ニュートンリングの光路差を考えるとき,どうして平凸レンズ上面での反射光と平面ガラス下面での反射光は無視するんですか?
それは使用する光源により,無視してよい場合と無視できない場合があります.
レンズ上面やガラス下面というのはレンズの厚みやガラスの厚み分だけ距離が離れています.この距離が重要になります.
同一の点光源から出た光が一度2つに分かれたとします.これをA,Bとします. このA,Bが干渉するための条件として,A,Bの光路差が大きく離れていくとA,Bは干渉しなくなります.つまり一定距離以内でなければ光が干渉しないのです.この距離を可干渉距離(コヒーレント長)といいます.
可干渉距離はレーザーだと非常に長いものがあり,レンズやガラスの厚みよりずっと長くなるので,レンズの上面・ガラスの下面の光による干渉を無視できませんから,それも考慮しなければなりません.
ただ一般にニュートンリングを観察する場合にはナトリウムランプの基線を使ったりします.この場合には可干渉距離はかなり短いので,それらの光との干渉縞は現れなくなりますから,無視してもよくなります. もちろんガラス上面とレンズ下面程度の狭い間隔であれば,十分に干渉する程度には可干渉距離はあります.
ニュートンリングを観察する場合,ナトリウムランプであればよく観察できますが,もしこれを白色光や太陽光で観測しようとすると,よく見えなくなります. 白色光は可干渉距離が非常に短いですから,それが原因で干渉縞が出来いわけです.
可干渉距離は,光源のスペクトル分布が狭く単色に近いほど長くなります.
距離なんて全く考えていませんでした↓↓ 丁寧な説明本当にありがとうございました.おかげで疑問を晴らすことができました.ありがとうございました.