カルノーサイクル

カルノーサイクル

けん(大学3年) さんの書込 (2008/04/14(Mon) 00:02)

熱力学の質問です. 二つの熱源T1,T2(T1>T2)間の可逆サイクルは等温,断熱膨張,等温,断熱圧縮というカルノーサイクル以外にはないのでしょうか. 二つの熱源T1,T2(T1>T2)間の可逆サイクルといっただけでカルノーサイクルを使ってしまっていいのか混乱しています.

よろしくお願いします.

Re: カルノーサイクル

スチーム さんのレス (2008/04/18(Fri) 00:26)

私見ですが,カルノーサイクルしかないと思います.というのは,二つの熱源との熱のやり取りに温度差があっては可逆過程になりえませんから.また,二つの温度状態を結ぶ過程は断熱過程でしかありえません.すなはち,これはカルノーサイクルそのものです.

Re: カルノーサイクル

けん(大学三年) さんのレス (2008/04/20(Sun) 23:26)

コメントありがとうございます.

>また,二つの温度状態を結ぶ過程は断熱過程でしかありえません.

これはどうしてでしょうか.

Re: カルノーサイクル

スチーム さんのレス (2008/04/22(Tue) 09:45)

熱のやり取りは熱源以外にありません.したがって,二つの温度状態を結ぶ過程は断熱過程となります.

Re: カルノーサイクル

けん(大学三年) さんのレス (2008/04/25(Fri) 15:28)

熱のやりとりは熱源以外とはしないというのはどうしてでしょうか.

熱を捨ててしまうだけだと熱が無駄になってしまうとは思いますが, 断熱や膨張をしたときに熱を得ることができれば断熱過程よりも効率はよくなるかもしれないと思います. このような過程は存在しないのでしょうか.

Re: カルノーサイクル

スチーム さんのレス (2008/04/26(Sat) 12:52)

熱のやりとりをする外部を熱源と称していますから,熱源以外と熱のやりとりはありません. また,高温から低温に至る膨張の過程で熱のやり取りがあれば一定温度の熱源との温度差を生じますから,不可逆過程となります. 不可逆過程を持つ熱機関の効率はカルノーサイクルより低いです.

Re: カルノーサイクル

けん(大学三年) さんのレス (2008/04/29(Tue) 21:21)

>熱のやりとりをする外部を熱源と称していますから,熱源以外と熱のやりとりはありません.

温度の決められている二つの熱浴以外とも熱はやり取りできるのではないでしょうか.

>高温から低温に至る膨張の過程で熱のやり取りがあれば一定温度の熱源との温度差を生じます

「断熱や膨張をしたときに熱を得ることができれば」と言ったのは,外部から系に仕事をしたときに,熱を加えようとしていないにもかかわらず系が外部から熱を得たら,ということです.熱浴の熱を使わずに熱を得ることができれば得だと思うのですができないのでしょうか.

Re: カルノーサイクル

スチーム さんのレス (2008/05/01(Thu) 09:02)

>温度の決められている二つの熱浴以外とも熱はやり取りできるのではないでしょうか.

できますが,それは第3の熱源です.

>熱浴の熱を使わずに熱を得ることができれば得だと思うのですができないのでしょうか

高低2つの熱浴以外の新たな熱源と熱のやり取りをしても,やはり新たな熱源として働きますから得にはなりません.

Re: カルノーサイクル

けん(大学三年) さんのレス (2008/05/02(Fri) 16:56)

>新たな熱源として働きますから

熱源T1は高温熱源として温度をT1に保っているのでT1の熱は無駄にしてはいけないと思いますが,熱を管理していない第3の熱源ならどのように熱を使ったとしても熱を使うことができれば得になりませんか?

温かい部屋の熱は無駄にしてはいけませんが,膨張や圧縮をしたときに大気から熱を得ていたとしたら得できると思います.

Re: カルノーサイクル

スチーム さんのレス (2008/05/05(Mon) 08:07)

>大気から熱を得ていたとしたら得できると思います.

実際的な意味での熱効率と理論的な意味での熱効率は違います.理論的には大気からの熱も管理された熱源からの熱も区別はありませんから. 現実の熱機関では廃熱利用などをすれば効率は上がります.スターリングエンジンにそのようなものがありますし,実現されているかどうかわかりませんが,海洋の温度差発電も無尽蔵の熱源を利用しています.

Re: カルノーサイクル

けん(大学三年) さんのレス (2008/05/05(Mon) 23:30)

ありがとうございます,分かってきました.

カルノーサイクルの効率が一番いい,と言ったときは,仮定として,熱を管理している温度差のある2つの熱源とのみ熱をやりとりする熱機関を考えている,と思ってしまってもいいんでしょうか?

Re: カルノーサイクル

スチーム さんのレス (2008/05/06(Tue) 08:15)

>仮定として,熱を管理している温度差のある2つの熱源とのみ熱をやりとりする熱機関を考えている

はい.通常はそう考えます. 現実の熱機関で効率を上げているものは高低の2つの熱源からなる単純なものでなく,これらを何段階か組み合わせたものです. 発電所の蒸気タービンでは,百度をはるかに超えるまで蒸気を加熱しますが,このとき高温熱源は仮に200度Cですと,低温熱源は低いほうがいいのですが,常温の20度Cというようにはいきません.仮に150度Cのようにすると,廃棄される熱はかなりなものになります.そこで,この150度Cの熱を高温熱源として,利用し100度Cを低温熱源とする第二の熱機関を組み合わせれば全体として効率のよいものが実現されます. カルノーは熱機関の効率を当時の技術者がやみくもに行っていたのを,明確な目標を与えました.また,どのようなところを改良するかの見通しも与えました.

Re: カルノーサイクル

けん(大学三年) さんのレス (2008/05/09(Fri) 16:37)

実際の熱機関についても調べてみます. いろいろありがとうございました.