュクロフト・マーミン(現在上?巻14章)を読んでいます. そこでは,一様磁場中の自由電子の結果(ランダウ準位の発生)をブロッホ電子に 一般化しています.半古典論では,結晶ポテンシャルの影響を受けてエネルギーバンドの上に束縛されたブロッホ電子に一様磁場を印加した場合,等エネルギー面と磁場に垂直な平面の交線として与えられるk空間の軌道を周期運動し,その周期はk空間の軌道によって囲まれる面積のエネルギー微分に比例し,磁場に反比例します.エネルギーや磁場方向の運動量を変えれば,電子は様々な面積を囲む軌道が可能なわけですが, 『自由電子が間隔h/Tのランダウ準位に分かれるのだから,ブロッホ電子も半古典的な周期Tを用いて間隔h/Tに分かれるだろう』(ボーアの対応原理) こんな感じの議論で半古典論的な周回軌道(で囲まれる面積)を離散化しています. その結果,ドハース・ファン・アルフェン効果のような高磁場での振動現象が説明できるみたいです. ここで,質問なんです.この,ボーアの対応原理が成り立つための条件は, ”ランダウ準位の量子数νが十分大きいこと”だそうです.(上?巻p379) ならば,量子ホール効果のように明らかに大きいとは言い難いランダウ量子数に おいてドハース・ファン・アルフェン効果のような振動が観測されるのと,この 説明は合致しない気がするのですが,なぜなのでしょうか? (自由電子に対する摂動として結晶の効果を考えれば,自由電子のランダウ準位 による名残りが状態密度に残っていると理解はできるのですが…) そもそも,ボーアの対応原理とはどこから来たものなのでしょうか? どなたか教えていただけたらうれしいです.お願いします.